「栗きんとん」考

きんとんについて考える

今回調査を致しました「栗きんとん」は
◎中津川市の6店

川上屋さん 恵那福堂さん 信玄堂さん
梅園さん すやさん 松葉さん

◎それに乗り換えの名古屋駅構内で求めました、3店

松河屋老舗さん 槌谷さん 餅喜本店さん
*「餅喜」さんは字が違いますが、変換できんのですワ。m(_ _)m

以上、9店の「栗きんとん」を見てみましょう。

【中津川界隈】
川上屋さん 「すや」さんと並んで全国区であります。
*袋(ばら売りを求めましたので・・(汗;) *シールでございます
*外観
袋は、ご覧の様に、非常に素朴と言いますかシンプル な物を使用しておられます。
中津川以外の地域で、直売店がそれ程あるわけではあ りませんが、この地域へ赴いた人々には求め安いよう に、この地では、お店はあちこちにあります。
*断面
【見た目】全体にやや白っぽいですが、栗の粒はほどほ どに、程よい大きさで点在しております。
【Jinべぇの味見】
甘味は控えめの感じですが、食べた途端に栗の味と香 りが、口いっぱいに広がります。すごいです。これ。パサ パサとはしていなくて、ホクッ ―といった感じ。
恵那福堂さん 駅の正面の道からちょっと入るとあります。
*袋(やはりバラ売りで・・・) *シールでございます
*外観
駅正面の通りから、一本入ったところに、小さなお店で すが、ありました。本来、このような形で、この地の人々 に、季節の味を届けていたんだろうな と思うようなお店 です。
*断面
【見た目】
固形の粒状態は目立たなく仕上がっております。その 分、口当たりは大変よろしいようです。
【Jinべぇの味見】
和菓子らしい味です。栗の香りは控えめですが、味わい 深く、「うむ。」という感じでいただきました。
信玄堂さん 駅のロータリー横にありました。静かなお店。
*袋(・・・同様に) *シールでございます。
*外観
本当に駅を右に出るとすぐあります。上品なお店のお姉 さんが印象的でした。(「栗きんとん」を調査に来たんだ ろうが!)
*断面
【見た目】
ご覧の通り、栗の粒は大きめのものが入っております。 そのせいか、色もやや濃い目の色になっております。
【Jinべぇの味見】
固形の状態の栗がしっかりしておりますので食感もそ れなりにあります。ただ栗の香りはやや少ないように感 じました。
梅園さん 駅の正面の道、右側を行くとすぐあります。
*袋(・・・) *シールでございます
*外観
丁度、行きましたときが、お祭りか何かでお店の前で、 獅子舞をしておりました。見ておりますと、一軒一軒、獅 子舞をしながら移動するのですね。偶然、NHKの女性キ ャスターの方が、来店されておりました。この人は、後 の「すや」さんでも見かけましたので、「Jinべぇ」
は、「このネタ、取られた!」と勝手に思っておりました が、どうもそうではなく、中津川へ講演の為に来ていて ― ということのようです。
*断面
【見た目】
お気づきのように、包み方がよそとは異なります。全体 にぽってりした小判状になっており、ふきんで絞ってあ ると言うよりは、中央が尾根状に盛り上がっている感じ です。下敷の台紙があります。
【Jinべぇの味見】
粒の食感は程々にあります。全体に甘めに仕上がって いる感じです。娘は、パサツキ感がなく、良いと誉めて おりました。
すや さん 「栗きんとん」の代名詞みたいな店ですな。
*袋 *シール
*外観
駅正面の通りを、少々歩きますと(信号2つ?)、右側に 出てまいります。ただし、角のビルは、すやさんの事務 所ですから、ここは入ったらいけません。その隣に、趣 のある、格調高い建て屋がありますが、ここがお店。
入りましたらば、地方発送用のパッケージがいっぱい積 んでありました。
中学生の頃だったか、私の母親は「すや」さんの「栗き んとん」に血道をあげておりました。
*断面
【見た目】
つぶつぶも、程よい感じになっておりますね。色は、や や白っぽい印象を受けます。
【Jinべぇの味見】
昔より、ちょっと甘くなったかなぁ。ここのと、川上屋さん のは本当に、栗の香りと味が前面に出てくる。何だろね これ。  
松葉さん 駅からは離れております。妻籠にも出てます
*袋 *シール
*外観
少し駅からは離れております。どのようにして辿り着い たかは、省略致しますが、ここも小じんまりとしたお店で す。お店は小さいのですが、地方発送準備中のおばち ゃんたちが、横一列で応対してくだすったのには、圧倒 されました。「さ、三個ください」という感じで買ってきま した。妻籠の方にも、商品を置いているようです。
*断面
【見た目】
全体に白っぽく感じます。粒はほとんど見えません。気 持ち小ぶりな印象。
【Jinべぇの味見】
栗の香りは控えめでした。きめの粗さをわざと出したよう な、素朴な食感。

【その他の地域】
松河屋老舗さん 栗か芋か忘れましたが大福が有名だと・・・
*包み紙(駅構内にばら売り無く・・(涙)) *外観
*断面
中津川を出ますと、どちらのお店の包みも、テッペンに ほんのりと色がつきますようで・・・。
本場の雰囲気に近いですが、白餡の感触は残ります。 甘さは控えめで、食べやすいことは食べやすい。
栗の香り・味は今ひとつのような(汗)。
槌谷さん 柿羊羹が有名ですね。大垣市のお店です。
*箱(10個入りが一番小さく―泣く泣く) *外観(隣に既に登場してますですね)
*断面
甘く仕上がっております。ここもどうも白餡の存在が前に 出てきますね。個人の好みの問題もあるんでしょう が・・・。
餅喜本店さん ここはよう知りません。ありましたもので。
*包み紙(正しい字は下の通りです。) *外観
*断面
これも、栗の粒粒の入ったお饅頭として、いただきます 分には・・・。いえ、私ごとき駆け出し者が、とやかく言う なんぞ、とんでもない話で、はいっ。
中津川市内の風景を眺めながら・・・考える
今回のレポートで感じたことを少々。
(市内の梅園さんの前で獅子舞)
実は、「すや」さんと「恵那寿や」というお店がありま
して、この2店の「栗きんとん」がたまたま相前後して
手元にあったわけです。妻も私も「きんとん博士」でも
何でもございませんので、無造作に食しておりました
らば、娘が「この前のと違う!!」と申します。よくよく
調べると上の2店の違いであったことがわかりまし
た。私の母親に問い合わせると、姻戚関係にはあるら
しいがやはり違う店であると。「ふむ。「栗きんとん」と
いえども、侮れぬな。」と思うようになり、時節柄このよ
うな暴挙に至ったわけです。
栗きんとん」の悩みはその単純さにあります。材料
は栗と砂糖(物によっては一部白餡が入る)。作り方
も至ってシンプルで、何かに巻いたり、飾り付けをした
りもない。要はそこが我が「栗きんとん」君の悩みで
あります。
それぞれのお店にもちろん製法上の秘伝はあるので
しょうが、差別化が難しい。大体に於いて似て非なる
ものは出来てしまいます。材料の問題もあります。栗
であれば、輸入か国産か。白餡を入れるのか栗だけ
でいくのか。このような材料コストがピンきりの中で、
売価はほとんど横一線と言う環境も悩ましい話です。
栗きんとん」はやはり、庶民の側に帰属したお菓子
ですから、和の生菓子屋がどこそこのお茶の先生のメ
ガネにかなって1個300円しようが400円しようが取
り巻きがこぞって買いにくると言う環境にもありませ
ん。
(明智鉄道途中の岩村城址から遠景)
 この辺りの状況を承知した上で、今回の恐怖の取材
を終えて、改めて思ったことは「中津川は頑張ってい
る」ということであります。わが女房殿も申しておりま
すし、私も同意見ですが、「味に違いはあるけれど、
中津川のものは総じておいしい。」ということでありま
す。ご商売ですから、中津川の中でもそれなりの競
争は、おありなのでしょうが、品質下げずに頑張って
いる感じが致します。
 通信販売で取り寄せも可能ですが、この時節現地
に赴いて、「栗きんとん」を頬張ってみるのも宜しいか
と・・・        (了)