若かりし頃の思い出に合唱があります。
札幌の頃も、混声合唱にとことんのめりこんでおりまし
た。
週に1回。市内にあります幼稚園を夜の時間帯でお借
りして練習を続けておりました。
色々な曲に取り組みましたですが、歌いたい思いがあ
ったけれども、とうとう歌うことのなかった曲が、表題の
『嫁ぐ娘に』という混声合唱組曲であります。
三善晃さん:作曲。高田敏子さん:作詞のこの曲は、
嫁ぐ日を迎えた娘に、母親が生まれた日からのことを思
いながら贈るメッセージであります。
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当時は、やはり何とも申しますか―、
だらだらと一生かけて長い坂道を歩き続ける我々男性
に対しまして、ある意味で「結婚」という、ダイナミックな
人生の変換点を持ちます女性に対しまして
「やっぱ、すげぇな」
みたいな畏敬の念がございまして、それに重ねて、この
曲を歌いもしないのにレコード求めまして、時々は聞い
ておりました。
月日の経つこと幾星霜。
会社で部下なんぞの結婚式には、この最終曲の最後
の一節を祝辞の締めくくりとして、新婦さんに贈ってまい
りました。短いフレーズなので諳んじており
(「諳んじている」と思っていたのですね!)、自分の思い
を込めて贈っていたのです。
それはこんな内容です。
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むすめ、
やさしいひとみと、ほほえみ
愛のこころを
いつの日にも わすれることなく ―。
これ自分でも気に入っておりまして、「三つの袋をプレゼンしたいと思います」云々よりは、気が利いていて良いや
―と思っておりました。
ところがですね、先日このホームページにアップしましたレコード復活の際に、大変な事が判ったのであります。聞
き覚えで暗誦いたしておりましたこのフレーズ。改めて何十年ぶりで引っ張り出してまいりましたレコードのジャケッ
トに印刷してあります「詩」を読みますと、こうなっております。
そのほほえみを むすめよ
やさしいひとみ
愛のこころを
いつの日にも わすれることなく ―。
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(買い求めました、当時の札幌のレコード屋さんの袋で
ございます。)
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まるで何十年か前、生き別れになった娘に再会し
て、懺悔する心であります(恥)。
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