地中海クルーズ報告

2008年5/15から5/31までニッコウトラベル主催の地中海クルーズに参加しました。
ノルウェージャン・ジェイド号で行く歴史に彩られた初夏の地中海、ジブラルタル海峡を越えて英国への船旅 16日間 というツアーで、夜は航海、朝入港した港近くの観光をする仕組みで、停泊地ごとの観光を日本語ガイドのついた大型観光バスでニッコウトラベルが手配します。
一度は飛鳥などのクルーズも行ってみたいと思っていましたが、ドレスコードと海の上での時間が長いのはあまり好まないのでクルーズは敬遠していました。最近ヨーロッパなどでは、現地バスでの移動に代わりクルーズ船で観光都市を回るこのようなコースが多くできてきました。またドレスコードも煩くないようなので一度参加する気になりました。
NCLの13Day Mediterranian Journeyでクルーズして、Shore Excursionsと前後の航空券はニッコウトラベルが用意するツアーです。添乗員が付いています。

船内点描

Norwegian Cruise Line
ノルウェージャン・ジェイド号 
JADE(翡翠)
総トン数:93000トン
全長:294.1m
全幅:32.3m
就航年:2006年6月
乗客定員:2378
乗り組み員:1021人71カ国から
船籍:バハマ
デッキは13階、レストランは常時開いているバイキングほか6か所ある。
コースはNCL(Norwegian Cruise Line)の13 Day Mediterranian Journeyで成田からロンドン経由でバルセロナに行き乗船、ニース(沖止め)、ローマ(チビタベッキア)、カプリ島(ナポリ)、カリアリ(サルデーニャ島)、グラナダ(マラガ)、ジブラルタル、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ(カディス)、ロカ岬(リスボン)、サンチャゴ・デ・コンポステラ(ビーゴ)を訪ねて、サザンプトン入港後、バスにてロンドンへ。帰りはロンドンヒースローから成田に帰ります。
寄港地

操舵室

表彰トロフィー

クルー一覧

Deck13 サンデッキ

Deck13 プール

Deck13 プールサイド

Deck7 レセプション

Deck12 スポーツデッキ

Deck11 11050たをるでサルが

テンダーボート

船首部

船尾部
クルーズについての参考事項は末尾にもあります。


訪れた町とスナップ写真

バルセロナBarcelona 1998年に個人で来たことがあり再訪です。船に乗船する前にグエル公園、サクラダファミリア、 モンジュイックの丘を観光。出発港だけに港の設備も立派で、チェックイン作業が順調に進められます。バルセロナ市では水が不足でタンカーで購入しているとのこと。
グエル公園
PARQUE GUELL
バルセロナ市街に広がる小高い丘に1900〜1914年にかけて建設された公園。 もとは住宅を造る予定だったが60区画造成された宅地は2戸しか売れず結局は市に寄贈されて公園になった

ベンチ

資料館ほか入口付近
サクラダファミリア
Sagrada Familia
サグラダ・ファミリア(カタルーニャ語:Sagrada Familia)はスペイン、バルセロナに長期間建設中の教会。サグラダ・ファミリアとは「聖家族」を意味する。正式名称はEl Temple Expiatori de la Sagrada Familia(聖家族贖罪教会)。日本語では聖家族教会または神聖家族聖堂などと呼ばれる。ガウディの代表作の1つ。
1882年に着工して完成予定2028年。最近工事が進んでいる。
東側生誕の門から入り西側の受難の門に出る。

サグラダ・ファミリア

生誕の門

受難の門
 ニースNice
ニースは沖止めとなり、テンダーボートで上陸。2002年に来たことあり。定番のシャガール美術館の旧約聖書の絵の説明が長い。あとサレヤ広場で市場の見学。プロムナード・デ・ザングレを散歩しながらテンダーボート乗り場へ。
ニース市街を一望するのに絶好の場所城跡LE CHATEAUに登ろうとしたがエレベーターは工事中で断念。

サレヤ広場

ビーチ・遠くにわが船
 リボルノLiverno
リボルノはフィレンツェやピサの海の玄関港として知られている。バスでピサへは約50分、フィレンツェへは約1時間位。メディチ家はこの港をルネッサンス時代に主要港にしていた。多くのクルーザーが寄港して、ピサとフィレンツェへ行くオプショナルツアーが多く組まれます。今回我々はルッカのみ。

リボルノ港

市街
 ルッカLucca
周囲約5km、高さ12mの城壁に囲まれたPucciniの故郷です
サンミケーレインフォロ教会を観光。
ピサルッカ様式の典型で、沢山のアーチ、彫刻が美しい。また内部にはフィリッポリッピの四聖人がある。

プッチーニの記念行事

サンミケーレインフォロ教会
 チビタベッキアCivitavecchia
ティレニア海に面した港町であり、首都ローマから西北西に約80kmの距離にある。ローマテルミニへの鉄道、バスの便がある。「チヴィタヴェッキア」とは「古代の街」を意味する。大抵のクルーズ船がローマを目指して入港する。

岸壁
 ローマRome
何度か来たローマに再び、真実の口、アベンティーノの丘、パンテオンを見学したが、昼ごろから豪雨になり大変でした。
パンテオンでは各国の観光客が雨宿りも兼ねて沢山で、天井の丸屋根から振り込む雨を楽しんでいた。その後はコンドッチ通のカフェグレコで雨宿り
道の狭いローマではSMARTや小型バスが多くなってきている。

真実の口

SMART

アベンティーノの丘から

パンテオン

小型バス
 ナポリNaples 何度か訪れているがいつもトランジット。ゆっくり観光したことが無い。「ナポリを見てから死ね」と言われていたが、2008年になってからはゴミ埋め立て処分場の不足によりゴミの回収がほぼ完全に停止し、町中にゴミが溢れかえっており現在観光客が激減している。しかし観光港付近はきれいであった。

遠景

埠頭

埠頭に姉妹船
 カプリ島Isola di Capri
水中翼船でカプリ島へ。ナポリのほぼ南30km。天候が悪く船も揺れたが青の洞窟は中止。代わりにアナカプリ地区の観光で長いロープウエイに乗る。2000年訪問時に青の洞窟観光できたので今回は仕方なし。ウンベルト1世広場で自由時間

カプリ行き水中翼船

カプリマリナグランデ
 カリアリCagliari
イタリア共和国サルデーニャ自治州の州都。サルデーニャ島の南部にあり、同名の湾に面している。
円形闘技場から徒歩で観光。考古学博物館、あと旧市街を見ながらウンベルト1世テラスまで歩き、後エレベータで下に。山頂からカリアリ湾を見る。
フラミンゴの生息地や塩田を遠くに望む

遠景

考古学博物館案内

考古学博物館入口

ウンベルト1世テラスから

塩田とフラミンゴ生息地
 マラガMalaga
マラガは地中海に面し、リゾート地コスタ・デル・ソルの中心である。画家のピカソの出身地としても有名。
グラナダへはバスで約2時間

ターミナルから

観光バス
 グラナダGranada
1998年来の再訪です。アルハンブラ宮殿の観光システムはますます整備され入場時間が厳密になっています。アルハンブラ宮殿は、アラビア語でアランブラと言い、赤い城という意味。 何度来てもイスラム建築の繊細な美しさに感動する。ライオンの中庭には修理中でライオンがいない。

アセキアの中庭asekia

入口

ライオンの中庭修理中

コマレス宮のファサード

アラヤネスのパティオ

ヘネラリーフエ庭園

ダラハの見晴台からのグラナダ

グラナダ市庁舎お祭り
 ジブラルタルGibraltar
ジブラルタルはイベリア半島の南東端に南北に伸びた半島で、地中海に面し、北側はスペインと陸続き。語源はアラビア語のジブエル・アル・ターリクで、「ターリクの岩」を意味する。イギリス海軍の拠点。アフリカから連れてこられたバーバリーマカクが岩山に棲息している。このサルがジブラルタルからいなくなったら英国がジブラルタルから撤退するとの伝説があるという。
雨と風がひどい中、ケーブルでターリクノ丘山頂へ。ヨーロッパポイント、サルの山などをを観光。午後は晴れ。免税地域というだけありいろいろな店がある。但し日曜日、インド人の店以外はお休み。出港して大西洋に出ると船が揺れ出した。

入港

ターリクノ丘へのケーブル

ターリクの丘から

豊富な品揃えの酒屋
 カディスカディス(Cadiz)

大西洋に面する港湾都市。紀元前より貿易港として栄え、現在も工業製品やぶどう酒など様々な商品が積み出される。アフリカなど各地へ向かう船も発着する。約25キロ北西にへレス・デ・ラ・フロンテーラ、85キロ南東にアルヘシラスなど。午後の自由時間に町を散策。沢山の塔がある街で貿易船の帰国を待ちわびた塔が百近くある。有名なタビラの塔Torre Taviraから大西洋を臨む。カテドラルなどスペインの町らしい風情がある。

カディス港岸壁

タビラの塔

タビラの塔から船が

大聖堂
へレスデラフロンテーラ
Jerez de la Frontera
スペイン南部の都市。カディスから約37km北東の内陸に位置する。シェリー酒(スペイン語で「ヘレス」)とフラメンコで有名。ゴンザレス・ビアス社を訪問し、辛口のTIO PEPEを試飲。シェリーの独特の熟成法「ソレラ・システム」の説明あり。

シェリーの樽

ティオペペの試飲場

ティオペペの人形
 リスボンLisboa
ポルトガル語でLisboa 、英語でLisbonという。大西洋に流入するテージョ川の河口に位置する港湾都市で、ポルトガルの首都。4月25日橋(1966年完成、かつてはサラザール橋と呼ばれた)の下をくぐり入港。ロカ岬を観光後、市西部ベレン地区のベレンの塔(1983年世界遺産)、発見のモニュメントを観光。 ジェロニモス修道院は外観のみ。後ロシオ広場付近で自由時間。ジャカランタの花が綺麗な街であった。

入港

ベレンの塔

発見のモニュメント

舗装に日本1541年とある

ロシオ広場舗装がきれい

ロシオ広場

バイシャ地区
 ロカ岬Cabo da Roca
ユーラシア大陸最西端の岬で西には大西洋が広がり、その遥か先にはポルトガル領のアゾレス諸島が点在する。
ポルトガルの詩人ルイス・デ・カモンイスの叙事詩「ウズ・ルジアダス」第3詩20節の一節「ここに地終わり海始まる(Onde a terra acaba e o mar comeca)」を刻んだ石碑が立っている。希望すれば有料でユーラシア大陸最西端到達証明書を作成してくれる。

ルイス・デ・カモンイスの詩

ロカ岬灯台

記念塔

 ビーゴVigo 大西洋に面する。リアス式海岸のビーゴ湾に沿って広がる港湾都市で、スペイン最大の漁港。サンティアゴ・デ・コンポステーラへは、鉄道やバスで1時間半から2時間である。
 サンチャゴデコンポステーラ
Santiago de Compostela
サンティアゴ・デ・コンポステーラは聖ヤコブの遺骸が祭られているため、古くからローマ、エルサレムと並んでカトリックで最も人気のある聖地であり巡礼者が絶えない。巡礼の街道では巡礼者は、その証明に帆立貝の殻を荷物にぶら下げる。大聖堂を中心としてオブラドイロ広場の右に見えるのが旧王立施療院、現在のパラドールです。大聖堂と向き合う真正面にあるのが市役所です。広場の左側、写真では正面奥にあるのがサン・ヘロニモ神学院です。手前に大聖堂のオブラドイロと呼ばれる正面が見えています。この広場に歴史的な建造物が集まっています。日本から一人で巡礼をしてきた男性を見かけました。

新しい観光バス駐車場

大聖堂

右がパラドール

香炉をつるす縄


オブラドイロ広場


その他参考事項

■クルーズは色々なグレードがあり、また 楽しみ方が人によって違うので、選び方により評価は異なると思いますが、一応カジュアル、地中海という目的にはあっていたと言える。また、一つの体験として楽しめるものは出来るだけ楽しんできました。一般のツアーと比較して一番の利点は、スーツケースを開けたり締めたりする手間が無いので身軽に行動できることです。
夜は航海、朝になると寄港地からバスで観光して船に戻り、出港というスケジュールです。このSHOREexcursionの間はニッコウトラベルの手配になるので集団行動になります。また個人の自由時間が多く、厭なれば観光には参加せず船内に留まり楽しむこともできます。
観光の点では時間の制限があり、港から近い小都市は訪問地として良いのですが、ローマ、リスボンなどという大きな見所の多い観光地は1日では消化不良の感じがします。普通のツアーを利用するほうが良いと思います。

■今回は天候には恵まれず、ローマ、ナポリ、ジブラルタルなどで時々雨に遭った。それも短時間ではあるが、豪雨。コースの目玉の青の洞窟、ジブラルタルでのアフリカ遠望などは殆ど悪天候のために成立しませんでした。

■船の部屋や食事のサービスは4つ星ホテル程度の品質で、満足すべきものでした。食事はクルーズ費用に含まれているので原則として船内レストラン利用になります。バイキングの食堂は時間外でも大体開いており食事は無料、アルコール、コカコーラは有料。2000人のクルー 従業員はよく教育されており誠実、71カ国から来ているが、日本人はいないので最低限の英語が必要。ボーイなどはベトナム、フィリッピン人が多いと感じた。コインランドリあると案内にはあったが無かった。我々の部屋は11050号室[中央付近のstarboadside]でバルコニー付客室でバスタブ付き31平方mで、快適であった。

■バルセロナ乗船チェックイン時に写真を撮り、クルーズカードを渡される。このカードはルームキーであるとともに、上下船時のセキュリティーチェックで顔写真と照合される。またクレジットカードがこのカードに登録されており船内のすべての支払は米ドルでのアカウントで集計される。船内では現金が使えません。

■クルーズラインでは毎日Freestyle Daily という新聞を発行します。次の寄港地の情報、入港時刻、出港時刻、レストランなどの開店時刻、今日のショウの演目など船内生活に必要な情報をまとめて英語、スペイン語で発行します。我々のツアーでは添乗員がそのエッセンスを日本語で毎日配布してくれます。

■部屋にはテレビがあり船の情報や避難要領を流しています。見れるのはCNNのみで日本語放送はありません。インターネットも利用可能ですが、衛星を利用しているので比較的高い有料でした。

■船内では毎日午後7時30分からは約1時間のショウ、またカジノ、ディスコ、バー、エステなどいろいろな楽しみが用意されています。ゴルフの練習場、バスケットコートなどもあります。もちろんプールなども利用可能ですが昼間は出かけているのであまり利用する機会がありません。また基本的には女性ファーストの世界、少しはマナー、英語の勉強が必要でしょうか。

■我々のグループは70歳以上の夫妻7組、女性二人組が2組、女性一人、男性一人で参加者20名でしたが、同じ日程でさらに同じような編成でもう一組が参加しており、日本人は我々40名だけでした。80歳ぐらいの年寄りが多く、またリピータが多いが、英語も全く理解できない人もおり、添乗員は通訳の仕事が大変なようでした。
東洋系の顔付の団体がいたが、聞いてみると国籍はアメリカ、カナダなどでした。バイキング食堂でたまたま遭ったイギリス人、カナダ人夫婦も年齢は高そうで、クルーズは高齢者の集まりのような気がします。

■クルーズはこれからも人気でしょうが、やはりまだ割高なので、船の中身、クルーズの内容(寄港地、季節、日程、どこへ行くか)、料金などを十分吟味して選ぶことが必要です。つまらないことですが、セルフランドリーの有無、ビュフェのメニューの数、日本語が使えるかなどが決め手になると思います。ドレスコードも最近はリゾート&カントリー、またはリゾートカジュアルというレベルが増えてきていますが、あまりカジュアルすぎない船といった観点も必要かと思います。

■同じNorwegian Jade で2013年 地中海クルーズに再び行きました。参考までにそちらもご覧ください。
    2013年地中海歴史クルーズのページ

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