産土の神 うぶすなのかみ
  2011年 3月に起きた 東日本大震災後 神社へ参拝する人が増えているようです。
   とても良いことと思います。大和民族
日本人は 大昔から 神社の神に助けられて 生きてきたのです。
  その土地の神社には 土地の神 つまり 氏神
うじがみ さまが鎮座されています。
  日本の各地では 大化の改新以前から 氏族集団
しぞくしゅうだん の族長神社に祀る習わしがありました。
   その後 やがて中世の村落社会の形成と共に 祖先神 そせんしん や その土地の産土の神
うぶすなのかみ
   屋敷を象徴した氏神
うじがみ さまが 形成されていきました。
  産土神とは その人が生まれた土地の神様ことですが 本来 産土 うぶすな とは 出身地の意味でした。
  その後 その土地をあらわす神々のことを 産土の神と呼ぶようになりました。
  日本人は 自分の故郷と その土地の産土の神を 大昔から大切に祀ってきた民族です。
  「〆縄の意味
  今回の地震
津波放射能によって 避難生活を強いられている被災者の人たちが   
  生まれ育った土地に戻りたいという強い思いは 当然なことと思います。
   
  氏神
うじがみ の歴史は 古事記から判断する限り イザナギの神が最初でありましょう。
  イザナギの神が 小戸のあわぎ原で 禊
みそぎ をしたときに 海の神大綿津見 おおわたつみ の神も現われました。
  漁業や津波などの海洋現象を司る神が この大綿津見 おおわたつみ の神なのです。
  東北
三陸地方は漁業の街が多い故に この大綿津見の神の系譜を祀っている神社が多いのです。
  そして その神社には必ず 御神鏡
ごしんきょう が 祀られております。
  御神鏡は 長い歴史のなかで 土地の歴史や祈りを捧げる人々の姿や魂を ずっと映
うつしてきました。
  
かがみ の語源は もともとかげみで 氏神や産神さまのおかげを 反映し象徴しています。
  つまり その土地に住む民衆の感謝の心の顕われなのでした。
  その
おかげを 守ってきたのが 氏神さまです。つまり 土地の神社なのです。

  私という自分は 神々より後に生まれて その氏神さまの土地で 生活させていただいているのですから
……
  自分の住む土地の神社へ お参りしましょう。人として 感謝の心をもって 神社に参拝に行きましょう。