第21章 邇邇芸の命・恋・結婚
地上に降臨された天孫てんそん (天照大御神の孫)邇邇芸の命ににぎのみこと は 天の宇受売 あめのうずめ に向かい
「この度 先導の役割りを果たした猿田彦の神 さるたひこのかみ を お前が 最後までお送りいたしなさい。
そして 猿田彦の神の御名を頂いて お仕えしなさい」と命じた。
この後 天の宇受売の命の子孫の女性は、猿女の君 さるめのきみ の名で 宮廷に仕えていくことになる。
猿田彦の神の伝説
天の宇受売の命は 猿田彦の神にお仕えして、そのまま、夫婦となった。
また 猿田彦が海に潜って漁をしている最中に 貝に手をはさまれ 海の中で溺れそうになった。
これは、猿田彦の神は、海の民の神ということを 表している。
天の宇受売の命は、猿田彦の神を送って帰ってきた後、海の魚をすべて集めて
ー海に住むお前たちも 天の神の御子に 仕えることに 異存は ないな?ーと 聞きました。
ほとんどの魚がーハイ お仕えいたしますーと返事をしたが ナマコだけは 返事をしませんでした。
すると 天の宇受売の命は ーア〜ラ お前の口は小さいくて ものが言えないのねー と言って
ナマコの口を切り開いて大きくした。 それ以来 ナマコの口は 大きく裂けていると伝わる。
☆ 葦原の国(日本列島)の王に即位した・日子番能邇邇芸の命 ひこほのににぎのみこと (天照大御神の孫)は
ある日 乙女に恋をした。木花の佐久夜毘売このはなのさくやびめ という名で大山津見の神 おおやまつみのかみ の娘。
そのたいへん美しい乙女に惚れた天孫は 結婚を申し込みました。
大山津見の神は 邇邇芸の命 ににぎのみこと と木花の佐久夜毘売 このはなのさくやびめ の結婚を たいへん喜び
佐久夜毘売に加えて 姉・石長比売 いわながひめ も 奉りました。
しかし、姉は 容貌が見劣っていたので 邇邇芸の命は 受けとらずに送り返してしまいました。
すると 冷静な心の大山津見の神は 申しあげた。
「天つ神の御子よ、姉と妹の二人の娘を共に、お側に送ったのには 訳わけがあるのです。
姉・石長比売 いわながひめ の名の由来をうけ 御子の命は石の如く固く、永遠にあり続けることを願い……
そして 妹・木花の佐久夜毘売の名の由来の通り、木の花の如く永遠の繁栄を願い……を籠こ めて
つまり 御子の命が、永遠に栄つづけてほしいという願いをもって、私は二人を奉ったのです。
しかし 佐久夜毘売のみを お側におかれることになりましたので、
残念ながら あなたさま(邇邇芸の命)のご寿命は 木の花の咲く間となりましょう」。
大山津見の神のこの言葉から、神の子である天皇でさえも その寿命は限りあることになったのです。
う〜 二人共 妻に貰っておけば 永遠に生きられたのに‥‥残念 ‥‥‥ボサツマン 第22章へ 海幸彦・山幸彦