第23章 山幸彦・海の国へ行く
兄の大切な釣り針を海に落としてしまった山幸彦は 困り果てて海辺で泣いていた。
そこへ 海の潮流 ちょうりゅう を司る神 塩椎の神 しおつちのかみ がやって来て聞いた。
「高い空の日を仰ぎ見る 尊い火遠理の命さま なぜ 泣いておられるのです どうなさいました?」と。
山幸彦が 泣きながら説明すると
「なるほど 私に 良い考えがあります そこで 見てて 待っててください」と言って
無間勝間の小舟 まなしかつまのこぶね (隙間無くビッシリと編んだ竹の小舟)を造り 海に浮かべて乗るように勧めた。
塩椎の神 しおつちのかみ は 山幸彦に説明します。
「火遠理の命さま よく聞いてください。 私が この小舟を押し進めます 貴方は 乗ったままでよいのです
しばらく 往くと やがて 潮の路(道)があります。 その潮の路を そのまま進んでいくとやがて
大きな魚の鱗の形をした 大綿津見の神 おおわたつみのかみ の宮殿があります。 大綿津見の神 海を司る神。
その宮殿の門をくぐりぬけ 真っすぐ行くと 桂の木が立っている井戸につきます。
貴方さまは その桂木の上に登って待っていれば 海の神の娘がきっと 見つけてくれるでしょう。
そして 大綿津見の神が 無くした釣り針をきっと 見つけてくれるでしょう」。
山幸彦は、不安ながらも、塩椎の神に聞いた海の道を進んで行くと、やがて、海の神の宮殿に着きました。
神聖な桂の木の上に登っていると 大綿津見の神の娘/豊玉毘売 とよたまひめ の侍女じじょ が 家から出てきた。
木の上の山幸彦が 水が飲みたいと言うと、侍女は 井戸から水を汲み器に入れて 木の上へ渡してくれた。
山幸彦は 水を飲みほして空になった器に 自分の首に掛けていた玉の飾りを入れて渡した。
大変高貴な玉の飾りと思った侍女は、その器を持って家の中に入り
「豊玉毘売 とよたまびめ さま たいそう 高貴な方が 井戸の桂の木の上に おります」と、報告した。
豊玉毘売が、外を眺めてみると、確かに高貴で麗しい青年が 木の上におりました。
バチット視線が合った二人の身体に電気が走った。
二人の放出した電気エネルギーは 周りの温度を急激に上昇させ、海の家がヒートアイランドとなりました。
んな訳ないか?すいません 大衆小説風で‥‥ボサツマン
豊玉毘売は、さっそく 父にー父上 門の中に 大変 立派な命みこと がおります 来てくださいーと、伝えた。
海を司る神・大綿津見おおわたつみ の神は 山幸彦を一目見て
「この高貴な命みこと は、天つ神・邇邇芸の命の御子みこ 穂々手見ほほでみ の命みこと である」と 娘に伝えた。
山幸彦 綿津見の神の娘婿になる
大綿津見の神は、山幸彦を宮殿に招き入れ、みちの皮の畳(アシカの皮畳)を 幾枚も重ねて敷き、
その上に 絁畳 きぬたたみ (絹の敷物)を何枚も敷いて坐らせ 海の幸の御馳走を振る舞いました。
そして、その場がそのまま、穂々手見の命と豊玉毘売とよたまひめ の結婚式となりました。
この後、山幸彦(穂々手見の命)は、三年もの間、海の国で 楽しく暮らしておりました。
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