第33章 神武天皇と神の巫女みこ
チャンス当来!
伊須気余理比売は、乙女グループで高佐士野たかさじの に 野遊びに行くという情報を得ました。
天皇は大久米の命・以下部下を引き連れ 乙女たちが野遊びする場所へと向かいました。
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伊須気余理比売いすけよりひめ は周囲からー神の巫女みこ ーと呼ばれていました。
「神の巫女」とは、神がかりになって ご神託しんたく を告げる姫のことです。
★ 丹塗矢伝説 にぬりやでんせつ ー伊須気余理比売いすけよりひめ に関する伝説ー
伊須気余理比売の母は勢夜陀多良比売 せやだたらひめ という名で 容姿端麗ようしたんれい な絶世の美女でした。
今ならば 芸能界のトップクラスの美貌の大女優クラスなのでしょう。
あるとき 三輪みわ の「大物主おおものぬし の神」が その美貌に ベタ惚れしてしまったのです。
オイラも 一度でいいから 絶世の美女に恋したいです ‥‥ボサツマン
ある日、この美女が 溝川の上に作られた「廁」かわや -天然水洗トイレーを 使用していたときに
大物主の神は 自らが一本の塗り矢になって川を流れ この乙女の「富登」ほと に 触れた。
若き乙女が驚いて下を見ると 立派な朱塗りの矢だったので 家に持って帰り 枕もとに置いて寝ました。
その夜 朱塗りの矢は 若くて逞たくま しい美男子に変身して、勢夜陀多良比売と、婚姻を結びました。
こうして 生まれた子が 伊須気余理比売 いすけよりひめ です。 父は大物主の神なのです。
こういう事実から 伊須気余理比売は、神の御子みこ (巫女みこ)と 呼ばれているのでした。
丹塗り矢にぬりや の丹に は 赤色の意味で 赤色は邪気を払う色と 言い伝わる。
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高佐士野原では、一番の美女・伊須気余理比売と乙女たちが楽しく 戯れていました。
大久米の命は 神武天皇に 「どの乙女が お気に召しましたか?」と聞きました。
神武天皇は 歌に心を託して 答えました。
ーかつがつも いや前立てる 兄をし娶かむー 意味:ちょっと 照れるが 一番前の娘が 可愛いくて いいな。
天皇の言葉を確認した大久米の命は 伊須気余理比売に 神武天皇の気持ちを 伝えに行きました。
当時 天皇の軍隊の大将は皆 目のまわりに入墨を 入れていました。大久米の命も入れていました。
これは その時代の風習なのでしょう きっと 大将の威厳を表しているのでしょう ‥‥‥ボサツマン
伊須気余利比売は、大久米の命の鋭い形の入墨を見て 歌を詠んだ
「あめ 鶕鴒 つつ 千鳥 ちどり 真鵐 ましとと など 黥 さ ける 利目 とめ 」
意味: 「雨鳥 セキレイ 千鳥 ホオジロ まるで小鳥みたい なぜ 目のふちが黒いのですか?」。
大久米の命は 神武天皇の熱い恋心を伝えました
「乙女に 直 ただ に 逢 あ はむと 我が裂ける 利目 とめ 」。
意味: 「美しい乙女に 直々にお目にかかりたく 目を裂くように 見開いて あなたを見ているのです」。
うまいな~ 大久米の命 女心をつかむのが だいぶ泣かしているな!……ボサツマン スイマセン失礼な言葉で
伊須気余利比売は 迷いなく返事した
「たいへん うれしゅうございます 喜んで 天の御子に お仕いします」と 神武天皇の熱い恋心を受けいれた。
こうして 神武天皇は 伊須気余利比売を妻に娶りました。 そして 生まれた子は
日子八井ひこやい の命みこと 神八井耳かむやいみみ の命 神沼河耳 かむぬなかわみみ の命 三人。
このうち 神沼河耳の命が 第2代/綏靖天皇 すいぜいてんのう に 即位なさいました。
崩御: 神武天皇は 御年137歳にて崩御された。御墓は 畝傍山うねびやま (奈良県)/白檮かし の尾。 ……合掌
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