第61章   仁徳天皇記 (2)
 古代人の寿命は短命でしたので 種の繁栄のため 多くの子を造って 強い子孫を残す必要がありました。
  とくに
天皇家は子孫を多く残すため 複数の妻を持つのが 一般的でした。
  現代の男性は 皆 羨望するでしょう。だが そうでもないのです。 いつの時代も 女性は強かったのでした。
  子育てをする女性が強いから しっかりしているから 種族がつながってきたのでした。
       「平均寿命 
  とくに 仁徳天皇は 妻の嫉妬に そうとう悩み苦しんでいました。

 ☆
 うわなりねたみ   うわなりとは 新しい妻() つまり 後妻ごさい 
  仁徳天皇の皇后石之日売 いわのひめ うわなりねたみ新しい妻への嫉妬心を 露骨ろこつ に出す人でした。
  だから ほかの
皇后が恐ろしくて恐ろしくて ビビッて逃げ回るしかありません。
 
 黒日売 くろひめ 
 あるとき 仁徳天皇は 皇后のほかに
黒比売 くろひめ を 娶りました。
 
その
黒日売 皇后
石之日売
いわのひめ に散々イジメられて 難波から船で実家へ 逃げ帰ることになりました。
  仁徳天皇は ガッカリ 悲しみと寂しさの心で黒日売 くろひめ を見送り 歌を詠みました。
      ー沖方おきへ には 小船連らく黒鞘 くろざや の まさづ子我妹 わぎも 国へ下らす
 
意味: 沖の辺に連なる小船よ 黒鞘 くろざや いとしい妻が 故郷 ふるさと に帰っていくよ 寂しいなあ
  
   黒鞘のいとしい妻とは 刀の「鞘さや にかけた枕詞で まだ 初々しい可愛い妻の意味。
 ところが この歌を耳にした石之日売いわのひめ ニョキっと ”ツノ8本”出して
  即 家臣を難波の港へ遣わし 黒日売を船から引きおろし 徒歩で歩いて帰るように命じたのです。

           えまさか 信じられない!‥‥‥‥ボサツマン
       
 小泉元首相の言葉: 人生には 上り坂 下り坂 まさかという坂がある
 黒日売逃げ出すのも よくわかります。 いつ殺されるかわからない不安の日々を送るより
  諺にも有るように
逃げるが勝ち 命あってのものだねの 心境だったのでしょう。
  男は 好きな女性には 何が何でも どんなに忙しくても 会いに行きたい生き物です。
  
例え 雨降ろうが 台風が来ていようが 会いたくなったら 即 会いたいのが男だが 温度急激に下がるのが欠点だ。
   熱が冷めた男は
急に仕事が入ったから行けない」 「最近忙しくて睡眠不足だから 今日はゴメン」など言い訳する。
  
男と女の愛情温度は 時間とともに反比例する ‥‥‥ ボサツマン スイマセン またまた 脱線しました
 仁徳天皇もひとりの男です。恋しい黒日売に逢いたいのだが 石之日売 恐ろしくてなりません。
         
   天皇さん そんなに 妻が恐ろしいとは 何か 疾やま しいこと あるの 疑ちゃいます …… ボサツマン
 それでも なんとかして 黒日売に逢いたい天皇は ある名案
めいあん を考えました。
 淡路島の見物という理由をつけて
黒日売に会う計画を考えたのでした。
 仁徳天皇は 生き生きして 宮を出発しました。      
  男がよく考えるパターンだな これは‥‥‥‥ボサツマン
 淡路島観光は そこそこに済ませ 吉備の恋しい黒日売に会いにいきます。    これが本当の目的でした
 黒日売天皇と会えるので 心
ウキウキ
ワクワク。 新鮮な山菜青菜を摘んで待っていました。
 久方ぶりの対面です。天皇は喜びの心を 歌にしました、
  
山がたに蒔ける青菜も 吉備人と 共にし摘めば楽しくもあるか じつに楽しい
  しかし 天皇のご満悦の日々はいつまでも続きません。 まもなく 二人は別れる運命なのです。
 悲しみで泣きじゃくり天皇の袖から離れない黒日売 せつない心のうちを 歌にした
 
倭方に西風吹きあげ 雲離れ退き居りとも 我忘れめや 倭方に往くは 誰が夫
隠り処の下よ延へつつ 往くは 我が夫よと。
  
                                      せつない恋 それが究極の恋なのだ ………ボサツマン
    第62章へ    またまた 皇后 ツノ八本