論語 (3)
○ 君子に三戒あり ー孔子曰く 色 闘 欲 を戒めなさいー
「若き時は 血気いまだ定らず 色を戒むるべし。壮なるに及びてや 血気まさに剛し 闘を戒むるべし。
老ゆるに及びてや 血気すでに衰う 欲を戒むるべし」。
意味:
君子 (立派な人物) になろうと思う者は 人生におけるー三つの戒ーが肝要である。
青年時代は 血気定まらず 刺激を求め触発されやすい そこで 「色」を戒めること。
壮年時代は まさに血気勢い盛んなゆえに 「闘争」を戒めねばならぬ。
老人は もはや血気衰え 色欲も他人との争い事も減ってくるが 「欲」への執着が強くなる。
そこで 老人はこの欲深くなることを 戒めねばならぬ。
○ 孔子曰く 益者えきしゃ に三友あり 損者そんしゃ に三友あり
「直ちょく (正直者) な友 諒りょう (誠意ある者) な友 多聞たもん (広い知識がある者) な友は 益友えきゆう なり。
便辟べんぺき (無責任な者) な友 善柔ぜんじゅう (不誠実な者) な友 便佞べんねい (口先だけの者) な友は 損友そんゆう なり。
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徒然草の作者 /兼好法師けんこうほうし の言葉 「良い友人とは 本を読む人と 物をくれる人 それと医者だ」
物をくれる人が 良い友人とは 小っこ過ぎじゃない………ボサツマン
与謝野鉄幹 よさのてっかん は 「人を恋いうる歌」のなかで
「妻を娶らば才たけて 御目みめ (顔)麗しく情けあり 友を選ばば書を読みて 六分の侠気に四分の熱」
現代には皆無だ こんな妻も友も 与謝野さん あなたの生きた時代は良かった……ボサツマン
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○ 孔子曰く 君子に侍 じ するに 三愆 さんけん (三つの 間違い)あり
「言げん いまだ 及ばざるに言うは これを躁 そう と謂う 言げん これに及ぶも 言わざるは
これを隠いん と謂う いまだ顔色を見ずして言うは これを瞽こ と謂う」。
意味:
君子への口のきき方には 注意点が三つある
君子が話さないうちに 自分から勝手に口出しする「躁 でしゃばり」は 嫌われる。
隠し事をしていて話さない「隠 かくす」は 他人に不快感をあたえる。
相手が迷惑がっているのに 話つづける「瞽 配慮不足」は 無神経で愚かである。
今の言葉でいうと 空気がよめない 瞽の人 最近多いですね………ボサツマン
○ 孔子曰く 君子に三畏 さんい あり 「狎なれ」は なれなれしい 失礼な態度
「君子は 天命てんめい を畏おそ れ 大人たいじん を畏おそ れ 聖人せいじん の言げん を畏おそ る。
小人しょうじん は 天命を知らずして畏れず 大人に狎な れ 聖人の言を侮 あなど る」。
意味:
「畏おそれ」とは 神仏に畏敬いけい の念を抱く意味で 身をカガメルこと 恐ろしくて自然に身が縮むこと。
君子には 憚はばか る(恐れ慎む)三つの畏れがある
君子たる者は 天命に決して逆らわず その総てをまっとうするように努力する。
大人(有徳者)は 天命をふみ行い人の手本となる人物だから 君子は大人を尊敬し侮あなど らない。
聖人の言葉には 「人はいかに生きるべきか」の指針が 豊富にあるから 君子はこの三つを畏れて
日々 修養を重ね徳を積んでいるのである。
しかし 小人は 天命の重大さも 大人の尊厳も 聖人の言葉の偉大さにも 気がつかず無視している。
だから 小人はいつまでも 道徳心が向上しないのである。 (4)へつづく