分別功徳品 (2)
世尊
「では この品にある経文の意味 を説きましょう。
○ 無生法忍 むしょうほうにん
無生むしょう は 無生死むしょうじ を略した言葉ですので、変化とは無関係・つまり変化しないことの意味。
忍とは 忍耐にんたい の忍ですので 心境がしっかりしているから 心に迷いが無いこと。
仏ほとけ が説く 生死しょうじ とは 万物は常に変化するという意味で 衆生の生きる・死ぬではありません。
経文‥‥‥六百八十万億那由他恒河沙なゆたごうがしゃ の衆生 無生法忍を得る‥‥‥の意味は
衆生が 人生の表面の変化などに動揺しないで、大自信を持って 自分の人生を生きてゆくことです。
そうは言ってもねえ! 凡人のオイラにはなかなか難しいことです‥‥ボサツマン
○ 聞持陀羅尼門 もんじだらにもん
陀羅尼だらに とは 悪を止め 善をすすめ行う力をいいます。
経文‥‥‥千倍の菩薩摩訶薩ぼさつまかさつ あって 聞持陀羅尼門を得る‥‥の意味は
千倍とは 千とか万とかの具体的な数字ではなく たいへん大きい数(無量の数)の表現なので
無量の仏の教えを聞き 心に保ち あらゆる悪を止め・あらゆる善をすすめ行う力を得る…… の意味です。
○ 楽説無礙弁才 ぎょうせつむげべんざい
楽説ぎょうせつ とは 法を説くことは喜びであるから 自らすすんで説法するという意味。
無礙むげ とは 外や内のあらゆる妨げに負けない力で 法を説く相手の心の抵抗をうち破る力のことです。
経文‥‥‥無数の菩薩が 楽説無礙弁才を得る‥‥の意味は
無数の菩薩が 外や内からのあらゆる妨げにも 決して負けることなく 喜んで正法しょうぼう を説き
どんな相手にでも 正法をもって説法できる才能が得られる‥‥という意味です」。 つづく