日記:2003年9月
9月30日(火) 自然食の店「かるら」で夕食
昨夜は、自分としてはかなり飲んだ割にはスッキリと寝覚めた。ビールや日本酒よりは、焼酎の方が後に残らないのかも知れない。
北海道自治体学会のニュースレター発行や会費の納入通知について関係者と連絡を取ると、案外基本的な部分で業務が滞っていたり認識が違う部分があることが分かる。こうしたことは、自分が事務局長として全体的な事務の責任を負うようになって初めて分かったことだ。
午後6時ころ、一関さん、杉本さんと「かるら」で夕食。自然食の店で、こだわりの食材を使った料理が次々と出てくる。特に、最後の方に出てきた釜炊きのご飯は最高だった。子育て中の母親たちが集まることのできる喫茶店を作りたいというビジョンについても、たいへん興味深くうかがった。これほど具体的で力強いお話しを本人から聞いたのは、ボラナビ倶楽部の森田麻美子さんからボランティア情報誌「月刊ボラナビ」創刊のプランを聞いて以来である。こうした話を聞けば、「現実はそんなに甘くない。」と言って水を差し勝ちだし、実際に一歩足を踏み出してもとんとん拍子に事が進むケースは極めて希だろう。しかしながら、夢を持たなければ何も始まらないというのもまた事実である。私としては、とても楽しみなビジョンなので、今後できる限りの支援をしたいと思う。とりあえずこうしたビジョンがビジネスモデルとして実現可能なものか、またはコミュニティビジネス支援などの形で立ち上がりの支援が受けられないか、調べてみようと思う。
9月29日(月) 職場の飲み会
苫小牧市にある出光興産北海道製油所のナフサ貯蔵タンクが十勝沖地震で損傷し、昨日の午前中に出火していたが、今日になって燃え方が激しくなりタンク北側部分から倒壊したとのことだ。苫小牧市内には煙やガソリン臭が流れて、市民生活にも大きな影響が出ているようだ。
午後6時から職場の飲み会に出席する。会場の居酒屋「忍月」は、三条美松ビル(南3条西4丁目)の2階にあり、なかなか洒落た店である。体調が悪いときは悪酔いするのだが、今夜は午後9時まで3時間、けっこう飲んだ割には気分も爽快で、私としては有意義な飲み会だった。
また、パールモンドールのチーズケーキB?が美味しいとの情報があった。実は、パールモンドール通いは8月からやめているのだが、今週末は久々に二日間ともフリーなのでパールモンドールにチーズケーキB?を食べに行ってみようと思う。
帰宅後、メールチェックすると、上野さんから10月3日(金)の夜、連続シンポジウムの打合せを行いたいとのこと。場所は、南2西6にある上野さんの会計事務所だ。11月には北海道自治体学会のメンバーが中心となって、「自治基本条例」に関するシンポジウムを開催する準備を進めており、面白い動きがいろいろと出てきて楽しみな状況になってきた。
9月28日(日) 合宿(2日目)
午前6時半に起床し、7時から温泉大浴場で入浴する。広々として快適な風呂だ。
8時に、食堂で朝食を取り、8時半にチェックアウトする。たまたま1ヶ月に1度の朝市が開かれるとのことで、5キロメートルほど登別寄りの市場に向う。私は、「虎杖浜昆布」を購入し、他のメンバーも「サラ貝」、「甘エビ」などを購入していた。札幌市役所の今川さんは、「オスのシロザケ」を1匹丸のまま購入していた。自分でさばいて料理するそうだが、流石に乙部町出身だけのことはある。
午前9時半に市場を出て、渡辺さんの車と私の車に分乗して帰路につく。私の車には、恵庭市議会議員の中島さんと、道新情報研究所の溝渕さんが同乗した。白老インターチェンジから道央自動車道に入り、恵庭インターチェンジの路線バス乗り場で中島さんが降り、地下鉄大谷地駅のそばで溝渕さんが降りて、午後10時過ぎに野幌に帰り着く。
ガソリンスタンドで給油し、喫茶店「岳」でモーニングコーヒーをいただいて、11時半ころ帰宅する。昼食を取ると、急に眠気が襲ってきて、午後1時過ぎから3時半ころまで昼寝をする。
それでも、運営委員会のまとめなどを作成しなければならないので、気分転換のため午後4時過ぎの電車で札幌に向かい、いつもこうした作業のとき利用している某喫茶店で午後6時過ぎまで記録作成作業に没頭する。
9月27日(土) 北海道自治体学会運営委員会&合宿(1日目)
午前10時に自宅を出発し、支笏湖近くの道路を通って正午過ぎに白老町に到着する。北海道自治体学会運営委員会の会場である創造空間「蔵」に入り、20人分の資料や飲み物を並べて準備する。午後2時から運営委員会を開始する。最初の1時間は、北海道自治体学会フォーラムin北広島の日程が、11月22日(土)・23日(日)に変更になったこと、来年度のフォーラム開催地を女満別町とすることなどを決定し、その後は午後5時過ぎまで、北海道自治体学会のあり方について意見を述べ合った。「北海道自治体学会の活動趣旨は、地域の問題解決を図ることではないか。」、「自治とは何かを確認し合う場とすべきである。」といった意見が交わされ、地域の問題解決に向けた実践の必要性と、それを裏付ける理論構築の必要性が確認された。
運営委員会終了後、午後5時20分ころ白老厚生年金保養ホームにチェックインする。宿泊する12名分の部屋代を支払い、鍵を渡し、30分後にロビーに集まってもらうことを確認する。
午後6時から、近くの居酒屋で懇親会を開催する。白老町役場の星さんが予約してくれた炉ばた焼の店で、白老牛や前浜で獲れた魚介類などを焼いて、日本酒をいただく。総勢16名が参加し、賑やかな宴会となった。近況報告は一人3分程度のはずがどんどん長引き、午後9時過ぎにようやく散会となる。途中、蘭越町役場の梅本さん、懇親会終了後、南幌町役場の嶋田さん、酪農学園大学の松本先生が帰り、残った12名で二次会へ。ここは、白老町議会の最年少議員である小西さんが経営するパブである。午後11時に散会し、宿に戻る。私が泊まった部屋に、ビールなどを持ち込んで三次会となり、午前1時過ぎまで続いたが、昼間の疲れが出て窓辺のソファーで眠り込んでしまった。
9月26日(金) 平成15年十勝沖地震
明け方の午前4時50分ころ、地震があり震度4の大きな揺れとなった。テレビのスイッチを入れると、間もなく地震情報が流れはじめ、浦河、新冠などでは震度6弱の大きな揺れだったとのこと。そのままテレビを点けていると、午前6時9分ころ、またしても震度4の大きな揺れがあった。午前4時50分の揺れは、十勝沖を震源とするマグニチュード8.0の地震で、午前6時9分ころの揺れは、その余震だったようだ。
午前7時を過ぎて出勤時間が近づいてきたが、交通情報を見るとJRが不通になっている。運行の見込みがないままにJR野幌駅で待っていても仕方がないので、自宅でJRの運行再開を待つ。午前8時半ころから、札幌圏の通勤電車が徐々に運行をはじめたようなので、午前9時過ぎに自宅を出てJR野幌駅へ向かう。駅に着くと、プラットホームが人で溢れている。ようやく着いた電車も満員で、乗り込むことができない。結局、午前10時半過ぎになってようやくJR札幌駅に着くことができた。
職場では書類が棚から落ちたりすることはなかったようだが、図書室の方は棚から本が落ちてたいへんだったようだ。
帰宅途中、久々にバロック音楽が聴きたくなり、環状通東駅そばの喫茶店「ターフェル」へ。残念ながら今夜は客が多く、音楽に浸ることはできなかったが、抹茶が思いの外美味しかったので満足する。
帰宅後、ニュース番組を見ると、今朝の大地震については、気象庁が「平成15年十勝沖地震」と名付けたとのこと。500人近くが重軽傷で入院したほか、十勝川河口付近で釣りをしていた2人が行方不明になっている。ここ1週間以内に、大きな余震が発生する確率も高いようだ。
8月上旬の台風10号、今朝の平成15年十勝沖地震、そして10年ぶりの大冷害と、今年は本道にとって散々な年になりそうだ。
9月25日(木) 親しい人々の訃報
今朝は、昨日までとは一転して小雨が降りやや蒸し暑い。
以前お世話になったMさん(49歳)が、肝臓ガンのため今朝3時20分に亡くなったことを知った。日々多くの出会いがあると、ほとんどの人は目の前を通り過ぎて行くだけで印象も残らないが、Mさんは「出会って良かった。」と思える数少ない一人である。少なくとも半年前までは健康そのものに見えたのだが、一寸先は分からないものだ。Mさんの奥さんとは、昨年まで二十四軒の札幌市身体障害者福祉センターで中途失聴者にパソコンの使い方を講習する活動を一緒にやっていたので、取り分け気の毒に思える。
一昨日の八十木先生、今日はMさんと立て続けに親しく接した人の訃報を受け、精神的に甚だ疲労を感じる。そのためか、何となく気分が優れないので早目に帰宅し、静養に努める。今月初めから続けている「鼻を温める健康法」も、大型のタオルを使って入念に行う。しかし、この健康法れを勧めてくれたIさんとも間もなくお別れかと思うと、とても寂しい気持ちがする。
9月24日(水) 慶應義塾大学大学院生のヒアリング
午後4時ころ北海道NPOバンクの北村さんからの紹介で、慶應義塾大学の大学院生がNPOの支援システムに関するヒアリング調査のため訪ねてきた。湘南キャンパスにある政策・メディア研究科の金子郁容研究室の学生で、修士論文を書くための基礎資料にするそうだ。名刺を見ると、連絡先の住所は「鎌倉市七里ガ浜」となっている。昨年9月中旬に江ノ島を観光した際、小田原から乗った江ノ島電鉄の路線図に「七里ガ浜」の地名が載っていたことを思い出した。「真白き富士の嶺緑の江ノ島・・・」という歌詞で始まる「七里ガ浜の哀歌」(※「七里が浜の哀歌」を聴きたい人はここをクリック)と言う歌があるほどで、「七里ガ浜」と聞けば何か物寂しい感じがするけれども、今はけっこう繁華な場所になっているらしい。
ヒアリングが終わった午後5時ころ、今年1月釧路に異動したSさんが訪ねてきたので話をしているうちに、最近結婚したばかりのTさんのことが話題になる。Tさんは言動が粗雑でどちらかと言えば敬遠したいタイプなのだが、それでも一緒に暮らそうという女性がいるのだから世の中は面白い。「割れ鍋に閉じ蓋」という言葉を思い出し、ニヤリとしてしまった。
私は、「おっとりした」タイプの人間が好きなのだが、ただ「おっとりしている」というだけでは気が利かないのと同じだ。十分に気は使っているのだが、それでもどこか抜けているというか・・・愛すべき欠点を自然な形で持っている、そんなタイプの人間が好きだ。でも、そんなタイプの人間は、効率性を重視する今の世の中ではほとんど見かけなくなってしまった。
帰宅途中、三省堂で『農業のしくみ』(有坪民雄著)を購入する。
帰宅後、マップファンの住所通知機能を使って、27日(土)午後2時から開催する北海道自治体学会運営委員会(第3回)の会場である、しらおい創造空間「蔵」の場所を参加者に通知する。
9月23日(火) 市民自治フォーラム
午後1時半から、ポールスターで開催された「市民自治フォーラム」(札幌市主催)に参加する。まず、上田市長が「共に考え、共に悩み、共に行動すること」というテーマでお話しされ、その後九州大学の木佐教授が「市民自治を支えるものは何か」というテーマで講演された。
「市民自治」というテーマについては、私も年中聞いているのだが、自分の言葉で語れる部分はそれほど多くない。ただ、ハッキリ言えるのは、「市民自治」と「民主主義」という言葉は、両者が不可分に結び付いているということだ。「市民自治」とは、文字通り「市民でできることは市民自身でやる。」ということだ。市民自身がルールを作って力を合わせて行くのだから、民主主義そのものだし、意見の違いや提供できる資源の違いを乗り越えて行く過程の中から、「違いがあることを認めること」こそが民主主義の本質であることに気付かされる。
帰宅後、メールを読むと、駒澤大学の八十木裕幸教授が亡くなったとのこと。江別市民国際交流協会の設立メンバーで、第2代目の会長だった。岩見沢の教養部が廃校になってから、東京の本校に単身赴任していたのだが、まだ60歳くらいの方なのでまったく意外だった。ありし日の記憶をたどるとひどく寂しい気持ちがして、しばし瞑目する。
9月22日(月)
さわやか福祉財団に派遣になっている川原田さんから依頼のあった「地域協同推進フォーラム・北海道」に係る情報を、北海道自治体学会のメーリングリストに流したり、廣田まゆみさんから頼まれた原稿のチェックを済ませて返信する。体調が悪い時期には、こうした作業が負担になっていたのだが、少し余裕を持って対応できるようになってきた。
9月27日(土)・28日(日)の白老町合宿については、ようやく出席者が確定した。運営委員会に20名、懇親会に14名、宿泊でも12名の参加者があり、盛況となりそうだ。考えてみれば、白老町内に宿泊するのは今回が初めてなので、とても楽しみである。運営委員会の会場も、古い倉庫を改造した「蔵」という文化ホールであり、こうした機会にその地域ならではのユニークな施設を利用できるのも面白いことだ。
ところで、本日の白老町議会でこの春の統一地方選挙で初当選した坂下利明町長の不信任決議案が可決されたとのこと。「財政再建が唯一の公約」などとして初当選したものの、町長就任直後に財政再建策の柱だった白老港第三商港区建設の凍結方針を撤回するなど、次々と公約をほごにしたことが不信任の理由らしい。せっかく3度目の挑戦で当選しても、本人の力量がなければ町長として力を発揮するどころか、次期選挙までの4年間その地位を維持することもできないのだ。
9月21日(日) 北海道NPOバンク
良く晴れているが、かなり冷え込んで寒い朝である。
正午少し前に、北海道NPOバンクの北村さんから電話があり、「NPOバンク便り」に原稿をお願いしたいとのこと。私もこの手の記事集めにいつも苦労しているので、頼む側の心情を考えて快く引き受ける。原稿を書くためには気分転換が必要なので、札幌の街に出かけ、こうした場合の隠れ家としている喫茶店で小一時間かけて書き上げる。
北海道NPOバンクは、様々な地域課題の解決や、地域資源の活用などに積極的に取り組むNPOなどの市民活動団体に融資する目的で昨年10月に設立された。バンクへの出資は無利子であり、引き出すことも面倒なのだが、設立の趣旨に賛同し出資者の一人となっている。
帰宅後、メールをチェックすると、Uさんからメールが届いており、9月18日(木)にニセコ町に出かけ、逢坂さんと連続シンポジウムについて打合せを行ってきたとのこと。来年2月14日(土)に開催予定の上田市長とのトークは、打ち合わせなしのぶっつけ本番が一番面白いから、それで行きたいとのこと。上田さんと逢坂さんをコーディネーターとして、毎年3〜4テーマずつ連続11回のシンポジウムがスタートする。こうなると、2007年4月の統一地方選挙を目指しての動きと勘ぐる向きもあると思うが、Uさんが逢坂さんとの打ち合わせの際、「選挙のことは、そのことを前提には考えていません。」と言うと、逢坂さんも「その方がいいです。全く普通の色のつかない市民の立場で、政治を考える場というのが大切です。」と言っていたとのことだ。Uさんから、この連続シンポジウムの運営メンバーになってほしいと頼まれ、選挙目的が背景にあるならお手伝いするとは難しいと答えていたのだが、Uさんと逢坂さんの意思が確認できたので、運営メンバーに加わることを承諾した。
9月20日(土) 地方自治土曜講座(第3回)
今日は、本年度第3回目となる地方自治土曜講座である。朝7時過ぎに自宅を出て、札幌駅地下街のドトールコーヒーでモーニングコーヒーをいただいてから、8時半過ぎに北海学園大学に到着。文系講義棟6階の60番教室に入り、講座の準備を行う。マイクを調整したりテープテコーダー(2台)をセットしたりしているうちに、アッと言う間に開講時刻の10時になる。
午前中の第1講は、北海学園大学の佐藤克廣教授が「市町村行政改革の方向性−ガバナンスとNPMのあいだ−」というテーマで講演された。正午から1時間の休憩をはさんで、午後1時から2時半まで、埼玉県志木市の尾崎誠一さんが「志木市行政改革への挑戦」というテーマで、市民を行政パートナーとして活用するなど大胆な行政改革に取り組んでいる志木市の状況を報告された。午後2時45分から4時50分までは、白老町企画課の岩城達己さんと、電通北海道の石本玲子さんが加わって4人でパネル討論。
最初から最後まで、マイクを調整したりテープレコーダーやボイスレコーダーに講義やパネル討論を録音したりしていたが、いろいろと興味深いお話しをうかがうことができた。特に、志木市の行政パートナーについては是非どのようなものか知りたいと思っていたので、今回はとてもよい機会だった。志木市の行政改革は、きめ細かく徹底している。今後、ますます注目されることだろう。
講座終了後、講師と運営スタッフの懇親会が開催されたが、健康のため宴会を少し控えたいと思っているので、今回は遠慮させていただいた。
9月19日(金)
朝から小雨が降って蒸し暑い一日だった。9月25日(木)から第3回定例道議会が始まるのだが、今日は主要会派から代表質問の質問項目が示される日である。何もなければそれに越したことはないが、万が一にも質問が当たれば対応に追われるので心の準備をしていたところ、幸いに何事もなく過ぎてホッとした。
議会の答弁準備が何故たいへんなのかと言えば、最大の理由は時間に追われるからである。定例議会とは道民のための政策を真剣に議論する場であるという理想と、限られた時間の中でその場をしのぐ答弁を作るという現実との間には大きなギャップがあるように思うのだが、さりとて解決策もなかなか見出しがたい。
午後6時半から、行政経営改革研究会の本年度第1回会合が札通ビル3階の会議室で開催された。NPOとの協働を進めている埼玉県志木市の担当者が講師だったので、お話をうかがいたい気もしたのだが、その方のお話は明日の地方自治土曜講座でうかがうことができるし、早朝から地方自治土曜講座の手伝いをしなければならないため出席は見合わせる。
9月18日(木) 創意工夫とオリジナリティ
昨日ようやく身辺に積み上げた資料を整理し、地域経済の分析を行うためには新たなフレームが必要だと気づいた。これまで時間をかけて勉強した農業経済学の知識が直接的には役に立たないことが分かって、内心ガックリきているのだが、今朝から心機一転フレームを描く作業に取り組む。
定期的に出されている報告書などで、データを更新して解説を加える作業と違って、ゼロからフレームを描く作業は、創意工夫とオリジナリティが最大限に求められる。市町村レベルの地域経済は産業分野や経済主体が多数入り交じっているため、入手可能な経済データから地域経済の実態を把握することは、かなり難しい作業である。例えば、人口5千人足らずの町なら、町役場の職員も窓口に来る町民のことは、親類縁者を含めほとんど分かっているそうだが、地域経済の実態となると途端に視界不良になる。国勢調査、工業統計、商業統計など限られた統計資料の数字を羅列しても、各産業分野や経済主体がどのような関連性を持って地域経済が動いているのか、生き生きと捉えることができていないのである。もし、地域経済を生き生きと捉えることができるフレームができれば、地域の振興施策を考える上で、極めて有意義だろうと思う。
午後6時ころ職場を出ると、たまたまSさんと出合ったので、札幌駅地下街の「三八(さんぱち)菓舗」で7時半過ぎまで話し込む。
9月17日(水) 我が国産業構造の現在・過去・未来
午前中、机の回りに積み上げていた書類を片付ける。人口推計、マクロモデル、農業経済の分析など途中まで手掛けていた作業がようやく整理できる状況になってきた。農業経済の分析については、これまで農業経済学の勉強をすれば少し頭の整理がつくのではないかと思っていたが、実際に農業経済学のテキストを読んで勉強して見ると、市町村レベルの地域経済をどのように分析するかという枠組み(フレーム)が、ハッキリしてないことが何よりも大きなネックになっていることに気づいた。国レベル、都道府県レベルの経済分析なら、いろいろな資料が整理された形で公表されているのだが、市町村レベルの経済分析については、数字を置き換えればそれで済むような良く整理された資料が存在しないのだ。これから、何とかして地域経済を分析する枠組みを創り上げなければならない。
昼過ぎから、北海道経済産業局主催の講演会「我が国産業構造の現在・過去・未来」に出席する。経済産業省の伊藤調査統計部長が講師で、商業統計及び工業統計から見た産業構造の変化について面白い視点が盛り込まれていた。商業統計から見ると、小売店の大型化と営業時間が伸びていることが特徴であり、それは消費者のライフスタイルの変化に応えたものだという。また、工業統計から見ると、工場の海外移転が進んでいるが、日本人労働者が高い給料に見合った仕事をしていないということであり、日本人の国際競争力が落ちていることなのだという。
帰宅途中、阪神タイガース優勝記念セールの様子を見るため大丸札幌店に足を運ぶ。紳士服売場に立ち寄り、スーツを注文する。私に限って言えば、阪神タイガース優勝の消費誘発効果はあったわけだ。
9月16日(火) 阪神タイガース優勝の経済効果
連休明けなので仕事に追われることを覚悟していたが、公共事業縮減の影響に加え、阪神タイガースの優勝が本道経済に及ぼす影響、長万部町における将来人口推計など次々と分析や情報提供の依頼があり一日中その対応に追われた。おまけに、山形県からも膨大な調査ものが届き、これを片付けるのもたいへんな作業だ。結局、農業経済の分析には、まったく手を付けることができなかった。
阪神タイガースの優勝が本道経済に及ぼす影響については、既存の情報を整理して提供することにとどめたが、「ほしのゆめ」の売れ行きが好調だったり、阪神ファンの商店主があやかりセールを打ったりで、予想外の経済効果があるかも知れない。全国の景気が上向けば、本道経済にも当然プラスの影響はあるハズだ。
千葉市役所の志賀さん、三重県自治会館組合の別府さんに『論集「政策型思考と政治』を読む」を送付した。8月29日(金)に大津市のピアザ淡海(おうみ)で依頼を受けてからずっと気にかかっていたので、ようやく責任を果たすことができてホッとする。
9月15日(月) 阪神タイガース18年ぶりに優勝
朝から秋晴れの好い天気である。昨日は、休養するつもりが結局パソコン修理のため消耗したので、今日こそは徹底的に休むことにする。とは言え、家の中に閉じこもって過ごすには惜しい好天なので、ぶらりと札幌の街にでかけた。
途中、ボイスレコーダーに録音した一昨日の鼎談を聴く。改めて聴く北川氏(前三重県知事)のお話しは、とても示唆に富んでいる。北川氏は、国会議員から三重県知事となり、2期務めた。知事を辞めるとき、多くの人から「国会議員に戻るのですか。」と言われたそうだ。知事を辞めたら国会議員に戻るはずだという発想が貧しいと、北川氏は言う。
本日発売された月刊クオリティの記事に、この春札幌市役所を退職した部長職以上180名余りの再就職先が掲載されていた。ほとんど全員が、札幌市の外郭団体等に再就職しており、正に天下りと呼ぶにふさわしい。北海道庁もほぼ同様だろう。それにしても、定年退職してからまで、それまでの延長のような仕事をして、他の世界を見ることも無く一生を終えて虚しくはないのだろうか?
阪神タイガースが18年ぶりに優勝した。明日からは、大丸とイオンが関西系の流通業ということで、あやかりの祝勝セールに入る。シンクタンクの中には、阪神優勝の経済効果をかなり大きく見積もっているところもあるが、これで少しは景気が良くなるだろうか。
9月14日(日) パソコン修理
今日は、NPO全国フォーラムの2日目だったが、一昨日からの疲れが溜まっており、早朝からのプログラムに参加することは難しいと考え、休養することにする。
ところが、昼前に姉から電話があり、パソコンが壊れたので修理してほしいとのこと。姉の頼みでは断わることもできず、とりあえずパソコンを持ってきてもらって、できる限りの復旧を試みることにする。午後2時過ぎに、姉がパソコンを持ってくる。ブラスターウイルスに感染し、ウインドウズXPだけは再インストールしてもらったものの、ワード、エクセルやインターネット、メールができないのだという。調べてみると、オフィス2002がきちんと再インストールされていない。そこで、オフィス2002の再インストールを試みるが、パソコンがフリーズしたり、壊れたファイルを修復したりしているうちにどんどん時間が過ぎてしまい、午後6時過ぎになってようやく再インストールが終了した。
4時間以上もパソコンと格闘し、流石に疲れたので気分転換のため、既に日が落ちて暗くなった街にでて、喫茶店「岳」でコーヒーをいただく。疲れが溜まっているためか、左足の中指に違和感を感じたので、例の健康法を試み安静に心がける。
9月13日(土) NPO全国フォーラム2003北海道(1日目)
午前11時に自宅を出て、11時50分にJR札幌駅到着。12時05分、札幌駅バスターミナル発のJRバスで札幌コンベンションセンターへ。
12時半ころ到着して、センター内を歩いていると、ボラナビ倶楽部の森田麻美子さんから呼び止められ、「月刊ボラナビ創刊5周年」のお祝いとして2ヶ月前に贈ったケーキのお礼を言われた。今ごろお礼を言われても何だかなぁ・・・。
午後1時から、オープニングフォーラムに出席する。「NPOは真の民主主義の担い手になりうるか」と題した鼎談では、早瀬NPOセンター常務理事がコーディネーター役を務め、札幌市の上田市長と早稲田大学の北川教授(前三重県知事)が、真の民主主義を実現するために何が大切かについてお話しされた。北川氏のお話しは初めてうかがったが、切り口が大胆で、とても面白かった。「民主主義」という言葉は、誰もが知っているようでいて、その意味をじっくり考える機会は滅多にないものである。上田市長は「民主主義とは、自分のことは自分で決めるという自治の精神である。」と述べ、北川氏は「by the people(人民による)ができることが本当の民主主義である。」と述べていた。
午後3時半から6時まで「地域連携によって社会を変える」というテーマのセミナー、6時半からレセプションに参加した。レセプションには、高橋知事も来賓として出席し乾杯のあいさつをしたが、30分足らずで帰っていった。私の方は、久々にKさんと話し込み、午後10時過ぎに帰宅した。
9月12日(金) 市民活動全道フォーラムで講演
夜中に目が覚めてメールチェックすると、上野さんからメールが入っている。逢坂ニセコ町長と、上田札幌市長を中心とする連続シンポジウムのプログラムを組み立てたので意見がほしいとのことだ。第1回目は、来年2月14日(土)13:30〜北大学術交流会館における逢坂さんと上田さんの対談で、テーマは「徹底討論!「まちづくり基本条例」〜条例から考えるまちづくり〜」。その後、毎年3〜4回の連続シンポジウムを行い、最終の第10回目は、やはり逢坂さんと上田さんの対談でテーマは「徹底討論!「次世代への道標」〜子どもたちの未来のために・大人の責任〜」と決まっているそうだ。2007年(平成19年)春の統一地方選挙をにらんだ動きだと思うが、長期的な取組みになるので、着実にねばり強くやってほしいと考え、その旨メールで意見を送った。
朝から、農業経済の分析に取り組み、これまで溜まる一方だった資料を片端からコピーし、本体を返却する。体調の回復に伴い、気力が出てきた感じだ。
午後3時40分過ぎに職場を出て、4時05分JR札幌駅バスセンターの2番乗り場から札幌コンベンションセンター行きのバスに乗って市民活動全道フォーラムの会場である札幌コンベンションセンターに向う。午後4時半に地下鉄東札幌のそばにある札幌コンベンションセンターに到着し、午後5時から事前の打ち合わせ。その後6時から開催された分科会「地域の市場創造委員会」に講師として出席する。参加者は27名に上り、席が足りないほどだった。
終了後、「つぼ八 札幌駅北口店」に移動し、懇親会に出席する。午後11時ころ散会し、午前0時半過ぎに帰宅する。
9月11日(木) 体調が回復気味?
午前中、明日の講演のしゃべり原稿を作成する。不特定多数の聴衆を相手に話す場合、いつも直前までしゃべり原稿のチェックをするのだが、なかなか満足のいくものができない。それでも今回は、参加者が20名程度と少人数なので、壇上に上がって話すよりは気が楽である。
これまで仕事に追われて、農業経済の分析に手が付いていなかったのだが、ようやく本腰を入れて農業経済の分析に取り組むことにする。昼休みに、旭屋書店で農業経済学のテキスト『農業経済』(荏開津典生著)を買ってきた。農業という産業分野を理解しようと思うとどこから手を付けて良いか分からないが、それは農業が経済学的に見て様々な点で特異性を持っているからである。
ひょんなことから、函館に住んでいたころ同じ下宿の住人で、いつも一緒に谷地頭温泉に通っていた田中浩樹さんを思い出した。彼は、函館東高校で体育を教えており、毎日汗を流す必要があったから、おつき合いして温泉通いをしていたわけだ。軟式庭球のコーチをしていたため、しょっちゅう生徒たちが集まっていたが、当時の私には田中先生のところに遊びに来る生徒たちがひどく子供っぽく思えたものだ。それが最近では、彼女らと同期のIさんから健康法を教えられたりするのだから人生は分からない。彼は、昭和59年度から61年度まで3年間、函館東高校の時間制講師を務めた後、昭和62年の春、北見市の相内中学校の体育教師として赴任して行った。私は、その年の5月に相内まで彼を訪ねて行き、中学校の隣りにある教員住宅に1泊した後、一緒に屈斜路湖、硫黄山をまわって別れた。その後は会っていないが、今は網走市内の中学校にいるはずである。
先月末まで体調に不安を抱えており、8月27日(水)からの関西旅行も申し込みを早まったと少し後悔することもあったほどだが、今月に入って体調が回復してきたような気がする。身近なように見えて、実際には極めて難しい農業経済の分析に取り組もうとする気力がわいてきたのは、体調が回復してきたためかも知れない。
9月10日(水) 『カラマーゾフの兄弟』
午前中、函館市商工観光部の商工管理課長と担当者が訪ねてきて、10月下旬に函館市役所の企画・商工担当職員を対象として産業連関分析に関する研修を開催することになり、その講師として招かれことになった。函館へ足を運ぶのは、2年ぶりになる。函館の宿は五稜郭のホテルシェナに決めているのだが、今回は函館市役所が会場なので、ホテル函館山にでも泊まって元町あたりを散策しようと思う。
函館の観光エリアは、元町、五稜郭、湯ノ川に分かれているが、元町を抜きに函館の観光を語ることはできない。元町の魅力は、何と言っても異国情緒である。例えばハリストス正教会は近づいてみれば無骨な建物だが、その姿を目にすると荘厳な雰囲気に打たれる。ロシア関係と言えば、旧ロシア領事館も味のある建物だ。道南青年の家として一般公開されていたので、何度となく足を運んだものである。私がドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を読んだ場所も、旧ロシア領事館であった。
ドストエフスキーの作品で最も有名なのは『罪と罰』だが、最高傑作は『カラマーゾフの兄弟』ではないかと思う。放埒な長男ドミトリー、理論家の次男イワン、理想家の三男アレクセイの3人がカラマーゾフの3兄弟である。ドミトリーが生き方を180度転換する場面、イワンが理知的過ぎるがゆえに精神的に破綻する場面、アレクセイが神秘的な体験をする場面、これらの場面が如何に巧みに力強く描かれているかは、実際に苦労してあの超大作を読まなければ味わうことができない。
先週半ばからメーリングリストで参加者の確認をしていた9月27日(土)・28日(日)の白老合宿については10名を超える参加者があり、何とか楽しくやれそうな雰囲気になってきた。
9月9日(火) 沈黙の秋
前日9時間も眠ったためか、夜中に目が冴えて、午前1時から3時ころまで考えごとをして過ごした。記憶によみがえったのは、8月25日(月)、幌延町で過ごした夜だった。講演終了後、懇親会が終わって宿に戻ったのは午後11時過ぎだったが、周辺ではうるさいほどに虫の鳴き声がしていた。流石にサロベツ原野のまっただ中にある町だけのことはあると感心した。ところが、今夜は中秋の名月が近いというのに、虫の鳴き声がまったく聞こえてこない。レイチェルカーソンは、その著書『沈黙の春』をとおして、強い農薬を使って春になっても虫の鳴き声も、鳥のさえずりも聞こえない状態を作りだしてしまった状況に警鐘を鳴らしているが、江別市あたりでも『沈黙の秋』であることが当たり前になってしまっているのだ。
小樽市産業振興課の藤本さんから、「小樽職人の会」の資料を送ってもらう。小樽市は斜陽の町と呼ばれて久しいが、モノ作りの文化を定着させようと努力している。今度の講演では、小樽市の取組みを紹介しようと思う。ちなみに、小樽市産業振興課のK課長は自他共に認める仕事人間で、土日も休まず仕事をしているそうだ。たしかにスゴイとは思うが、どこかに無理はないのだろうか?
9月8日(月) シュートリー
昨夜は9時半に就寝し今朝は6時半に起床したから、久々に9時間も睡眠をとったわけだ。こんなに寝たのは、ここ数年記憶にない。
朝、函館市役所から電話があり、産業連関分析の現地講習をお願いしたいとのこと。担当の課長と担当者が、10日(水)に相談にくるそうだ。一昨年は、函館で自治体学会の全国大会があったため何度も足を運んだが、一昨年の秋からは一度も行っていない。もし、函館に足を運ぶ機会があれば、火事で焼けたという五島軒がどうなっているかを見てみたいし、昔のように谷地頭温泉で汗を流し、元町壱番館(まだあるだろうか?)から港夜景を眺めつつラズベリーのシャーベットをいただく・・・という時間を過ごしてみたい。
帰宅途中、大丸6階の紳士靴コーナーで、シュートリーを注文する。コルドヌリ・アングレースの最高級品(8,400円)だ。これまで靴には気を使っていなかったのだが、今年に入ってからシュートリーを試してみたところ履き心地が良くなったので、靴を休ませる際には必ずシュートリーを入れておくことにする。これで、シュートリーが3組目になるので、翌々日履く靴までシュートリーで整えておくことができる。見えない所に気を配るのは、紳士の心意気だ。
9月7日(日) 完全休養
来週末は、12日(金)の夕方から札幌市産業振興センターで講演、13日(土)・14日(日)はNPO全国フォーラム北海道会議に出席、9月20日(土)は早朝から地方自治土曜講座の運営というスケジュールとなっており、しばらく週末はゆっくりできないので、せめて今日だけはゆっくり休むことにする。
朝5時に一度目を覚まして、朝刊に目を通したが、その後はメールチェックをして最低限の返信をしたほかは、例の健康法以外特に何もせずに過ごした。
今日は気温が上がらず、外は冷たい風が吹いて寒いほどだったが、家の中に差し込む秋の日差しは明るい。毎年この時期に秋の日差しの美しさを感じるとともに、「素朴な琴」と題した八木重吉の詩を思い出す。「この明るさの中へ 一つの素朴な琴をおけば 秋の美しさに耐えかね(て) 琴はしずかに鳴りいだすだろう」
今日は、初物のトウモロコシをいただいた。単に塩ゆでしただけのものだが、天下の美味に感じられる。ここ10年余り、全国各地を巡り歩き、美味珍味と呼ばれるものは大抵試してみたが、この時期にいただくトウモロコシには比べようもない。
9月6日(土) ホテルライフォート札幌
午前10時に、ホテルライフォート札幌のロビーで嶋田さん、廣田さん、田中さんと待ち合わせ、1階のティールームで「地域市場創造委員会」について打合せを行う。11時過ぎまでかかって、当面の具体的な進め方が大体固まった。
別れ際、嶋田さんに10月25日(土)・26日(日)に開催予定の北海道自治体学会フォーラムin北広島の準備がどれだけ進んでいるか確認したところ、会場が当初の北広島市芸術文化ホール(花ホール)から道都大学キャンパスに変更となり、内容も「市町村合併と道州制」として、高橋知事の出演を交渉中とのことだった。当日まで時間がないので、内容的には異論をさしはさむ余地はないが、とにかく上手く行くことを願う。
11時半に散会し、田中さんと二人で、9月1日(月)札幌駅北口にオープンしたエルプラザのオープニング記念イベントをのぞき、「地域市場創造委員会」の二次会会場として「つぼ八 札幌駅北口店」を予約した後、JR札幌駅地下街(アピア)にあるイタリア料理店「リオンドゥール」でパスタセットをいただく。田中さんと意見交換しながら感じたことは、北海道自治体学会のメンバーは、「様々な課題について集まって勉強することの中からいろいろな連携が生まれてくるので、北海道自治体学会の役目は、学習機会を提供することだ。」という考え方をするグループと、「いつまでも勉強ばかりしていても仕方ないので、どんどん実際の政策に結び付けていくべきだ。」という考え方をするグループに分かれてきているということだ。どちらの意見にしても、絶対にどちらかが正しいということはないハズだが、全体の主導権を巡る意識と関わっているので簡単にはいかないのだ。
帰宅後、札幌チャレンジドへホームページ更新データを送信する。
9月5日(金) 非因果的な「共時性」について
昨夜は、午後8時前に帰宅し、比較的規則正しい生活リズムを保つことができたため、鼻柱を温めたりしながら、久々にゆっくり眠ることができた。そのためか、体調が少し良くなったような気がする。
ユング心理学には、非因果的な「共時性」という概念がある。一般的に因果的には関連づけられないが、何か他の連関でむすばれている心理的並行現象と考えられるものであり、例えば東洋の「易」のようなものについて、ユングは偶然として捨て去らず、全体性を重んじる考え方として尊重していた。
ユング心理学でもう一つ面白いのは、「無意識が意識を規定する。」という考え方だ。人々の意識の底には、膨大な無意識の世界が潜んでいる。その無意識の世界こそが、人間の意識を支配しているというのである。無意識の世界をかいま見る大きな鍵は、その人が見る「夢」だという・・・。私の「夢」には、繰り返しある記憶が出てくるので、何がトラウマになっているのかが自分でも分かっている。しかしながら、深層心理をコントロールし、トラウマを癒すことは容易ではない。おそらく、わが国におけるユング心理学の第一人者である河合隼雄先生(文化庁長官)のカウンセリングを受けても上手く行くとは限らない。でも、今の自分にとって必要なものは理屈ではない。暖かい思いやりの心が何よりも大切なのだ。
漫画『ナニワ金融道』で知られる漫画家の青木雄二さんが、肺がんのため58歳で亡くなった。『ナニワ金融道』は、お金を巡る人間模様を赤裸々に描いた作品であり、その後数多くのエッセイで明らかにされた青木さん自身の下積み体験と相俟って独自の金銭哲学が展開されていた。遅咲きで成功したため、これから過去に苦労した部分を取り返そうとしていたようだが、寿命がそれを許さなかった。人間の運命とは定めなきものだ。
9月4日(木) 女性の審議委員について
昨夜は夜更かししてしまったので、寝覚めがスッキリしない。JR札幌駅高架下のベスト電器店内にあるドトール・コーヒーでモーニングコーヒーをいただく。
今年5月いっぱいまで、同じ職場にいた方から電話がかかってきて、「女性の審議委員を紹介してほしい。」と相談を受ける。遊漁(釣り)に関する審議会で、男女共同参画社会なので女性を入れないわけにはいかないそうだ。人選の期限も明日までということで、相談してきた方もかなり焦っている。取りあえず心当たりの3名を紹介し、どうにか納得していただく。
女性の社会進出が進んでいるとはいえ、フォーラムや審議会で堂々と意見を述べられる女性となると、挙がってくる名前は極端に限られている。私は、そうした数少ない女性を幅広く知っている方だと思うが、彼女たちには共通した特徴がある。それは家族の理解を得ていることだ。
一昨日から取り組んでいる「鼻を温める健康法」については、Iさんが資料をくれた。それによれば、特別な道具を必要とするものではなく、温めたい部分に当てるタオルの一部を熱い湯でぬらして絞り、それで鼻柱をおおうようにして温めるのである。今夜は、そのとおりやってみた。
9月3日(水) 第7回議会研究会
昨夜は、9月27日(土)・28日(日)に白老町で開催する北海道自治体学会の合宿について運営委員会のメーリングリストに流したり、議会研究会の資料を整理したりしているうちに午前0時を回ってしまった。
午前5時に起きて道新の朝刊を読むと、昨日公表した分析の結果が一面に掲載されていたので、いつもより早めに出勤して問い合わせへの準備を行う。案の定、午前中は追加の分析や問い合わせへの対応で終わる。
午後6時15分から、北海道自治会館6階の会議室で開催された第7回議会研究会に出席する。今後の進め方としては、北海道自治体学会の会員である議員を5名ほど選んで、議会基本条例案についての意見を聴くことになった。午後9時過ぎに終了後、「はねもん屋」で午後11時過ぎまで懇親会。飲み会は控えたいと思っているのだが、いざとなると率先して飲み会を開催してしまう。飲み会の席上、北大の神原教授が「50代になると世の中が見えてくる。40代の連中では危なっかしくて任せられない。」という。論語の一節に「50にして天命を知る。」とあるが、その年齢になって初めて分かることは確かに存在する。
午前0時過ぎに帰宅後、鼻を温める健康法を試してみる。アロマテラピーの効果も考え、鼻に載せるお絞りにオーデコロンを加えてみたが、これは失敗だった。それでも心持ち体調が良いような気がするのは、精神的なものが作用しているからだろう。
9月2日(火) 「鼻の温め方」について
出勤と同時に、財政立て直しプラン実施の影響について分析の依頼があり、大急ぎで片付ける。講演の依頼については、課長あての正式文書が届いたので、講師として出席する旨回答する。この間にも、観光の分析、経済の「域内循環」に関する相談など次々と仕事が入ってきて、昨日に引き続き慌しく過ごす。
最近は、ようやく体調が回復してきたものの、5月下旬くらいからどうも本調子でない。いろいろな本を読み、ホームページで調べたり、札幌厚生病院のK医師にアドバイスをいただいたりしている。年齢的なものに加えて、精神的なものも影響しているようだ。原因はある程度分かっても、対策となると実に難しい。リラックスをしなければと力が入り、かえってストレスになるのだから困ったものだ。そう思っていると、Iさんから思いがけず「鼻を温めると良いそうですよ。」という意見があった。科学的な裏付けがあるようには思えないが、Iさんという人は、他人をからかうような人ではない。言い方も訥々としていじらしいほどであり、思いやりと真心のこもった意見であると感じたので、早速取り入れることにする。帰宅途中、野幌のヨーカドー、ツルハ、セブンイレブンで鼻を温める健康用品を探したが、適当なものが見つからなかったので、お絞りを温めて使ってみる。これで本当に効き目があるかどうか分からないが、少し気持ちが明るくなったので、それだけでも大きな収穫だった。
9月1日(月) ホームページプロジェクト
8月26日(火)の昼過ぎ以来、6日ぶりの出勤である。この間に、仕事がタップリ溜まっていた上に、次々と分析の依頼や相談が入ってきたため一日中仕事に追われる。昼食をとる時間がなく、買い置きしてあったウイダーinゼリーで済ませたほどだった。結局、午後3時半になって、ようやく一息つくことができた。
不在の間に、メールが30通くらい溜まっている。片っ端からチェックし、返信を書く。中には、講演の依頼と経済活性化策の相談もあった。講演の依頼については、正式の文書で課長あての依頼文をもらうこととし、経済活性化策の相談については、明日午後3時から打合せを行うことにする。
午後7時から、北海道NPOサポートセンターで、札幌チャレンジドのホームページプロジェクトに出席する。活動記録と地域通貨「チャレ」のページの更新、リンク集のうちマイクロソフト製品に関する便利なページをピックアップする役割を引き受けた。
午後8時半ころ散会し、午後9時5分札幌駅発の電車で帰宅する。