小林歯科診療所


4.冷たい・熱い時痛い

1.冷たい食べ物飲み物を口に含んで痛い事はよくあります。歯にしみるとも表現しますが、この状態の時は、歯髄(神
経と言う事が多いのですが、正しくは歯髄と言います)が、生きています(歯が生きている状態で、有髄と言います)。歯
髄が死んだり、治療で取ってしまっている時(無髄と言います)は、冷たいものでしみる事はありません。

 1)しみる原因は主に虫歯です。虫歯になり、穴が空くと、表面の堅い層の抵抗が無くなる上、歯髄との距離が短くな
   り、刺激を伝えやすくなります。それで、健康な歯では刺激を跳ね返すのですが、虫歯では、“しみる、痛い“と反 
   応するのです。
   ここで注意しなければならないのは、「痛い・しみる」と感じるのは「良い事」なのです。斥候の役割をする神経が、
   虫歯という危険を予知して知らせているのです。このサインを見逃してはいけません。治療の必要性を、しみる、痛
   いとして教えてくれているのですから、健診を受け、治療をする最良の機会なのです。
 2)よく何処が痛いか、しみるか分からない事があります。多くは歯頚部(歯肉との境目)に原因があります。最近多い
   のは、楔状欠損と呼ばれるものです。原因は色々言われていますが、歯ブラシで削ってしまったものが、多いよう 
   です。横磨きで強くこすって、歯頚部の下、歯根を楔状に削ってしまうのです。歯根は柔らかいので、頭(歯冠)の 
   堅い所と段差が出来てしまいます。
 3)もう一つ、歯頚部ですが、削れてはいないのにしみる事があります。これを知覚過敏と言います。若い人には比較
   的少なく、年を取るに連れ、現れる事が多いのです。骨が溶けて、歯根が表面に現れます。当然刺激に対して反 
   応が激しいので、冷たいもの、時には、甘いものにしみてしまいます。

2.熱いものにしみる事があります。1.の冷たいものにしみる原因と同じ場合が多いのですが、より注意が必要です。
 1)生きている歯(有髄歯)が熱いものにしみる時は、虫歯が進んで歯髄の化膿が始まっている事が多いのです。我慢
   せずに、早めの診断治療が必要です。
 2)無髄歯(死んでいて、治療が完了している)が、熱いものにしみる事があります。残随と呼ばれる事が多く、根管 
   (歯髄の入っている管)の先の方で、歯髄の再生が起こっている場合に、現れます。根管は、複雑な形をしていて、
   細い枝があり、その中の歯髄が生きている事があります。又、根管の先の閉鎖が充分でなく、(肉芽と呼ばれるか
   さぶたのようなものが)再生して、刺激に感じてしまいます。この場合は、根管内を掃除し直せば、だいたいの場 
   合、治まります。



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