酒井式「造形のエキス」についての考 文責:角銅 隆

平成14年9月27日作成
平成22年8月28日更新

1.エキスは基礎基本の中にある

 先日の酒井塾in長沼に97年の学年別シナリオから作成した「酒井式基礎基本表」を作成しご意見を伺った。
 酒井先生は
「その段階でエキ
スは考えていなかった。造形のエキスは基礎基本の中にある。しかし、基礎基本表に位置付くものではなく、造形のエキスで別表ができあがるべきである」
と整理された。

→数ある基礎基本から抽出されるのが「造形のエキス」である。


2.エキスは知識理解に重きを置く

 「エキスの授業は、例えば手を教えたとしても、手をかくという作業はとても少なくて構わない」
 

→従来のかかせながら教えるスタイルから、教えてからかかせるスタイルへの移行 とも受け取れる。作業をさせないのは、時間削減に対する1つの回答であり、単位 時間内に身につける内容を明らかにしていく過程で、スリム化を図った結果と思われる。

3.エキスは時間内に技能面の定着を図る

 「この時間に何ができるようになったのかを明らかにしていく必要がある」

→単位時間内で、これがかけるようになったというスキル体得。それに伴う充実感を得ることができる。


4.エキスは短時間で教える

 「滝川では50分、長野では2時間。手のエキスを扱うには最終的に2時間必要だった が、エキスの授業は短時間で行うこと必要。場合によっては20分ということもあり得る」

→酒井先生がおっしゃった時間は、20分、45分、50分、長くても2時間であった。体得に長くかかるものはエキスではない。


5.エキスは応用できる

「かけるようになった手を使って、シャワーを浴びた自分やヨサコイをする人、そして横笛を吹く人もできることを分からせた。」

→じゃんけんなどもかけるので、造形のエキスを使うことで苦手意識がとれ、題材に幅を持たせることができる。


6.エキスは精選される

 「やたらにいれたくない」

→エキスの展開として、例として透視図法などの技法はどうか伺った時の言葉。技法は基礎基本である。その中で透視図法は、短時間で効果を得ることができるので、造形のエキスとして成り立つのか伺った。しかし、酒井式描画法として造形のエキスを1つずつ開発していきたい旨を伺った。
これから模擬授業等で各先生方が造形のエキスの授業に挑戦するだろうが、酒井先生の許可を得て「造形のエキス」ということになるのでなろう。


7.パーツはエキスになりうる

「パーツはエキスになる可能性がある」

→手がエキスになったように、つなぐ前の部分はパーツになりうる。これが人体以外でも適用できるかは不明。


8.色彩のエキスは、濃淡・色相の中にある

「旭川で行った講座は色彩のエキス的内容の強いものだった。濃淡と色相はエキス になる。濃淡は筆に水をどう含ませるか。色相の変化は、混ぜても濁らない色作りにある」

→旭川で行ったことを、より深化させたイメージが次に発表される造形のエキスになりそうである。途中で主調色のことも伺ったが、主調色はテーマを限定するためのものとして否定された。

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