奈良 済美地区社会福祉協議会
第493回

11月せいび歩こう会

秋酣(たけなわ)、京一番の紅葉の名所、洛西右京区梅の畑三尾の郷、禁裏供御人の住むところ、脚絆纏う「畑の姥」、洛中梯子や床几等、頭に乗せ売り歩いた女性の住む所、愛宕山の峡谷を巡る清滝川、仏に導かれ天下の景勝地を散策します。ご参加下さい。

日 時

11月10日(日)午前8時 近鉄奈良駅地下改札口前集合

コース

奈良@ 8 : 18 発京都行急行=(近鉄)=京都Bバスチケットセンターで 1 日バスフリーチケット購入=(JRバス・周山街道)=山城高雄…(歩く)…橋…神護寺…西明寺…高山寺…栂尾バス停=(バス)=京都駅=(近鉄)=奈良

歩行距離

3 km強 坂道・石段多し

費用

交通費:往復 2,020 円  

  奈良〜(近鉄 610 円・往復 1,220 円)〜京都〜(JRバス・ 1 日フリー切符 800 円)〜高雄

拝観・入山料:  ※神護寺は団体拝観しますが、 西明寺・高山寺は各自自由に拝観してください。

  神護寺(団体 450 円)

  西明寺(団体 450 円)、(個人 500 円)

  高山寺(拝観料 600 円+入山料 500 円)

食事

弁当・飲物必ずご持参下さい。料亭多く一般食堂少なく、季節的観光客多し



高尾

高雄又は鷹尾とも書きます。清滝川の清流に臨み、渓谷を埋める楓樹によって紅葉の名所、この辺り槇尾・栂尾・高尾を併せて三尾と称せられ、鎌倉時代承久の乱の時第82代天皇後鳥羽上皇が北条氏に追われ洛中を彷徨いここ三尾の里に避難された時、村民は仮御所を設けて上皇を匿った。その功により村人を「供御人」という特別扱いの名称を拝受、印の入った提灯が授けられ、すべての「諸役免除」女性大原女と同様京洛中を梯子等頭に、ただ違っていたのは、お歯黒に白い手甲脚絆、「供御人」の印入り提灯を持ち、長煙管を腰に売り歩いた。そうした女性を「畑の姥」といった。明治以降も大嘗祭には用材の献木のご用命を拝したと伝えられる。

神護寺

高野山真言宗の寺、創建由緒は不詳、1200年の昔奈良時代から平安の初め頃和気清麻呂が復興させ和気氏の氏寺とした。後比叡山の伝教大師最澄が奈良南都の高僧十名と来山、鎮護国家の修法を行って後、清麻呂の遣児達が民寺の性格を格上げしようと神護寺と改め空海それは弘法大師に付属する大寺、神護国祚真言寺、略して神護寺となった。

薬師如来を本尊として空海はこの御寺を本拠とし、龍山6ケ年、その間において寺を充実、寺観を整えたが、その後二回の火災で衰微、文覚上人によって後白河法皇の寄進や源頼朝の寄進により再び造営が進められた。この強行な寄進依頼のため、文覚上人は伊豆・佐渡・対馬に再々流され復興を見ずに鎮西(大宰府)で没した。その弟子達の努力によって豊臣・徳川が再興させた。明治の廃仏令で一宇を残し廃絶 現在の姿となったと伝えられる。

寺の左奥、清滝川渓谷の眺よい所、地蔵院の在る所で土器投げができる。渓谷の高さ著しく天下の美景、殊に紅葉の美しさ格別である。

「額立石・硯石」

弘法大師が当寺に在住の時、高野山「金剛峯寺」の額を大師に依頼のため勅使が訪ねて来た、ちょうど前日からの五月雨で前の清滝川の水量が増し、川を渡ることができなかった。勅使は川の畔でためらっていると寺側から見ていた弘法大師は墨汁を含ませた筆を勅使がいる対岸に向かって投げた。筆の先にたっぷり含ませた墨汁は、霜となって飛び来たり石の上に置いた額に「金剛峰寺」の文字があらわれたという。

額立石は、楼門前石段下右側崖に、額立石は、日本最初の下乗石というのは高雄橋渡った所坂道右側在る。金堂に本尊薬師如来(国宝)傍らに日光・月光・十二神将・四天王等安置される。

西明寺

槇尾山、嵯峨野の大覚寺派、弘法大師の高弟智泉が神護寺の別院として建立、現在まで荒廃・焼失を繰り返し、徳川五代将軍綱吉の母桂昌院によって再建、本尊釈迦如来(小像)傍らに千手観音像安置

高山寺

以前は御室派別格本山、現在単立寺院、神護寺の都賀尾坊、天台宗の寺院で後に法性坊尊意が11才で入山、三年間修業、その後久しく荒廃、平安時代末期、文覚上人によって一時再建した。後、上人は佐渡に流され、鎌倉時代、約 800 年前明恵上人が第82代天皇、後鳥羽上皇の院宣(上皇の命令)に依る公文書を奉じ華厳宗興隆の根本道場となり、皇より額を賜ったことから高山寺と改められた。寺観が整えられたが応仁の乱で焼亡、桃山時代、豊臣秀吉の寄進により寺領58石等により現在の姿となった。

「鳥獣戯画」

1,200 年〜 1,300 年に描かれた白描の戯画絵図四巻を所蔵する。

猿・兎・蛙など遊びを擬人的(人でないものを人間のように表現する)に描いた絵鳥羽僧正覚猷の筆というが根拠がないと云う。

※白描とは日本画でほとんど色彩を使わず墨一色の線描きのもの。

一見の価値がある。殊に四巻の内一巻は「見事」と称賛されている。


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