●カレイ科 |
マガレイ brown sole,small-mouthed sole | |
春から初夏にかけて、暖かく穏やかな海でカレイ釣りするのは本当に気持ちがいい。 道南ではマコガレイと混同されることが多いが、裏側の背腹両縁の後半部に黄色い帯があるので マコと区別できる。雌でmax40cm、雄でmax30cmくらい。 このカレイは煮付けが一番おいしい。子持ちを煮付けて煮こごりにしたのは最高である。 |
マコガレイ marbled sole | |
北海道では津軽海峡沿いに分布。知内付近が一番多い。5月〜6月にかけて知内は遊漁船であふれかえる。
大型が釣れ、引きもよく、味も良いので大変な人気である。 釣り方は主にサオと手釣りで、サオは50号〜80号、手釣りは潮流の速い 津軽暖流に負けない位の200号のオモリを用いる。 それでも潮が速いとドンドン流されて、凧揚げのようになってしまう。 常に底をこづいて砂煙をだし、時々ゆっくりとオモリを海底から上げる。 その瞬間バフッっていうかんじで食いつき、引きが指先にダイレクトに伝わり楽しいのである。 高級魚で有名な「城下ガレイ(大分県)」と同じ種で、当然刺身は一級品!!まじでうまいぞっ。 ただし、春先の産卵直後のものは今ひとつ。 |
イシガレイ stone floundwr | |
体の両面ともウロコが全くなく滑らだが、表側には背と腹の両縁に沿って数個の石が 並ぶのでこの名が付いている。河口域でも釣れる。大型が釣れるとなかなか強い引きで楽しませてくれるが、 独特の臭いがあるせいか道内ではあまり上等な扱いをされていない。刺身が一番おいしいかも。 |
ソウハチ pointhead flounder 浅場から深場まで | ||
スマートな長楕円形で、口は大きく、とがっている。上の目の位置が他カレイと異なり、頭の縁上にある。
浅場でも釣れるし、水深100m級の胴付き仕掛け・イカ餌・電動リールというヘビーな釣りでも対象となる。 独特のにおいがあり鮮度が落ちやすいが、一夜干しにしたものを焼いて食べるのが一番おいしい。脂ものっている。 一夜干しを作ろう。 |
ババガレイ silme flounder 今や高級魚! | |
かつては大衆魚であったこのカレイも、今や漁獲量もめっきり減少し高級魚の仲間入り。 唇が厚く、体は長い楕円形をしている。表面のぬめりは著しく、 きたならしい?ところから、ばばっちいカレイ=ババガレイとなったらしい。 ナメタ、アワフキ、ブタと呼ぶ地域もある。 釣りの対象としては、なじみが薄いがマコガレイ釣りでの外道としてたまに釣れる。 時期によりババを本命とした釣りもあるけど数は釣れない。 他のカレイと異なり、サオを動かしたり、おもりで底をこづいたりして誘うと喰いが 悪くなるので仕掛けはそのままに。 50cm以上も珍しくないので、釣り上げた際は他者からの羨望の眼差しを浴びる。 身は厚く、煮付けがおいしい。 | |
スナガレイ sand flounder, longsnout flounder 人気はイマイチ | |
春の噴火湾でのカレイ釣りといえば釣果の半分以上がこのカレイ。 大型はおらず、手のひらサイズが中心だが、子持ちだったりするとうれしい。 裏側に明瞭な黄色の帯があるので一目瞭然。 身が薄く、煮付けにするよりも、唐揚げにしてバリバリ骨まで食べるのがおいしい。 またカラカラに干したものをさっと火であぶって食べるのもいける。 |
その他カレイ | |
鰭に黒色の条紋のあるクロガシラガレイ、超高級魚のマツカワ(タカノハガレイ)、 両目が左側にある美味しくないヌマガレイ(カワガレイ)、ヌマガレイとイシガレイの雑種オショロガレイ、 サメ肌?のサメガレイ、ぬるぬるしたヒレグロ(オイランガレイ)、裏側が充血したように赤いアカガレイ などなど。 |
●ヒラメ科 |
ヒラメ bastard halibut, japanese flounder 獲物をめがけて猛スピード | |
道内の漁獲量は全国1位にあるが、食卓へのなじみは薄く、釣りもあまりポピュラーでないようだ。 船釣りが中心で、マス釣りのようにバケを用い、 エサのドジョウやオオナゴを生きたように泳がせて釣る。バケの重さで、向こうあわせになるため、 いわゆるヒラメ40秒というのはまったく関係ない。鋭い歯で指をかじられることからテックイ(手喰い)という 呼び名もある。 放流物は、無眼側に黒い斑点があるのが不思議だ。 |
●カジカ科、ケムシカジカ科 |
トウベツカジカ(ケムシカジカ) 獣のような皮 | ||
は虫類のような,ムニュっとした皮で,ちょっと気持ち悪い。皮を剥いてから調理する。
別名カワムキカジカともいう。なお,釣ったら絶対口には指を入れないようにしましょう。
かなり強い力でかじられます。(血が出た経験あり) 食べ方はダシがよくでるので定番のカジカ汁しかないでしょう。 | ||
トゲカジカはあまりのうまさに、残り少なくなるとみんなで鍋を箸でつついて、
最後には鍋を壊してしまうらしいので、ナベコワシとも言われる。 その他ギスカジカ(ツマグロカジカ)なんかがよく釣れる。 |
●キュウリウオ科 |
チカ Japanese surfsmelt, sea smelt わかさぎとどこがちがうの? |
ファミリーや女性(おばちゃん?)に人気の釣り。サビキ釣りが主流。ワカサギとほとんど区別つかないが、 腹鰭の起点が背鰭の起点よりも後ろにあるのがチカで、 逆又は同じ位置にあるのがワカサギ。 ワカサギは海水と淡水を行き来しているが、チカは一生海水で生活する。道南ではけっこう海でワカサギが釣れるが、釣り人は気にせず チカと呼んでいる。天ぷら、フライ、マリネなど。臭いが気になる人は牛乳に浸して。大型は刺身もできる。 |
キュウリウオ rainbow smelt キュウリの香り |
ワカサギを大きくした感じの魚で、野菜のキュウリの匂いがする。 5月初旬頃、噴火湾に注ぐ川に大量に遡上する。遡上は夜に始まり、それを河口付近で待ち受けて、タモですくう。 中にはテントを張って、泊まり込みの人も。専門には釣らないが、ごくたまに外道で釣れる。 臭みがあるが、低脂肪高タンパクな健康食品。塩こしょうをきかしたフリッターや一夜干しにするとよい。 |
●ハゼ科 |
マハゼ floating goby てんぷらはうまいのに |
道南の漁港ではよく釣れるが、専門に狙う人も少なく、魚屋にも売ってないのでなじみが薄い。 しかし、テンプラはおいしいのだ。 |
●チゴタラ科 |
ドンコ(エゾイソアイナメ) brown hakeling 釣ってがっかり |
東北の方では鍋物にするらしいが、道南では一部の地域を除き、釣り人には見向きもされない。 なぜか気持ち悪い。堤防には無惨に捨てられている。 ただし、スーパーでよく見かけるので、売れていることも事実である。 |
●サバ科 |
マサバ pacific mackerel, chub mackerel 走る走る | |
船釣りでのジギングはかなり楽しい。
針にかかったら全速力で走るのでルアーフィッシングの楽しさをこの上なく味わえる。 30cmを超える新鮮な物を刺身にすると、口の中で脂がとろけるような味。また、軽く酢でしめた 刺身に近いシメサバも絶品である。釣り人の特権であーる。 | |
●コイ科 |
アカハラ(ウグイ) Japanese dace 釣ってがっかり2 |
おもに海で釣れるウグイをアカハラと呼ぶようである。どんなエサにも食いつく貪欲な魚で、 スピナーやワームでも釣れたりする。大型はの引きはまぁまぁ楽しめるが、持久力はない。 北海道にはウグイ、エゾウグイ、マルタの3種が生息しているが、見分けが難しい。 北海道ではウグイを食する習慣はあまりないが、子供の頃は、アカハラをよく刺身にして食べていました。 なお「あらい」や「ぬた」がおいしいらしい。 |
●その他 |
ヤリイカ spear squid なんといっても刺身! |
下手なのか、仕掛けが悪いのか、隣で釣れても自分には釣れない。釣行回数は多いが
過去数匹ぐらいしか釣っておらず、スーパーで買ってくるはめになる。 チカを餌としたブランコ仕掛けが主流だが、 現在はイカ用のルアーで挑戦し続けている。 群に当たると100匹以上もあるらしく、爆釣の夢を抱きながら通い続ける。マイカよりおいしい。 |
スルメイカ Japanese flying squid 北海道を代表する魚 |
吸盤が指に吸い付く活きのいいのしか、刺身で食べません。
身が透き通ってコリコリした歯ごたえが最高である。
ちなみに、耳(エンぺラ)が一番歯ごたえがあり、私は好んで食べている。
イカソーメンは開いたイカを更に2枚にして細く切る。 釣りは小型イカにはオッパイ針、大型イカにはプラ角を7〜10本1m間隔つなぎ、 浅いところでは手釣り、深くなると電動リールを使う。 大漁に釣れるときは初めに釣ったイカは活きが悪くなってしまうのが難点。また処理も大変。 沖漬け、塩辛を作ろう。 |
ミズダコ North Pacific giant octopus たこたこあがれ |
船釣りでうれしい外道として大物が釣れることがあるが、ものすごい吸盤の力があるので、
船にひっつかないよう注意しなければならない。船で釣った人は同乗者に足を1本ずつお裾分けする
というのが暗黙のルールである。 船で小型を1回釣っただけで、他に漁港でブラーにかかった大物タコをバラしたこともある。 タコの刺身を作ろう。 |
ホタテ giant ezo scallop, japanese scallop えっ釣れるの? |
釣り情報で「ホタテ絶好調」ってのを見たことがある。
なんでも、大型の天秤を遠投し海底を引きずってくると口を開けた
ホタテの中身に触れ、あわてて口を閉じ天秤を挟むという仕組みで釣れるそうな。
(後日の新聞には違法行為という記事があった) 噴火湾では養殖が盛んで、台風が近づいて海が荒れると、しばしばホタテが浜に打ち上げられるので、 それを拾ってくる。(怒られるところもある) 時期により貝毒があるので、ウロは食べない方がいい。 (麻痺性貝毒は青酸の千倍!) |