in Alaska 2014
■アラスカ遠征記 / 移動 & 1日目 | ||||
アラスカ時間、25日~29日までの5日間また旅をしてきました。 行く場所は前回同様アメリカ、アラスカ州イリアムナ。 予定としては2泊3日のビバークにより100kmをボートで下ろうというもの。川下りは以前よりお誘い頂いており、その魚の多さとベアーウォッチングに胸をときめかせて旅へと向かったのであった。 川下りをするにあたり、上流へと行くことで運が良ければ釣行最盛期を終えた真っ赤なキングサーモンを狙える可能性があった。キングサーモンに備え、磯のルアーロッド9.6ftにソルティガ3500、予備リールにペンリール5500を準備した(ネット情報によるとこれでも弱そう…)。それに普段使わないスプーン14~30gや馬鹿でかいフック、ナイロンライン35lbを買い揃えた。 その他通常タックルはサクラマス以上シルバーサーモン未満に備えた。 秋田→羽田→シアトル→アンカレッジ→イリアムナへと合計15時間の移動を経てイリアムナのロッジ(某著名人別荘)へと到着。到着後間もなく荷物をバラして夕方2時間の釣りへと出掛ける。夕方とは言え、白夜のため夜10時までは明るい。 日中気温は夏が終えたばかりで15度~17度、夜は一桁まで下がる。水温13~14度、各種鮭鱒にとってベストな環境が揃っていた。 前回3年前に行った時よりも雪代や降雨の関係で水量が30cmほど高いだろうか?ここではレインボーが主な対象魚、それに遡上が粗方終わったレッドサーモンが運良く口を使ってくれるかどうかという状況。 とはいえ、フライでの過去実績でレインボーの成績があまりよくなかったらしく、ルアーの私がレインボーを射止めるよう指令を受けていた。 さて、釣行開始し私が最初に仕留めたのは予想外の嬉しいことにシルバーサーモン。キングサーモンの次に釣ってみたかった対象。今回シルバーの遡上に当たってくれたのだ。シルバーはチェリーサーモンに似ていると言われておりローリングを交えたファイター。ルアーにヒットしてくるのはやはり縄張り、メス争いのためかオスばかり。サクラマスもこれだけオスが釣れてくれたらさぞかしかっこいいことだろう。 アタリはあるものの、レインボーよりも食性がないためとサクラマスのように口が柔らかいため、バラしが多かった。 そして初日のこの日の最大が当釣行におけるシルバーの最大だとも知るはずもなく、ランディング後三人に囲まれる合間を縫って逃げて行ったのでした。同行者が撮ってくれたランディング証拠程度の写真しか残っておらず結果的にかなりの後悔。 アタリ自体、3年前のレインボーより格段に少なくかなりの試行錯誤を要した1日目だった。 あとは初夜の宴があるのみ! |
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■アラスカ遠征記 / 2日目 ~90S大活躍~ | ||||
2日目、通称滝下へ。 この日がフル釣行初日。前日残しておいた優良ポイントを丹念に探ります。 優秀なルアーは宣伝抜きで90Sシリーズ。そもそも今回のようなシャローゲームに特化したルアーですから、狙い通りと言えば狙い通りで当たり前なのですが。 動かしたい時にヒラを打たし、流したいときは流す。リップによる勝手な動きはほぼ皆無。自らのアクションですからアワセにもバッチリ持ち込めます。 そんなんで、快晴の下、素晴らしいシルバーサーモンのサービスタイム。ガッツリとルアーを食い込むオスのサーモンに惚れ惚れです。日本では時期限定解禁、そのときの人の多さ、厳格な縛り等々でなかなか味わえませんよね、サーモンのゲームフィッシングは。 しかしながら、目視出来るレッドサーモンがなんとしても釣れない。釣らないと人には語れない。いるなら必ず釣ってやると意気込むもこの日もヒットなし。一体鮭鱒の食性、威嚇行動はどうなっているんだ。威嚇行動なら一生本能的に残っていそうなものなのだが…。 こうして午後となり、早めに切り上げ明日以降使う予定のボートの試運転に向かうことにした。 夜は例によりバドワイザー、ワイン、バーボン、スコッチで明け方近くまで晩餐。 なんて幸せな時間。 |
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■アラスカ遠征記 / 3日目 ~入水の怖さ~ | ||||
3日目、夢が閉ざされた日。 それは夢のキングサーモンを狙いに行こうと計画していた川が近年倒木が激しくとても釣りが出来る状態ではないという結果となってしまったためだ。この落胆は正直半端ではなかった。凄まじく膨らませた夢のキングサーモン。今回のタックルで足りるのかなぁ、スプーンの流し方の復習、釣れたらどうやって持とうかな等々、半端ない想像を膨らませていたものだから…。 それはそれでどうしようもないのであとは現状を完璧に仕上げて帰国に向かうまで! この日のスタート地点は通称船着場。砂利の船着場なだけあって手前はスロープでかなり浅い。全員浅瀬にいることを知っていながらも「さすがに」という位浅いものだからみんなで入水。 そしたら入水立ち位置の目の前5mにいるはいるはのシルバーサーモンの群れ。立ち込み中、かつ目の前の魚、反応しないだろうと思いながらもチョイ投げしてみるとシャローのフローティングには反応しなかった奴らがシンキングのNa.C90Sシリーズに替えた途端一気にスイッチオン! ここでピンと来たレンジコントロールは後々磨きがかかり、徐々に釣果へと繋がっていったのだった。 エギングにおいて見えイカを見て動きを見てから沖の本隊へ届ける攻略法に似ている気がした。 しかしながら、やはり立ち込みは禁物。その後フライの同行者も一本掛け、群れは姿を消した。ルアーへは時々アタリがあったものの乗せることは出来なかった。(掛けるプレッシャーよりも人的プレッシャーの方が大きいことが私の最終日に立証される。) 船着場が終わり、そこからボートで遡上。中洲へと渡る。ここではグレーリングのみが連発し、釣りを早々に終え朝握ったシルバーサーモンの鮭オニギリをみんなで頬張り昼食タイム。ウイスキーで優雅な時間を満喫。 夕方からはまた滝下へ移動。 これまで口を一切使ってくれなかったレッドサーモンがやっと口を使ってくれた。レッドサーモンは比較的大きいものにアタックすると言われている通り、サイズを上げた冬サクラ用のシンキングミノーをガッツリ食い込んだ。これも朝にレンジコントロールを掴んできたからこそのヒットだったのかもしれない。遡上ピークを終え、これでもかというくらいに紅く染まった魚体、なかなか口は使ってくれなかったものだからこれもまた自身のステップアップに繋がった。 その後、シルバーのキャッチ、バラしを重ね、日に日に釣れなくなるコンディションに追従するかのように技術を磨く。 とにかく上手くなるために必死に必死に自然について行く! |
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■アラスカ遠征記 / 4日目 ~レインボーが最速~ | ||||
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4日目、寝坊から始まるダメな朝。 起きる先程まで飲んで、それに疲れが乗り、起床は10時頃となった。 スタートは湖に注ぎ込む河口。エンジン不調な救難隊仕様のボート、ゾディアックで30分かけ到着。ここではフライの方が一本バラすに留まる。 帰り際、アザラシが2頭優雅に目の前を泳ぎ、敗因をこいつらのせいにするほかなかった。攻略出来ず! 帰りに写真整理していると意味不明な写真だなと消してしまったのがこのアザラシの写真だった…。後悔。 河口を見切り午後から滝下に行く。フライの方がレイクトラウト、ドリーバーデンを数本キャッチ。スレたせいかアタリも少なくライズやもじりも少ない。時折シルバーからのコンタクトがあるものの、ことごとくバラす。 この日のスレ状況からシャローやヒラキをやめ、ガンガン瀬を絡めたフレッシュな魚を狙うことに。 すると「イリアムナと言えばこれでしょ!」という乱暴に走りまくるレインボートラウトが登場。直後ジャンプ一発でバラしたと思い「あぁ…」と天を仰いだ瞬間にまた引き始めたのです。ジャンプから着水後、そのままこちらに走ってきて糸がたるんでいた様です。要はあまりのスピードにイグジスト3012がついていけてなかった模様です…。やはりスピードではトラウト界最速なのは間違いなさそうです。シルバー、レッド、チェリー、チャムとサーモン各種を釣って来ましたがレインボーを超すスピードの魚はおりません。あとはキングとピンクを残していますが、この2種がこれら以上だとは思えませんのでレインボー(スティールヘッド)が最速でしょう。 ここに来たらまずレインボー!と掲げていたのでこの目標もクリアしたので安堵でした。 シルバー、レッド、レインボー、ドリーバーデン、グレーリングをやっつけたので、これで五目達成。 一番厳しかった日だったが、今夜も酒が美味い! |
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■アラスカ遠征記 / 最終日 ~攻略~ | ||||
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5日目、午前は船着場のシャローエリアを攻略に。 フライの人たちと釣りしてるとルアーってなんだか申し訳なく感じてしまう。 何と言っても川に入らなくても釣りになる、むしろ入らないに越したことがないんだから最強以外なにものでもない。沈めたい深度も自由自在。人間が圧勝だ。何故海外でルアーは普及しないんだろう、日本ばかりがルアー釣りが進化していく。 ともあれ、フライでは出逢えない魚はたくさんいる。それらに出逢いもせずにルアーに背を向けるのは逃亡になってしまう。私の中での未攻略はやはりヤマメ。ヤマメを満足に操作出来る様になってみたいものだ。 上でも触れた様に前回の反省を活かし入水せずにルアーを送り届ける。 流れの緩いこのポイントではNa.C90Sで底まで届く。底波から脱線しないよう小刻みかつ速いピッチのアクションで誘いをかける。するとU字ターンの始まりでヒットが頻発。流れを受けたルアーが僅かに浮きながら慣性スライドする瞬間なのだろう。 朝の一時間半で4連発、ヒット多数。 心掛けたことは「距離を損して棚を取れ」ということ。「損して得を取れ」の真似ですが。 着水してからのラインメンディングとフォール、これでそのキャストが全て変わります。ラインが決まってしまうと頑張ってルアーを上げようとも下げようとも上手くいきません。要は魚が食いません。ラインで棚取りをしないと魚のフィーディングポイントに到達しないでしょう。 やっぱり釣れると勉強なるなぁ! 前回のように入水しなかったためか連発に繋げられたものと考える。 午後の部。滝下にある中洲、通称熊島へボートで渡る。 辺りは口を使わなくなったレッドサーモンで賑わっていた。 飽き始めた頃、ようやくヒット。流れから剥がれずファイトタイム20分!口の傍にかかりそれはそれは大変でした。ロッドがダメになってしまいます。 ロッジに戻ってから残り一時間釣りをしたく二人で船着場へ再エントリー。降りてタックルを握った瞬間「シューッ」と聞こえる。なんとこの日2度目(二本目)のパンクです。電波のない地区ですので20時半になっても来なければ迎えを頼んでいたのですが、釣りもせずにタイヤの限界まで砂利道を走らせ帰路を突き進みます。舗装路に出てしばらくしてからさすがに無理だと路肩にストップ。そうこうしてるとエスキモーの女性が車で通り掛かり「メイアイヘルプユー?」「タイヤイズバースト」「Oh!」とトランクからコンプレッサーを取り出し応急処置をしてくれたのです。なんて優しいんだ!他国の人間にまで。これもまたいい経験。 その夜、私の最後の晩餐ということで宴は3時まで。すると星が綺麗だと外に出た仲間が叫んだ。「オーロラ!」。飛び出してみると山の向こうで白いモヤがウネウネしている。一時間もすると緑色が目視出来るまでに濃くなり二重になったり縦に伸びたりと最終日に素晴らしいお土産を持たせてくれたのでした。オーロラは年中出ているらしいのだが、白夜かつガスや雲の掛かりやすいこの時期はツアーなどは組まれにくいはず。ただの釣り人に出てくれるなんてラッキーすぎる。そもそも3時過ぎまで飲んでる旅人もなかなかいないわけで、もしかしたら来てても見れない人が大半かもしれない。 こうして翌朝、仲間4名とお別れをし、一人で先に帰国に向かったのでした。 今回の釣行では本当の目的を達成出来なかったのですが、前回とは違ったターゲットがメインとなり、前回よりもヒットポイント、回数が少なかったことで色々な勉強ができた。 さて、次回はあるのだろうか?しかしながら、ここまでステップアップしてきてキングサーモンを残して死んではいられない。必ずまたいつかキングサーモンを釣りに出掛けてみたい。 |
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■アラスカ遠征記 / 編集後記 | ||||
長文を端折りたい方のために旅の総括を過剰書きで。 ● 釣行日程、8月25日〜8月29日 ● アラスカ州イリアムナ、ニューヘレン(ニューヘイレン)川 ● 当初の狙いは川下り&キングサーモン ● 川下りが出来ず、近隣河川での釣行となり、ターゲットはシルバーサーモン、レッドサーモン、レインボートラウト、ドリーバーデン、レイクトラウト、グレーリング ● タックル ロッド : ウエダスティンガーラックス82、 リール : イグジスト3012&ステラ4000SW ライン : 12lbナイロン&PE ルアー : Na.Craft 90Sシリーズ、ドリフトトゥイッチャー、チェリーブラッド、シュマリ フック : シングル #4 前後各種テールのみ装着 ● 気温、昼15度前後、夜5度前後 ● 水温、13度前後 ● 日の出、7時半、日の入22時 ● 服装、インナー+スウェット+レインウェア。雨が数時間おきにくるため常に着用を推奨。 ● 今年は熊少なく、見ることはなかった。鮭の少なさが要因か? ● アザラシ2頭 ● 2014年はシルバーとレッドが当たり年。キングは全域大不漁。 ● イクラは醤油、塩、メイプルシロップ粉で極上に仕上がる。 ● パンク2回、エスキモーに助けてもらう。地元原住民はみんなコンプレッサーを所持してる模様。 ● 夏季オーロラは澄んだ乾いた冷えた夜4時前後に出現。 ● サーモンもシャローで身体を休めているに変わりはない。 ● この旅の教訓「距離を損して棚をとれ。」要は短いスパンをしっかり丁寧に。 以上、思いつくがままに今回の旅のデータをランダムに記してみました。 いつか海外での釣りをと考えてる方々のなんらかのヒントになればと思い記したまでです。 さて、あとは数回残した渓流釣りに専念します。 |
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yuki | ||||
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