今や伝説となったレラティヴズ開幕戦。
エースとして期待された背番号18のT.Aと、捕手経験ありというK.Arの親子バッテリー。
誰もが(自称)エースの好投を信じていた。
1回表、まずは相手チームの攻撃。
誰もが待ち望んでいたレラティヴズがついに開幕を迎える。
どのような試合展開が繰り広げられるのか、夢と希望を胸に秘めグラウンドへ散っていくレラティヴズナイン。
……しかし、この後、誰もが予期しなかった(予期していた者もいたかも知れないが)悪夢がおとずれる。
先頭打者を四球で歩かせ、2人目から三振を奪ったものの、それ以降アウトが取れない。
打者一巡、打者二巡…。
長い…。いつになったら終わるのか…。
もうこのまま終わることがないように思えてきた。
初めての試合。一度くらいバッターボックスに立ちたい、そう思いながら時間だけが過ぎていく。
このまま1回表、時間切れコールドとなってしまうのか。
もう限界だろうと投手交代に行っても「まだ行ける!」とK.Ar。
さすが親子バッテリー、絆は深い。
20人目の打者に四球を与えたところで、ようやく諦めたのか、バッテリーの交代を告げる。
打者20人に対して奪ったアウトは1つ。
68球の粘投実らず19失点、被本塁打2、防御率189.00。
いずれも破られていない、初戦にして達成された大記録である。
一時期はどうなることかと思ったが、今となってはレラティヴズにとって最高の思い出となる試合であった。
<写真>暗闇の中、1回19失点でうなだれるT.Aと、それを不安そうに見つめるH.N。
レラティヴズ開幕戦はナイトゲームであった。
当時、開幕戦を行うための球場をなかなか確保することが出来なかったため、
利用者の少ないナイター施設を利用することになった。
今でも滅多に利用することのないナイター。
普段の7倍の利用料。
そんな中でのあの試合展開…。
レラティヴズ史上最高の贅沢である。