「運動物体にはたらく空気抵抗の研究2005-2006」概要

 運動する物体にはたらく空気抵抗は,速度や物体の形状とどのような関係にあるのかに興味を持って研究を始めた。

【実験1】自由落下する物体の,落下距離と落下時間から空気抵抗を測ろうとした。しかし,この方法では,有意な結果は得られなかった。

【実験2】大型のアトウッドの装置を自作し,上昇する側の物体にパラシュートをつけたときとつけないときで運動にどのような差が生じるのかを,下降する側の物体にとりつけた記録タイマーで測定した。その結果,空気抵抗が速度の2乗に比例するとするモデルが,最もよく運動を近似できることがわかった。

【実験3】アーム(長さ1mのアルミ製パイプ)の中央にモーターを固定し,アーム全体が回転する装置を自作し,このアームの両端に抵抗体をつけたときとつけないときのモーターによる消費電力の差から空気抵抗を測定する装置を自作し実験した。結果は,実験2の結果と同じく,空気抵抗が速度の2乗に比例していることがわかった。しかし,この方法では,個々の測定値が,モーターの特性等により,理論的に説明することが難しいことがわかった。

【実験4】実験3で回転アームにはたらくトルクを,ねじりばかり法で直接測る方法に装置を改良した。このことにより,常に安定したデータが得られるようになった。さらに,回転アーム自身にはたらく空気抵抗を考察することで,抵抗係数(=Cd値)が,物体の大きさによらない定数になることが検証できた。







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