CBXに魅せられて10年以上も乗り続けているCBXサンダーバードです
このページは私のCBXの出会いから10年経った現在にいたるまでを紹介しています。
CBXに魅せられて至福の10年(苦節10年?)。
良い事も悪い事も色々とありましたがとても魅力があるバイクで今後も乗り続けるつもりです。
このページはそのような私が作っているので思い入れの塊かもしれません。

CBXとの初遭遇はとても印象的だった。
当時、CB750Four−K1で高速道路を走っていた私の横を「キィーン」とジェット機のような排気音で高速で追い抜いていく赤いバイクそれが「CBX1000」だった。
今でもその時の赤いCBXの残像が目に焼きついている。
その後、色々なバイクに乗ってはみたが満足が出来ずにCBXを入手することになる。
名車と呼ばれるCBX1000は、本田のフラッグシップとして1978年に登場。空冷並列6気等24バルブ、1047cc、105ps、世界最速230Km/hを誇り、81年に登場するV型へと発展しその後絶版車となる。
一台目(6気筒のエンジンが魅力的)
発売時から(CBXが私を抜き去ってから?)ずっと欲しかったCBXをやっと手に入れたのは、新車販売がとうに終わっていた1988年だった。
近所のバイク屋から(程度最高との触れ込みで)79年式中古車を購入した。(色が赤だったのも決定理由の一つだった。)
アクセル一捻りで200Km/h超の世界へワープする高性能と憧れのバイクを所有する喜びで毎週のように乗りまわった。
残念ながらジェット機のような排気音はライダーにはあまり聞こえないのが残念だった。
魅力いっぱいのCBXだが欠点もあり、高速でのフレームの捩れ、甘いブレーキ、渋滞時のオーバーヒート、また購入一年目にはクラッチから異音を発していた。
その頃、ツーリング先でCBXV型をみて私は愕然とした。
CBXはT型が良いと思っていたがV型はT型の弱点をことごとく改善していた。
フレーム、足回り、ブレーキ、エンジンまでも改善されておりまるで別車のようだった。
二台目(一台目と二台目です)
それからまもなく、両国のバイク屋で見つけた、81年式V型を購入するがこのバイクがCBX地獄の始まりとなった。
買って6ヶ月目には調子を崩した。
1.4.6番に火が入らす始動困難になる。
キャブからのオーバーフローで地面にガソリンの池ができる。(とっても危険)。
ブレーキは噛むし、メーターの5万Kmが信じられないくらい痛んでいるように思え憂鬱になった。
三台目(外見はすばらしかったのですが・・・)
憂鬱になっている時に見たバイク雑誌に「CBXV型、走行僅か、書類無し」を見つけて部品取りバイクとして購入する。
この三台目が更なる地獄へと私を連れて行った。
三台目の程度確認のため各部をばらしだしたら、タンクの燃料は腐っており、キャブは固着してまったく動かずで更なる憂鬱が私を襲った。
1ヵ月間エンジンと格闘後(会社からの帰宅後・1ヶ月間の休日すべてを使っての修理となった)、やっと回ったエンジンの回転は上がらず牛のように動き重い車体を引きずっただけだった。
再度の修理にかかった。1ヶ月間の修理の成果は50Km/hの最高速度だった。
私は肩を落としエンジン不調のバイク達を交互に見ながらため息をつくしかなかった。

幻の四台目
どちらのエンジンをオーバーホールすべきか、それが問題だ?と迷っていた時(決してCBXを止めようとは思わなかった)晴海にあるバイク屋でCBXの新車があるとの情報を得て飛んでいった。
ピカピカに輝く新車のV型をみて私は息を呑んだ。
10年前に製造終了した幻の新車が目前にあった。
フル装備の豪華な車体は強烈な存在感があり、居並ぶリッターバイクの中にあって一際目立っていた。
まるで叶姉妹のような迫力だ??
店の社長の話だと米国で売れ残ったものが梱包されたまま倉庫に眠っていたとのこと。
最後の1台は、残念ながら昨日売れてしまったと言う。
「エエーッ!」私は思わず声を発した。
不調の2台に苦しめられていたので、なんとしても新車を手に入れたかったのだ。
社長の話では「最後の新車を買った人は、このCBX開発に携わったHONDAの人だよ」
開発者が購入するとは、よほど思い入れの強いバイクなのか、と感心したが・・・・。
やはり、悔しくて、残念で、無念で、店を後にした。
本当の四台目
新車購入に失敗して数ヵ月後、バイク雑誌の売買欄に「新車同様、フル装備のCBX」の掲載があり見に行った。
そのCBXは大切に室内保管され、カバーを外すとガンメタ塗装も美しく新車の匂いが残っていた。
飛行機のような完璧な整備が為され、10年で僅か2万Km走行であった。
即決してこの車の2台目のオーナーになった。
この4台目には大いに満足して現在の愛車となっている。
1台目、2台目、3台目は、オートバイ店へ売却した。
完璧なCBXはすばらしい。
6気筒フィーリングはライダーを魅了する。
低回転での重厚な乗り心地!
並列6気筒の滑らかな回転は紳士的で気品すら漂う。
40Km/hから5速トップギャが使えるフレキシブルなエンジン。
トルク変動が穏やかでスムースなコーナリングを楽しめる。
高回転では秘めたる情熱が炸裂する!
アクセルを開けていくと、「キィーン」とジェット機のような爆音とRC166(6気筒レーサー、世界GPタイトル車)の官能的な音がミックスしてクラシック音楽のようにさえ聞こえる。
6気筒の上質で奥の深いパワーを実感するとき、ライダーは至福に包まれる
雑誌に載りました。
情報交換などで得られるところが多いのでCBXオーナーズクラブに入会した。
クラブメンバーの絶好調な車(ベンチテストで105psを発生し最高速は240Km/h)を試乗させてもらい、4台目もパワーに遜色がない事が確認できた。
メンテナンスとカスタムについてはCBXを得意とする、東京・田無にある「モトガレージ・リモーション」に依頼して完調を保っている。
また、4台目はこの店を介して「ROAD・RIDEA」の2001年12月号に掲載された。
今後も更なる進化を目指してCBXのカスタム化が続いて行く事だろう。
あとがき
CBXには10年以上も乗り続けているが飽きるという事がない。
アメリカ・ヨーロッパにもCBXのクラブが活動しており世界中に根強いファンがいる。また、欠品部品が外国のクラブの情報網を通じて手に入る事もある。
CBXは不思議なバイクだ!
ツーリング途中で2気筒くらい不調になっても、何とか家まで持ちこたえてくれたり、ツーリングからの帰宅直後にクラッチワイヤーが切断したり、なぜか不思議に持ち主を危険から守ってくれる気がする。