DANCE MUSICAL
CLARIMONDE

tokyo サンシャイン劇場
 2006.5.12fri〜21sun
sendai 電力ホール
 2006.5.23tue
niigata りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館
 2006.5,25thu
nagoya 名鉄ホール
 2006.5,29mon
osaka 梅田芸術劇場シアタードラマシティー
 2006.5,31wed
nishinomiya 兵庫県立芸術文化センター
 2006.6,2fri

CAST

クラリモンド
 安寿ミラ
ロミュオー
 貴水博之
悪魔1
 館形比呂一
悪魔2
 森山開次
悪魔3
 熊谷和徳
僧侶
 谷田 歩
堕天使1
 高塚恵理子 
堕天使2
 横山道子
堕天使3
 横山 愛
老司教
 栗田芳宏
ピアノ演奏
 宮川彬良

STAFF

原作
 テオフィル・ゴーチェ
企画・台本
 笹部博司
作詞
 岡本おさみ
構成・演出
 栗田芳宏
演出・振付
 大島早紀子(H・アール・カオス)
音楽
 宮川彬良


クラリモンド、CLARIMONDE

この上演企画を初めて知った時からどんなに楽しみにしていたことか
2005年末のクリスマスディナーショーで
「みなさん、頭がクラリモンドに飛んでません?」と
ヤンさんに笑われたくらいに*^^*

ポスターやチラシ写真がアップされるたびに大騒ぎ
だって素敵すぎますもん

そして2006年5月12日
サンシャイン劇場で幕があがったのです。

今回は早めの観劇、早々に上京し3回観てまいりました。
まだまだ上演は続いていますが
書かずにはいられません。


観劇記〜

劇場に入ったとたん舞台上の装置に息をのみました

額縁はなく大きな洞窟のような舞台に
鉄枠で組んだ2階建てのセット
鉄柱は8本、両端に大きな十字架
鉄柱に囲まれた7つの部屋には
真ん中の部屋をのぞいて
蛭模様のマントがかけられた椅子が置いてある

鉄柱は錆だらけで奥には朽ちた石垣がのぞいている

こんな不気味なセットが客席を見下ろしているので
開演ベルが鳴るとシーーーンと静まりかえってしまう
最初のうちはこのシーーーーーーーーンがやけに長くて
居心地悪かったけど短くなったようで一安心

静まり返った劇場に
教会の鐘が鳴り響き、読経にも似たノイズとともに
心臓の鼓動が聞こえる

2階で向かい合う僧侶、老司教の語りが始まり
やがて心臓の鼓動は止る

クラリモンドの死

大地の裂け目から地底へ2条の光が差し込むと
悪魔が2体
館さんと森山さんの世にも美しい肉体が音もなく立っている
そのたたずまいは菩薩像を彷彿させる
転がっているのは堕天使たち
死体に残された血を吸う蛭のように思える

熊谷さんがタップ踏みならしその静寂を打ち破る
一目見て戦う悪神「阿修羅」だと思った

クラリモンドの死に棲み付く悪魔の甦生

このダンスシーンで否応無く
地獄、悪魔の世界へ引きずり込まれる


僧侶はこの物語の主人公ロミュオーの今の姿
彼の回想で物語は進む

僧侶、谷田歩さんの語りが最高に心地良い
ハスキーで耳になじむ声
文語調で読みづらかった原作を彼に朗読してもらいたいと思った。

僧職の授与式
♪栄光に輝き、神につかえる者も
堕天使たちの美しいハーモニー
若き日のロミュオー(貴水さん)が舞台上手よりゆっくり登場
カッコいいコートの背には十字架が描かれ
胸元にはもちろんクロス

♪恐ろしい苦悩が
悪魔たちのダンスがロミュオーの心の迷いにつけこんでいく

クラリモンド登場

きゃあああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜き、き、き、き、きれえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

赤い血したたる黒のドレス
栗色の巻毛、影をおとす長いまつげ

『彼女は輝いていました。
実際、輝いて見えるというだけでなく
光を放っていました』

ロミュオーを見る目は獲物を見つけた獣のごとく
ためいきとともに喉をかきむしる
血が欲しいと本能が求めている

♪天使たちが嫉妬するほどに

けれどもロミュオーの目には光まばゆい美しい女
クラリモンドの視線はロミュオーの心を捉え
白い腕はロミュオーの心をかき乱す

ひえええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ファンとしてはこれだけでも十分
なのにまだまだ舞台は続く

♪ラブレター

コンティニ宮殿にて待っています。クラリモンド
という恋文をロミュオーに渡して・・・


さーあ、どうする?ロミュオ君
君はついいましがた神と誓約を交わした身
そんな彼を憐れんで「不幸な方ね、ほんとうに不幸な方」byクラリモンド

♪天使たちの賛美歌
も今や呪われた賛美歌

♪クリスチャンでなければ
この歌、妙に心に残る。なんで?ま、いいけど
ロミュオーの心からクラリモンドの幻影は消えることはない
僧職にいそしめばいそしむほどに
幻影は大きくなる

♪ふたりの絆が

この歌でしたっけ?
クラリモーンド〜ってタップと一緒に歌うのは
貴水さんと熊谷さん
このお二人のライブ感覚が、洗練された舞台に凸凹感と
爆発しそうな何か内蔵された不穏な空気を感じさせてくれてたなって思う

♪欲望へのいざない

このあたりどんな展開だったかきちんとは覚えていないが
ロミュオの歌にコンティニ宮殿の様子がオーバーラップする

鉄柱に囲まれた真ん中の部屋がコンティニ宮殿
扇をくゆらせ、開次さんのひざにすわり
館さんは後方からクラリモンドを愛おしむ
堕天使たちは膝元。
それぞれがワイングラスを持ち
さざめきあい、頬をよせ、キスをかわし
時には開次さんのグラスからワインを口にふくんだりする

う、う、うわああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜刺激的〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

それから館さんと開次さんの
前代未聞のダンスだったでしょうか?

あんなダンス見たことない!!!

内臓がひっくり返りそうになったのはこのダンスです!!

どの動きも流れも目をみはるものばかり
息をつめ、手に汗にぎって見入ってしまう

男性の美しく鍛え上げられた肉体が
響き合い拒絶しあい
劇場を異様な空気につつんでいく

ロミュオーの葛藤
体内でうごめく情欲と禁欲
なんというダンスだったことか


ロミュオーの元へ使者
ノックの音は熊谷さんのタップ
このノックこそ、ロミュオーが無意識に待ち望んでいたもの

使者は告げる
ひとりの女性が死に瀕している
どうぞ彼女の死にやすらぎを

ロミュオーはひとこと
「行きましょう」

♪黒い馬で、闇へ

このナンバーがまた凄かった!!!
最初は椅子を使って馬車を模していたが
後半はなんと飛び蹴りである
館さんと開次さんの馬が
ロミュオー貴水さんに飛び蹴りをいれ
そのたびに貴水さんは倒されるのである
それでも歌う!
それでもクラリモンドの元にかけつけようとする!!

いやはやまったく、こんなシーンを目にしようとは・・・

しかし、遅かった

クラリモンドはすでに息を引き取っていた


白いドレスのクラリモンドが横たわっている
ロミュオーがその亡がらを腕に抱いてうたう

♪ロミュオーの祈り

このシーンが好き
ロミュオーの腕の中で力なく横たわるクラリモンド
白い手を胸に組み、栗色の髪が肩をおおう
絶望と無力を嘆くロミュオーの腕からするりするりと抜け
くずれおちるクラリモンド

ほんとうに死んでるみたいにくずれおちる・・音もなく
これってかなりの技じゃありません?

ふたりの脇では館さんと開次さんが
嘆いたり笑ったり(してましたよね)

死してなお妖艶なクラリモンド
ロミュオーはそのくちびるにくちづける

オーマイガッ!!

突如見開く彼女の双眸
何も見てないように大きく開く彼女の瞳

ゾゾゾ、怖・・・
好きやけど

ロミュオーの腕をすりぬけ、冷ややかに立つ姿はじょじょに熱をおびてくる

♪クラリモンドの蘇生

ロミュオーさま、お待ち申しておりました・・と
ここにたどりつくまでの苦難を話すクラリモンド
魂が肉体を求め、墓をこじあけここにたどりついたと。

この話を聞けば、クラリモンドはこの世の者ではないとわかるはず
なのにロミュオーには分からない
司祭の心配する通り取り憑かれた者となっていたのですね〜

愛は死よりも強い
この情念が肉体をまとっているのでしょう

「私の手を見て下さい」
優しい声音とは裏腹のかぎ爪のような指の表情

「くちづけして下さい、これ(傷)が治りますように」
これがアータ、手の甲でなく手のひら
クラリモンドの手のひらを両の手でつつみ、
顔をうずめるようにくちづけるロミュオーも素敵なら
それに深く吐息するクラリモンドは

ひええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

あきませんがな、
だんだん心臓ハクハクしてきた
クライマックスはまだこれからだっちゅうに

「ロミュオーさま、私はあなたをお見かけ申した前から愛していました」
神をえらんだロミュオーにしっとりと恨み言の網をかけ
あなたに生の喜びを捧げたいと甘い吐息で誘惑する

クラリモンドの呪文のような言の葉に
ロミュオーの心に棲む悪魔が大声で叫ぼうとしている

そしてついに
『神を愛するほどに貴女を愛する』

あーあ、言うてもーた

クラリモンドが心の中で「ゲッチュー」とガッツポーズしたかどうかは知らないが

クラリモンド豹変の図

「本当でございますか?」

懇願するようにロミュオーにすがっていたのに
「そんな陰気な商売はやめておしまいなさい」ときたもんだ

美女に翻弄されたい!ってのは男の願望?

クラリモンドに取り憑かれてるロミュオーはもはや言いなり

「わたしたちはいつ出発しましょうか?」

「いま」(この抜け殻のような「いま」の言い方が好きでした)

そして、愛のダンスシーンとなるのです!!!

これについては多くは書きますまい!

見ればわかる
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白いドレスのヤンさんがからむからむ
ロミュオーとからむ
館さんとからむ、開次さんとからむ

後は沈黙…って違うっつうの

後は献血


ある日、ロミュオーは彼女の寝台のそばで果物の皮をむいていた
ナイフで思わず指を切りつけてしまった
小さな紫色の血がほとばしると
彼女は猫か猿のように身をひるがえし、その血を吸った…

♪血の一滴

このナンバー!!
たまりません!!!!!
♪いってき〜いってき〜いってきでいいのよ〜〜
地を這い、ロミュオーを求めるクラリモンド
悲痛な思い
泣いてしまいそうなんだけど、ヤンさんがあまりに美しいので
生唾のんでしまいそうにもなる

涙か生唾か、それが問題だ

この時、真ん中で老司教(栗田さん)が血のワインを飲んでいるのがミソ

「飲むがいい」byロミュオー

ロミュオーののど笛に歯を立て血を吸うヤンさん(クラリモンドだ!)
ヴァンパイヤをヤンさんが演じると知った時から
こういう振りを夢見ていました
人はおかしいで、と言うけれど

「言うがいい」
見たいものは見たいんだ!

そして
後はくちづけ

綺麗でした〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
またしても美男美女
こうでなくっちゃ*^^*

抱き合いよりそい舞台中央に消えるふたり

このシーンでは館さんと開次さんが、ふたりの愛が究極を迎えるとともに
赤く燃える鉄柱の最上にのぼりつめ
喜びに身体がふるえていたのも忘れられません


話はいよいよ結末に

♪墓を守る司教の歌

ロミュオーを心配する老司祭がクラリモンドの墓をあばき
彼女の正体を知らしめようとする

椅子が半円に並び、悪魔たちがずらりと立つ
西洋の墓所に立つ彫像のようでもあり
墓所に眠る躯(むくろ)のようでもある

いよいよ正体が暴かれる
朽ち果てた肌、抜け落ちた髪
見る影もないクラリモンドのからだ

力をおとすロミュオーにクラリモンドが語りかける

真っ赤なドレス、光る髪留めで綺麗に髪を結い
綺麗やった〜〜〜〜〜〜

♪不幸な方ね

わたしは何か悪いことをいたしましたか?

さようなら、あなたはきっと私の事を後悔なさるでしょう

悪魔たち堕天使たちがクラリモンドを取り囲み

ロミュオーの前から永遠に姿を消す

闇に取り残されたのは

ロミュオー

ただひとりだった


カーテンコール

これが実におもしろかった
笑っちゃいかんが
ロミュオ君、ヤンさんの子分みたい
ヤンさんは悪魔の親分のはずだったのにな〜^^;

ヤンさんに手を引かれ、うながされ袖にひっこむ貴水さんは
ちょっとした伝説になるでありましょう

凄いステージでした!!
ヤンさんのファンをしてて幸せです〜〜〜〜〜

大阪編はもっとミーハーに

読んで下さってありがとうございましたm(__)m

なお、引用しました台詞は
原作を参考にしております。
記憶を頼りに書いておりますので、詳細抜け細部の間違いなど
どうぞご容赦下さいませ

おわり。


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