〜カッコーの巣の上を〜
作 |
ケン・キージー |
脚本 |
デール・ワッサーマン |
訳 |
小田島雄志 小田島若子 |
演出・台本 |
栗田芳宏 |
東京 |
10月31日(水)〜11月8日(木) |
サンシャイン劇場 |
神奈川 |
11月20日(火) |
グリーンホール相模大野 |
仙台 |
11月29日(木) |
仙台電力ホール |
新潟 |
12月5日(水) |
長岡市立劇場大ホール |
新潟 |
12月7日(金)8日(土) |
りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館) |
静岡 |
12月11日(火) |
静岡市民文化会館 |
神戸 |
12月13日(木)〜12月16日(日) |
新神戸オリエンタル劇場 |
キャスト
マクマーフィー |
今井雅之 |
ラチェッド |
安寿ミラ |
ハーディング |
吉田鋼太郎
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チーフ・ブロムデン |
関川慎二 |
ビリー |
植川潤 |
スパイヴィー |
大塚明夫
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スカンロン |
深貝大輔
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チェズウィック |
間宮啓行
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マーティニ |
鶴忠博 |
ラックリー |
水口勲 |
ウォーレン |
河内大和
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ウィリアムズ |
中山朋文
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キャンディ |
香月弥生 |
フリン |
山賀晴代
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サンドラ |
津川祝子
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タークル |
栗田芳宏
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では、私の観劇記!(東京編)
11月6日火曜日、のぞみに乗ってはるばる東京は池袋にあるサンシャイン劇場まで行ってきました。
遠いですねえ〜〜、池袋は。
東京から小1時間かかっちゃうんだもの。
地下鉄はわからないから乗れないし・・
それでもなんとかたどりつけました!サンシャイン!!
「カッコーの巣の上を」のラチェッドをヤンさんが演るかもしれないって
メジャーリーグの記事を読んだ時から
私の「カッコーの巣の上を」への旅は始まってたと思います。
まずは映画を見ました。
怖い〜〜〜、ラチェッドなんて殺されればいいんだ!と共感のキョの字も思いませんでした。
戯曲を読みました。
読めば読むほどに暗く悲惨な気持ちになりラチェッドがますます嫌いになりました。
原作を読みました。
これは時間がかかりました。
チーフの幻想部分が長く理解できる頭の持ち主でない私は苦労しました。
ラチェッドのイメージは太ったきれいなおばちゃんでした。
そしてやはり権力の象徴に思えました。
これを今回の「カッコーの巣の上を」は男と女の殺り合い(ヤリアイと読むそうですが、ピンときません)
ラチェッドを性の象徴としてとらえて上演するのだそうです。
ヤンさん(安寿ミラさん)もラチェッドの優しさを出したいとおっしゃってました。
私にはラチェッドから優しさを想像するのは至難の技でした。
いったいどんなラチェッド像になるのだろう?
見たことのない、見事な裏切り方をして驚嘆させて下さるのだろうか?
と期待していました。
そんな気持ちで臨んだ11月6日。
印象的な場面は断片的にあり、それぞれ笑ったり泣いたり吃驚したりしました。
笑ったのはもちろん「点滴!」です。
泣いたのはチーフとマックの場面、ビリーの結婚式、そしてラストシーンかな。
吃驚したのはたくさん、患者さんがパンツずらしたり、梯子から滑りおりたり、マックの裸とか…。
パーティーのあとは幻想的で美しい演出でした。
でも全体的な大きなひとつの芝居の中にのめりこめた感じがしなかったのです。
少しはがゆい、そんな印象でした。
ヤンさんのラチェッドはあともう少し!
あともう少しでヤンさんのめざしてらっしゃるラチェッドにたどりつく!って感じがしました。
ラチェッドが登場すると確かに舞台の空気が変わるのです。
ヒンヤリと淡いブルーが時にはピンクが
ラチェッドの笑顔から、
細い理想的なプロポーションをした人形のような身体から、舞台へひろがるのです。
それがもっと一瞬のうちに広がればいいなあと思いました。
今井さんのマックは予想通りの好演なのでしょう。
声が少しかすれた感じがしましたが。
舞台をまとめて下さってると感じたのはハーディングの吉田鋼太郎さんでした。
ハーディングの演技はもちろんだけど、
ここかしこに舞台上の役者さんやこのステージに対する愛情が感じられて
見ててとても気持ち良かったです。
スパイヴィー医師の大塚明夫さんもその場しのぎ風世渡り先生なんだけど
譲れない所は断固ラチェッドに「No!」と言える唯一人の普通人、この劇の救いの神のようでした。
以上が感想です。
ヤンさんのミーハーサイトであるにもかかわらず、ミーハーになれなくて残念でした。
「カッコーの巣の上を」はやっぱり『男』のお話なんじゃないのかなあ?
マクマーフィーのように奔放にたくましく生きてみたい!という
『男』のファンタジーのような気がする。
そんな男の世界の中の、ラチェッドは逆説的マドンナ
セクシーでカッコいい美人看護婦ラチェッドを無惨に壊してみたい?ウフ。
次回は神戸の公演を3回ほど見る予定ですが、
現代に生きる女性としてのラチェッド像にヤンさんがどこまでせまってらっしゃるか
とても楽しみです。
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