シラノ・ド・ベルジュラック
2007.8.29~9.9
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青山円形劇場
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2007.9.14
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兵庫県立芸術文化センター
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<CAST>
市川右近
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シラノ
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安寿ミラ
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ロクサアヌなど
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加納幸和
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ド・ギッシュ伯爵など
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坂部文昭
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ル・ブレ 僧侶など
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たかお鷹
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リニエール・カルボンなど
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桂憲一
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クリスチャンなど
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市川猿弥
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ラグノオ・モンフルウリイなど
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ヴァイオリン
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廣川抄子
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アコーディオン
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大田智子
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<STAFF>
作
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エドモン・ロスタン
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翻訳
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辰野隆・鈴木信太郎
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演出
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栗田芳宏
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音楽
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宮川彬良
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美術
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朝倉摂
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照明
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山口暁(あかり組)
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衣装
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友好まり子
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ヘアメイク
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武井優子
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舞台監督
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矢島健
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企画・台本
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笹部博司
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振付
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ANJU
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観劇記
東京青山円形劇場編
時計回りにAブロックからHブロックまで
座席は5列
だからどこに座っても役者さんはすぐそこ
なんだか緊張してしまう
黒ピカ滑り止め(?)マットを敷いただけの円形舞台というよりは
円形スペース
十字四方向に役者さんの通り道
中央に2段に積み上げた円形の台
壁にはぐるっと歌舞伎の定式幕
舞台を囲む他のお客さんの姿がよく見えます
シラノ・ド・ベルジュラック!
痛快無比!抱腹絶倒!感涙絶句!
歌舞伎・宝塚・ネオ歌舞伎・新劇ミックス!
江戸っ子!パリっ子!青年隊!
50人の登場人物7人で演じる
粋で生きのいい舞台
ではいってみよーー===!
第一幕
第一場 ブウルゴーニュ座芝居の場
まずは拍子木が鳴り
ロビンフッドみたいな帽子かぶった人が
『ブウルゴーニュ座芝居の場』という
看板もって客席に沿ってコツコツ歩きます
(以下第五場まで同様)
「時は1640年!」
第1声を発するのは猿弥さん、門番ですね
ブウルゴーニュ座で今しも始まろうとしている芝居
三々五々集まってくる人々
木戸銭払わぬ奴、子どもに町人、近衛兵たち他
賑やかな様子が右近さん以外の6人の役者さんたちで演じられる
別嬪の売り子はもちろんヤンさん!
「おせんにキャラメル〜、ナントカもあるよ」
頭巾かぶって駅弁売りみたいな箱首から下げて
客席にハイヨっとお菓子配って下さって
その菓子の名は餅太郎(笑)
一個10円、卸値8円(調べるなって)
ひとつ私も頂戴してしまいました*^^*
餅太郎、中味は食べてしまいましたが
袋は家宝として保存です
幸運な人には酢昆布!
シャイな人にはラムネ菓子
売り子のヤンさんばかり見て
他見てなくてセリフも聞こえてないもんだから
分かんない部分もあったけどまあエエヤンね
ミーハーなんですもの!
シラノがどんな人に愛されて
どんな人を敵に廻して
パン屋は見方で、ド・ギッシュ伯爵は敵なのね
強きをくじいて弱きを助ける
宵越しの金は持たない太っ腹
ってことわかればそれでエエヤンね
こうありたいと願う自分であり続ける
シラノはまるでヤンさんのような
おおいなるロマンティスト
それが分かるからエエヤンね
開演前のブウルゴーニュ劇場に
「イイ女だ!」と衆目を一身に浴びて登場なさるのが
ヤンさんロクサアヌでございます!!
ほへ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
美しか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
淡いオレンジのローブで
ゆったりと歩いて行かれる
目の前を、すぐ目の前を
ほんまにエエ女やし〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
見とれるわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
綺麗わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
こんなに間近でヤンさんを見れるなんて
こんなに幸せな事があっていいのでしょうか!!
観劇アフタートークで
向かいブロックで見てた友人から
ハートの目になってたわよ、と指摘されてしまいました^^;
ロクサアヌとクリスチャンは一目で恋におちる!
ウェストサイドストーリーのように!
(話しはそこへ飛ぶのか!)
クリスチャンのハートのまなざしを充分に認識しつつ
ロクサアヌは静かに退場
するとなんと!
今度は物売りミーハー娘に早変わりなさって
「あなた様が何も召し上がらないなんて、私、悲しくなりますわ!」と
チャキチャキ言葉でシラノをあがめたてまつる
さっきの貴族のお嬢様のたおやかさは何処へ?(笑)
100%庶民仕様の物売り娘
ヤンさーーーーーん、好きでーす
シラノの天敵ド・ギッシュ伯爵
シラノの友人ル・ブレも登場
しっちゃかめっちゃかの第一場
映画や戯曲でちゃんとお勉強してたから
後で「分からんかった」なんてブーたれへんもんね(笑)
シラノの元にロクサアヌの腰元(加納さん)が訪れて
パン屋ラグノオの店で7時に「密会」の約束
加納さんの女形、雰囲気ありますねえ
どう表現していいのかちょっと分からないけど
かなり気に入りました
第二場 詩人無銭飲食軒の場
場所はラグノオの店、パン屋
ラグノオ(猿弥さん)は詩人
パン屋は詩人たちのたまり場
パン目当ての詩人たちにおかみさんリイズ(加納さん)は文句タラタラ
詩集でパンの袋こさえちゃう
パン屋のお客の子どもを演じたたかお鷹さん
おもしろすぎ!(笑)
池乃めだかばりの爆笑子役!好きやわ〜
かと思えば次にはリイズの浮気相手、強〜い軍人
バフーーーーーーーーと鼻息荒く
リイズへ突進
右左同じ方の手足出して歩きはるし〜〜〜(笑)
それで入場から退場まで1直線に舞台横切ってくんだから
笑ったわ〜〜〜〜〜
ラグノオを囲んで、桂さんと坂部さんが
タルトの作り方を歌ってはる裏では
リイズと軍人がイチャイチャ
リイズ、前髪斜めに垂らして
なかなかお洒落で
胸からせまる迫り方が浮気女ぽくて
鷹軍人さんの頭をクリクリするとこなんて最高!
吹き出さずにはいられなかった!
こんなん大好きなんやもん
楽しいミュージカルシーンでございました
このあたりから円形劇場ってのに精神的にも慣れてきました
見えへんもんは見えへんねんから
見れるとこ見て楽しもやないかってね(笑)
奥さんに浮気されても
どうにもできないラグノオさん
シラノは友人ラグノオがそんな目に合うのが許せないんだ!って
言ってましたね
ラグノオさんのアンパンマンみたいなホッペが
焼きたてパンよりおいしそうだったわ
さて、そんな所へシラノがやってまいりました!
ロクサアヌに会うために
心込めたラブレターを懐にしのばせて(イジラシイ男だわ〜)
まだ6時だけどね
芝居がだんだんおもしろくなってくるのはここからです
いよいよ始まるラブストーリー
市川右近さんのシラノ・ド・ベルジュラック!
我らが安寿ミラさんのロクサアヌ!
歌舞伎口調、江戸っ子風の右近さんはシラノにぴったしだし
清々しい風のように口跡爽やかなヤンさんのロクサアヌは
そのわがままぶりさえも可愛く見せてしまう
「お兄様」(従兄弟ですけどね)とシラノを呼び
幼い頃の思い出を語り合い
シラノはロクサアヌを母のようだと言ったり
あなたは赤ちゃんのネンネちゃんでちゅねえ?
なんて言ったり
二人のやりとりは最高!
手の傷をハンカチで手当してくれるロクサアヌに
身もだえ戸惑うシラノはとても可愛くて
ロクサアヌへの深い思いが笑いのうちにも見て取れて
いい感じでした
ロクサアヌの恋心が他の男に
しかも美しい男に向けられていると分かっても
なおそれを受け入れて
その彼を守りましょう!と約束するシラノ
「この胸が痛むのです」
シラノの言葉が切なかったです
一方ロクサアヌは
自分の恋を打ち明けてしまえばもう満足
「まあ、100人!」
「今は伺えませんけれど」と
超間の良いわがままボケで
満場の笑いを取って去っていかれる
しかも美しさと気品を失わずに!
アッパレでございます!
残されたシラノが自分の鼻を恨んでいると
美青年クリスチャンが登場
メイクでちゃんと美青年に見えました(おい)
クリスチャンは新人青年隊!
先輩からシラノには「鼻」のことは禁句だと教わっているにも関わらず
鼻言葉連発!
「なんなんだ、あいつは」と怒り心頭?
というより「アイツなんやねん」のシラノ
そして彼こそがロクサアヌの恋の相手クリスチャンと知るや
「さあ、接吻だ」
右近シラノに抱擁される桂クリスチャンはとても女形っぽかった(笑)
恋を語る言葉を持たぬクリスチャン
言葉は持つが美貌を持たぬシラノ
ふたりでロクサアヌを射止めようとする
まずはラブレター
ロクサアヌのためにしたたたラブレターを
シラノはクリスチャンに手渡す
クリスチャンから届いたラブレターを読んだロクサアヌは
舞い上がる舞い上がる
その文言一字一句覚えるほどに
シラノのもうひとりの恋敵
身分と地位でロクサアヌを我が物にしようというド・ギッシュ伯爵
ド・ギッシュ伯爵はシラノを恨んでいる
身分や地位、富にこだわらず
いつも自由闊達なシラノがうらやましかったのかもね
そのド・ギッシュ伯爵がロクサアヌの元を訪れ結婚を申し込みますが
体よく断られてしまいます
けれど近衛の指揮官になり、次の戦いにシラノとクリスチャンの
ガスコン青年隊も戦場に行くと告げたとたん
ロクサアヌの頭はクルクル廻り(頭部が回転するんじゃありません)
「シラノに手柄を立てさせてはいけませんわ」
などとド・ギッシュの心理的弱みを巧みについて
クリスチャンを戦場に出させないよう画策しちゃうんですね
伯爵はロクサアヌに「アントワーヌさま」などと呼ばれ
ヘロヘロのデレデレ
まんまとロクサアヌの策にはまります
で、ガスコンの青年隊!の場面なのです〜〜
♪おーれたちは ガースコンの青年隊!
振り付けはこれまた我らがヤンさん!ANJUさま!
ミュージカルシーン、パート2!
スラリとした姿がひときわ目立ってました!
その後すぐ新聞記者で登場し
セリフを言われると
予備知識なかった人たちは
「あれ?あれ?あれ〜〜〜〜〜〜〜?????」と
目をシロクロさせてらした
そーーーなんです!
ヤンさんは男役もドントコイ!なのです!
今回の芝居何が凄いかって
7人の役者さん皆さん男でも女でも何でも来い!の人ばかり!
なんですよね〜〜〜
第三場 ロクサアヌ接吻の場
そして日が暮れあたりが暗くなると
ロクサアヌに愛を語ろうというクリスチャンがたったひとりで
ロクサアヌの窓辺に・・・
クリスチャンは一度手紙で思いは伝えたのだから
大丈夫とシラノの助けを断ったのね
シラノ先生の教えを受けたんだから、ボクはひとりでガンバルンだ!って
無謀だ(笑)
でも、その方が観客はおもしろい(おい)
愛を語れない男がロクサアヌにどうやって愛を語るのか!
「僕はあなたを愛しています」
「それはテーマでございますわ」
最高!!(笑)
天国でエドモン・ロスタン氏が大喜びされてそう!
「あなた、お話がお下手ですわ」
なんと率直な(笑)
さっさと部屋に戻ってしまうロクサアヌ
クリスチャンに助け舟を出すシラノ
シラノに耳元でこっそり教えてもらったことを
口から喋るクリスチャン
「あら、お上手」
も〜〜〜ヤンさん、最高でございます〜〜〜
ここから先こそ抱腹絶倒
貴族の抱腹絶倒
最高のツッコミ!
気品あるツッコミ!!
可愛いツッコミ!
手たたいて笑いたかったけど、そんなわけにもいかず
はらわただけがお腹の中でひっくり返って
爆笑しないようにするのが苦しゅうございました
もしDVDでも出ればこの場面リピートして見るだろうな〜
DVD出ないのかなあ〜〜
出て欲しいなあ〜〜〜〜
シラノの愛を語る言葉にうっとり
耳を傾けながら
歩くロクサアヌが美しい〜〜〜〜
そして最後はどんな言葉で決まるのか!と思いきや
クリスチャンの頭の中にはそれしかないのか!
愛=接吻
「接吻を!」
まあ、なんてことを!と思いつつ
愛の言葉の数々がロクサアヌの心をとろかしてるので
接吻を実は密かに待ち望んでいる
でもそんなこと・・・
「それではお望みではございませんの?」
そんな心のひだを見事に表現しているヤンさんロクサアヌ!
素晴らしい!
シラノに背中を押され
ロクサアヌを抱きしめ接吻するクリスチャン
ああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
シラノはどんなにか苦しかったことでしょう
ロクサアヌは自分の言葉に接吻しているのだ!と思えば
よけいに切ない
そこへ僧侶(坂部さん)登場
昔、杉村春子さんの文学座のお芝居をいくつか見たけど
その時坂部さんはまだハンサムなお兄さんだったわ〜(まだって^^;)
ド・ギッシュ伯爵から結婚を迫る文書を突きつけられるロクサアヌ
けれどここでも美女の悪知恵(おい)
伯爵は自分とクリスチャンの結婚を望んでいるのよと
僧侶を騙して
クリスチャンと結婚しちゃおうとするんであります
かなーり積極的(笑)
かなーりチャッカリしてます
シラノはここでもロクサアヌに片棒かつがされて
ド・ギッシュ伯爵を阻止する役目をおおせつかる
ああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
シラノ〜〜〜〜〜〜〜
なんで進んで道化役を引き受けるんだよ〜〜
辛いんでしょ、とシラノに感情移入してしまう私^^;
でも好きなのよね、ロクサアヌを
羽飾りついた帽子と袋で顔を隠し
「月へ飛び上がるホーホーを知っているのだ=」と
どこから声出してんの?右近さん
まるでおそまつ君のハタボーだじょー(笑)
そうやって伯爵をケムにまいて時間稼ぎするシラノ
この場面の右近さんと加納さん、何故だか好きだったなあ〜〜
シラノの恋愛とは関係ない部分、幼い頃からの夢想の世界がかいま見れる
おもちゃの木琴の音が聞こえてね
あ!!
木琴で思い出した!
大事な事!
このお芝居の音楽は生のヴァイオリンとアコーディオンなんです
演奏の方がお芝居に絡んだりもして
ヴァイオリンの音色はとてもしっとりと哀愁に満ちてて
アコーディオンの音は軽やかでけどこれも少し悲しげで
素晴らしいんです〜〜〜
もとい
月の話で時間をかせいで
ロクサアヌとクリスチャンの結婚に手を貸したシラノ
それを知ったド・ギッシュは怒って
クリスチャンを戦場へ送ってしまうのでありますが!
が!!
それをもう翻すことは出来ないと分かったロクサアヌの
ド・ギッシュを見る恨みのこもった目ったら
ストレートに「あなたなんか大嫌いでございますわ」って言ってるのよね
それが可愛いのなんのって
どんなに邪険にされてもド・ギッシュ伯爵が
ロクサアヌを思い続ける気持ちが分かる気がする
伯爵は大人なのね
手の中で暴れる小鳥ほど可愛いって感じ(ちょっとヘンタイっぽいか^^;)
伯爵とクリスチャン退場して
シラノとロクサアヌ
戦場でもクリスチャンを守ってちょうだいと
酷く可愛くシラノに願うロクサアヌ
手紙をちょうだいとクリスチャンに伝えてね、とロクサアヌが言った時
シラノの心は明るくなる!
ロクサアヌに愛を語ることが出来る!
自分の思いを伝えることが出来るんだもの
「それなら出来ます」と急に晴れ晴れとするシラノと
「お手紙ちょうだい、とおっしゃってね」と可愛いわがままいっぱいのロクサアヌが
右と左へ退場して
一幕は終わり
(休憩、の看板が廻る)
第二幕
第四場 ガスコーニュ青年隊の場
2幕の始まり方が好き!
青年隊4人(猿弥さん、たかおさん、坂部さん、とクリスチャン桂さん)が
4方から登場して中央舞台に腰掛け眠り
「まったくこれじゃあやりきれない」
「喰うものが何もないんだからな」と始まる
さりげないこういう始まり方、大好き!
優勢だったはずのフランス軍は逆にスペイン軍に囲まれて
兵糧攻めにあっている様子
ハラペコでどうしようもない
そこへ手にケガしてるシラノ登場!
シラノは何故か生き生きしてる
そりゃそうよね
毎日戦場からロクサアヌへ手紙を書いては
スペイン軍突破して届けているんだもの
送り主はクリスチャンなんだけどね(泣けるぜ)
シラノー!元気つけてくれよ!
青年隊の面々に促され
故郷ガスコンの歌だ!とてここで生ヴァイオリンにて
奏でられる子守唄
あの音色
素晴らしかったです〜〜〜〜
シラノに励まされて威勢のいい青年隊の前に
ド・ギッシュ伯爵登場
彼もハラペコ
シラノVS伯爵で色々なんかあって(おいおい)
そこへ王家の紋章つきの馬車が到着〜〜〜〜!!!
再び兵隊たちの衆目を一身に集めて登場するのが
我らがヤンさん!
ロクサアヌさまでございます〜〜〜〜〜
「しばらく」ニコッ*^^*
なんでまた?こないなところに?
「恋と申すたったひとりの王様の御用ですわ」
はへ???
はっきり申して暴挙であります!
戦場へのこのこ出かけてくる女がどこにいる?
ここにいる!
シラノが送り続ける手紙が
ロクサアヌをそうさせたのではありますが
ああ、マイダーリン
クルクル廻る回転の早い頭と笑顔の旅行券と
おいしいご飯をいっぱいを持って!
そうです!
ロクサアヌはやっぱりバカな女じゃないのですわ!
恋のためだけに突っ走ってきたわけじゃない(?)
おいしい食べ物とパン屋さんまで連れてきてしまったのです!!!
アッパレ〜〜
実にアッパレでございます〜〜〜〜〜〜〜〜
兵隊たちの大喜びの顔
暴挙が快挙に変わるのであります!!
美しくてお利口さんで正直で
ロクサアヌ!
私も貴女が大好きだ〜〜〜〜〜!!!!!
けれどもクリスチャンは・・・
ロクサアヌが何を愛しているか知ってしまうのです
「たとえあなたが醜くても!」
「醜くても?」
クリスチャンが可哀想だった
ほんとうに可哀想だった
ロクサアヌを愛していたのに
愛されていると信じていたのに
ロクサアヌの愛は
クリスチャンの身体を突き抜けて
シラノの心を愛していた
クリスチャンはなかば死を覚悟して
いや自暴自棄だったのかも
戦火の中へ飛び出して行く
そして倒れて
シラノとロクサアヌが見守る中
息を引き取るのであります
ロクサアヌへ宛てた最後の手紙を持って・・・
本当はシラノが書いたこの手紙
シラノの涙と
クリスチャンの血のついたこの手紙を
クリスチャンの死とともに
ロクサアヌは胸の奥深くしまいこみ
クリスチャンへの愛を貫き通すのであります
第五場 シラノ週報の場
2幕は涙なしで見ることは出来ません
クリスチャンの死ゆえに
自分の思いをさらに閉じ込めなければならなくなったシラノ
尼僧院で静かにクリスチャンへの喪に服すロクサアヌの元を
毎週、同じ時間に訪ねては
世の中の出来事を話して聞かせる
14年間です
14年も続けているのです
ロクサアヌは胸にしまった手紙ひとつにクリスチャンへの思いを込め
シラノはロクサアヌへの愛だけに14年間通い続けた
シラノの来訪を楽しみにしてるのはロクサアヌだけじゃありません
教母 坂部さん
教妹 猿弥さんとたかおさん
このお三方、最高でございました!!
シスター坂部さんなんて本当にお優しそうであたたかで
その胸で安らかに眠りたいって思うほど
シスター猿弥さんとシスターたかおさんは
おかしすぎ〜〜〜
プププっと吹く芝居
あれってハプニングっぽく見せてらっしゃるけど
お芝居よね
涙なみだになりそうな2幕に笑いを盛りつけて下さってね
サウンド・オブ・ミュージックでのラストのシスターたちの
いたずっらっぽさが素敵だった
あんな感じでしたもん
あ〜〜〜〜〜〜
それにしても喪服のヤンさん、いや
ロクサアヌのなんと美しかったことか!!
結い上げた髪、細く華奢なうなじ、なだらかな肩
ベールからのぞく澄んだ瞳、エキゾチックな美貌
ヤンさんって日本人なんですよ
日本人!
なのにこんなにカタカナの名前の似合う女優さんがいるでしょうか!?
え?どうです??います?
ロクサアヌ
どっから見てもロクサアヌなんですよ!
今回どのヘアスタイルもドレスも美しかったけれど
なんと申しましても
喪服は絶品!でございましたね
あ〜イカンイカン
ヤンさんがどれだけ美しいかってことになると
指が勝手にキーボードを叩いてしまう
イカンなあ〜〜
さてその喪服のヤンさんは尼僧院の森の木陰で刺繍などされておられるのでございます
あ〜あの刺繍針になりたい
糸の1本でもいい
あの布になってロクサアヌにブチっと刺されてもいい
なんてうっとりしてると
シスターたかおが「ドッコイショ」と重たそうな椅子を
舞台にセッティング
フフフ、おいしい笑いをありがとうと
刺繍を続けるロクサアヌ
時計の音が鳴ってもやってこないシラノ
どうしたのかしら?
遅れたことなど一度もないのに
と、秋の木の葉が散っていく
シラノ、足元がおぼつかないようすで登場
そうなんです!
シラノは病気で、しかも小僧にだまし討ちをくらい
頭部に大けがを負っているのです
頭の怪我を羽飾りついた帽子で隠し
いつもどおりロクサアヌを訪れるシラノ
もうこれだけで泣けてきちゃう
ハラリと散る枯葉
ロクサアヌはといえば、刺繍から目をあげることもせず
「ね、あたったでしょう?」
美しい秋の日は
今日もまた同じ一日
クリスチャンを失ってからは
毎日が同じ一日
小鳥のさえずりも
色づくマロニエの並木も
シラノの訪れも
「もう、14年にもなりますけれど、これが初めてでございますわ
お遅れになったりして!」
ああ、これだけでも涙があふれてしまう
シラノの方を見もしないロクサアヌが哀れです
でもそれは
シラノにとっては幸せなこと
ロクサアヌを愛し続け守り続けなければならないのだから
今、この姿をシラノはロクサアヌに知られたくはないのだから
シラノは力を振り絞って
ロクサアヌに語りかける
ロクサアヌは穏やかな笑みをうかべ
その話に耳を傾ける
このまま時が止まればいいと思わず願ってしまう
穏やかな日だまり
枯葉がまたひらひらと・・・
シスターはシラノの様子に気付くが
何も言うな、と
ああ、もう涙がポロポロこぼれてしまう
そしていよいよあの手紙
クリスチャンが書いたものと、最後にしたためたものと
ロクサアヌが思っているあの手紙
「お読みになりたい?」
「ええ、読んでみたい・・・今日こそは・・」
「ロクサアヌよさらば・・・」
ああ、もうだめだ
涙を止めるなんて出来ゃしないわ
流れるままにしておこう
「その手紙の・・お読みぶりは・・・」
「そのお声は・・・」
立ち上がり
呆然と
ロクサアヌの手からこぼれ落ちる刺しかけの刺繍
ああ、研ぎすまされたこの瞬間
14年の歳月の果て
愛し続けてくれたのはシラノだったのだ
ロクサアヌは気付く
「違います、違います、ロクサアヌ、違います」
シラノ、右近さんの身体から振り絞るようなこの言葉は
今も心に残っています。
「あの方はこのお手紙とは何の所縁もないではございませんか
この涙の痕はあなたのではございませんか?」
「この血の痕はあの男のです」
数々の愛の言葉が自分のものであっても
クリスチャンもまた心からロクサアヌを愛していたのだと
決して友を裏切ろうとしない
やがて死霊がシラノの身体に襲いかかる
シラノが死霊と闘う姿に
頭上に翼を広げて襲いかかる死霊が見えたような気がして
怖いくらいだった
そして力尽き
「俺はあの世に持っていくのだ!」
「皺ひとつ汚点(シミ)ひとつつけずに持って行くのだ!」
それは?
「私の羽飾り(心意気)だ!」
ロクサアヌの嘆きのうちに幕
照明が灯ると
シラノとロクサアヌ立ち上がり
他の出演者の皆さんも登場されてご挨拶となります
中央の舞台から降りられる時、
右近さんがヤンさんをエスコートして下さるのを見るのが
とても大好きでした*^^*
東京千秋楽には
幸せなキスもあったそう
ほんっとに、ほんっとにヤンさんファンって幸せです!
公演のたびにこれでもかってくらい
胸ときめかせていただける
こんなに素敵な芸達者な役者さんたちと
こんなにおもしろいお芝居を見せて下さって
スタッフ、キャストのみなさまがたの
羽根飾りにも乾杯です!!
次は兵庫!
楽しみです
読んで下さってありがとうございましたm(__)m