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【第三部 神々】
あらすじ
7幕 ヘレネ
トロイアへ連れ去られたはずのヘレネ(安寿ミラ)は実はエジプトにいた。
船が難破しエジプトに漂着したメネラオス(菅生隆之)は
偶然ヘレネに出会う。
トロイアのヘレネは女神ヘラの策略で作られた似姿だったのだ。
ではあの10年という長い年月を費やした戦争は何のために起こったのだ?
…と老兵(飯田邦博)は嘆く。
ヘレネとメネラオスは再会を喜びギリシャへ旅立つ。
8幕 オレステス
場所はミュケナイ(ギリシャ)の王宮近く。
オレステス(尾上菊之助)は母クリュタイムネストラを殺したため
復讐の女神の幻覚に悩まされて衰弱し、
姉エレクトラ(寺島しのぶ)と共に親殺しの判決を待つ身となっていた。
ミュケナイにもどったばかりのクリュタイムネストラの妹、
姉弟の叔母にあたるヘレネは彼らにはうとましいだけであり、
叔父メネラオスの助力も期待出来なかった。
そこで親友ピュラデス(合田雅吏)の力を借り、
人々の憎悪の対象となっているヘレネを殺す。
それでもなお復讐の女神から逃れられないオレステス、
嘆くメネラオス、騒然とする人々の前に
光りの神アポロンが現れ神託を下す。
ヘレネはアポロンとともに天にのぼり女神となり、
オレステスはヘルミオネ(ヘレネの娘)(香月弥生)と、
エレクトラはピュラデスと新しい道を歩むことになった。
9幕 アンドロマケ
場所はテティスの神殿のあるところ。
アキレウスの息子ネオプトレモスの奴隷となり
男の子を産んだアンドロマケ(麻実れい)は、
ネオプトレモスの妻ヘルミオネの嫉妬と憎しみから身を守るため
テティス(南果歩)の神殿にいた。
メネラオス、ヘルミオネ父娘はアンドロマケの子どもの命を奪おうとするが、
アキレウスの父ペレウス(田代隆秀)が助ける。
しかしネオプトレモスはオレステスに殺害さてしまう。
息子と孫を失い絶望するペレウスの前に妻テティスが現れ
、彼に永遠の命をあたえ共に去っていく。
アンドロマケは自らの内に命を産み育てる限り無い力を感じ、
子どもとともに未来を見つめ生きていこうとしていた。
10幕 タウリケのイピゲネイヤ
生け贄とされたはずのイピゲネイヤ(宮本裕子)は
タウリケの神殿で巫女として暮らしていた。
弟が助けに来るのを待ちながら・・・
アポロンの導きでタウリケへやってきたオレステスとピュラデスは
イピゲネイヤと再会。
三人はアルテミス像とともにタウリケを逃亡する。
怒り狂うタウリケの王トアス(吉田鋼太郎)におびえるコロスたち、
その前に知恵の女神アテナが現れ人々を平和へと導いていった。
さあ!ヘレネさまの出番です!
早く始まらないかとうきうきわくわく!
舞台に敷かれたエジプト模様の絨毯を見ただけで嬉しくなっちゃう!
場内暗くなり、カッチカッチと振り子が揺れはじめる〜〜
キャー!
明るくなるとワオーーーン!←ミーハーの遠吠え
ヘレネちゃまが白い薄もの身体にまいて
ゴローーンと寝転んでらっしゃるではあーりませんか!
そしてなんとも普通に、
「ここはエジプト、ナイル河のほとり・・」
とおっしゃるんだなあ。
ヤンさんのせりふってとても聞きやすいんです。
「この河は雪を食べて育ちます・・・」
・・・ええわあ〜〜〜。
おーい、君はヘレネしか見て無いだろ〜って?
いいえ、グリークスも楽しんでるんです。
でもでもヘレネさまが出てらっしゃると
自動的にミーハーモードに入ってしまう!
そういえば、私の友だちの間でこの秋大流行したのが
「ここは、○○、△▽河のほとり・・私はごはんを食べて太ります。」
だとか
「私の名は◇◇◇。この名前の意味はたったひとつ―まぬけ。」
なんつうヘレネごっこ。
ネタばれBBSではグリークス替え歌ごっごなんてのも流行っている。
グリークス!なんてはば広く遊べるお話なんだろう!
おっと、話しがヘレネちゃんから離れてしまった。
白い薄物のヘレネさまは絨毯に寝そべり、
葡萄をつまみ皮をペッ!
リンゴをガシリとかじるんです。
葡萄妄想症、葡萄シンドローム、
リンゴをかじって歯茎から血の出た人、
さまざまな症状がファンの間で見られたようでありました。
ドッと笑いが来たのが、バドワイザー!
缶をプシュッと開け
泡ぶくブチュッと飛ばしてグイっと飲むヘレネさま。
やおら寝転び雑誌をペラペラ・・・
でも、お母さんのレダの話しになると
ヘレネは哀しく歌うんです。
歌詞・・・?よく覚えてないなあ〜
でもなんて心地いい声、
グリークスで歌ったのはヘレネ一人なんだぞ!
(←ファンがえばってどーする!?)
「ああ、退屈」
なんでヤンさん、そんなに間がいいの?
男の方のなんともいえない温かみのある笑いがあったのが
「きれいなのってイヤ」
ヘレネは宮殿に入っていきます。
そしてメネラオスさま登場!
メネラオスさまは今回アイドル
でしたねえ。
ヘレネにこれでもかというくらい振り廻され惑わされ、
そして
ヘレネを愛してくれた!
「妻は…ヘレネ…(デレデレ)……」
とおっしゃる時の可愛さよ!
とうとうヤンさんファンの間では
愛しのメネちゃん
と呼ばれることになったくらい・・・。
再会後のお二人の掛け合いはさながら
夫婦漫才のよう。
真っ白なドレス(スパルタの娘のドレス・・)がとてもきれいで
メネラオスと抱き合いくるくる廻してもらうヘレネは
とっても軽やかで太ももの蝶々よりも蝶のようだった。
エジプトの王テオクリュメノスを騙す影の打ち合わせもおかしくって、
〜〜〜波打ち際!ヤンさんの本領発揮でしたね。
それで顔に傷をつけ黒い服にかえたヘレネ。
やはりボロ服から儀式用に着替えたメネラオス。
立派な夫の姿に
「ああ、あなた素敵だわ!」と
ヘレネさまの目がハートになってました。
「さあ連れて帰って!」
とメネラオスと手を取り合い駆けていくヘレネ。
幸せそうだった!〜〜〜〜☆キラーーーーン!
そして8幕のオレステスへ
悩める少女・・・?じゃないな
、娘エレクトラとの会話がなんともいえないミスマッチ感
もがいてもがいて泥沼にはまり込むエレクトラと
脳天気な浮力で泥沼にもプカリプカリと浮いていられるヘレネ。
どっちもどっちって感じだけど、私はふたりとも好きだなあ。
せかせかと歩きまわりイライラしてるエレクトラもネ。
この場面のヘレネは髪をきれいにアップに結い上げ
喪服(姉クリュタイムネストラの喪に服してるつもり)
・・・足もあらわな喪服・・・に身を包み
瓶に入ったお酒を持って登場!
「私は怖くて外に出られないから、
エレクトラ、貴女、姉のお墓にいってくださらない?」
と頼む。
←オイオイ、そのエレクトラがあなたのお姉さんを殺したんだよ〜〜
あきれるエレクトラ。
「いやよ、あなたの娘を行かせたら?」
「そうね!」
・・・・・・これだもーん。
アセアセ・・・
でもね、いいの。ヘレネは。
石の上に腰掛けるあのしぐさ!
喪服から白い足をさりがなく見せたりなんかする・・・
これぞヘレネ!
でも可哀想なヘレネ、
オレステスとエレクトラとピュラデスに殺されちゃう
オラオラオラ・・・その三人組、ほんとに殺したらヒドイ目に合うよ!
なんてチャチャ入れる間もないくらい三人ははりきってたよね。
まるで、夜中の暴走に盛り上がる若者のように・・
「メネラオスー!」と中で叫ぶ声が聞こえて、
飛び出してくるヘレネの奴隷ニテティスの
アイアイ節でその様子を想像する。・・・
シャ〜!ヘレネ消えた!
そうなんですねえ。
ヘレネは無事でアポロンの元にいたんですねえ〜〜。
アポロンがまず登場した時は爆笑・・・
とまではいかぬとも・・笑えた。
頭はとうもろこし、真っ白お顔にあの口調。
「しn〜ずn〜かn〜に、しn〜ずn〜かn〜に〜」と
降りていらっしゃりコロンとひっくり返ったアポロンの像を見て
あやややや・・・とかけより台にもどし、
とうもろこしヘアーを整えてさしあげる・・・
ああ、ツボですわあ〜〜。
で、ヘレネさまの登場ですが!
おおおお〜〜〜〜!!!!
後光がさすとはこのことか!
まずシルエットにうかぶヘレネ!
あああ〜〜〜、
美しい〜〜〜〜〜。
前にすすみ姿が浮かび上がると、
そこにはまるで遥かオリンポスから舞い降りてきたような
麗しい女神が〜〜〜〜。
ああ、美しすぎます〜〜〜〜。
神よ、何故この世にあのような美しき人をお送りたもうたのか!
だまって静かにほほえみながら人々を見つめながら
アポロンの言葉に耳をかたむける。
(でも、真剣に聞いてるのかなあ?こぼれる髪で遊んでた気もするしい〜)
横顔なんてそのまんまギリシャ人、
そのまんま女神!
またも階段で白いおみ足披露して下さり、サービス満点!
(←オイオイ、べつにサービスってわけでも・・byヘレネ)
ただただ口ポカンと開けてその美しさに見愡れる数分に
、グリークスはええ作品やあ〜と御満悦!うふ!
まだまだ心の平和を得られない若者たちの絶叫をよそに
アポロンと優雅に舞うヘレネ。余裕の舞い・・・
振り子が時を刻み、やがて暗闇にヘレネの姿は溶けてしまった。
9幕は「アンドロマケ」
ターコさんのアンドロマケは
アキレウスの息子ネオプトレモスの奴隷となっても威風堂々
他を圧する気品と風格である。
アンドロマケにかみつくヘレネの娘ヘルミオネなんか
まるで目じゃ無い感じ。
でもよおーく観てるとアンドロマケは何もしないのよね。
トロイアの勇者、夫であったヘクトルを慕い続け、
子を産み泣きあきらめ次なる運命に身をゆだねる。
それでも自立した女のごとく見えるのは何故だろう?
ターコさんが演じたからだ!
というのはちょっとオーバー?でもやっぱりそう思う。
この9幕で私が一番心に残ったのはアキレウスの父ペレウスですね。
哀しかった。
勇者なのに、哀しかった。
永遠に年を取らない美しい妻テティスに
救いを求める姿には涙してしまった。
わがまま放題のヘルミオネ、
親ばかチャンリンのメネラオスは道化役のようでもあったけれど
自ら人を傷つけることなく、ピーチクパーチク煩いけれど憎めない親子。
天の女神となった母、ヘレネさまも「しょうがないわね」と
きっと微笑んでることでしょう。
10幕は「タウリケのイピゲネイヤ」
1幕でアルテミスへの生け贄とされた!
と思われていたイピゲネイヤが実はタウリケで生きていたのだ
(タウリケ、黒海の北)
「覚えていますか?」グリークスの中で色んな役柄の人が言ったけれど、
イピゲネイヤのこれが一番重みがあるような気がした。
客席から汚れた風で「覚えていますか」と登場される。
あの可愛い可憐なイピゲネイヤが生きてたんだ〜と
観客は最後の最後でまた目が覚める。
弟とめぐり合え策略をもってタウリケの王を騙しアウリス!ミュケナイへ帰って行く。
(策略をめぐらして他国の王を騙したのはヘレネちゃんも同じですね)
そして終幕
コロスで登場のヤンさん。
赤い布をまいたようなチベット風衣装?
みなさん、同じなんだけど、ヤンさんはすぐにわかる!
ミーハーの直感!
コロスのヤンさんはとっても純真無垢な瞳で
女神アテナの言葉に聞き入り
その存在の透明感に
また惚れ直してしまったのでした。
友人曰く
『ほかの人に汚されないうちに、自分のものにしたい、
という感じですわね。
さらって行きたいというような・・』
・・・なーるほどお〜〜〜!
感嘆!
イピゲネイヤたちの幸せを願い、
ギリシャの勇者たち名を呼びながら
蓮の花を手に客席を去っていかれるヤンさん
、
ありがとう!
ヤンさんのおかげでこんなに素敵な作品を観ることができました。
また、ステージに立たれるヤンさんに会える日を
楽しみにしています!
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