TITANIC
the musical

脚本 ピーター・ストーン
作詞・作曲 モーリー・イェストン
演出 トム・サザーランド



cast

アンドリュース 加藤和樹
イズメイ 石川禅
バレット 藤岡正明
エッチス 戸井勝海
チャールズ 相葉裕樹
マードック 津田英佑
ジム・ファレル 渡辺大輔
ブライド 上口耕平
ライトーラー 小野田龍之介
ハートリー 木内健人
ベルボーイ 百名ヒロキ
フリート 吉田広大
エドガー・ビーン 栗原英雄


アリス・ビーン 霧矢大夢
キャロライン 菊地美香
ケイト・マクゴーワン 小南満佑子
ケイト・マーフィー 屋比久知奈
ケイト・ムリンズ 豊原江理佳  

ミセス・ビーチャム 須藤香菜

アイダ・ストラウス 安寿ミラ 
イシドール・ストラウス 佐山陽規
スミス船長 鈴木壮麻




千秋楽から1週間過ぎましたが
まだまだタイタニック熱は冷めません

♪ゆけ〜〜〜ゆけ〜〜
♪起きて起きて 起きて 起きて起きて
♪なーりたいメイドに!
♪船はゆ〜く〜ゆ〜く〜
♪huhuhuhu~~(still)

と口ずさんでしまう日々

最初から要望しますが
せめてCD出ませんか?
お願いします!船長!

タイタニック観劇記いってみよーー!!!

開場した時からお芝居は始まっているのです

舞台上にはアンドリュース
デスクでタイタニックの設計図を書いている??

客は開場と同時にタイタニックに乗船する・・ことになるのか
もしかしたらもはや海底なのか

機械音や電話の音が聞こえてくる不思議な静寂に満ちた30分間
5分前になると一等客室係エッチスによる乗船案内

1912年にふさわしくない音や光の出る発明機器は(笑)
電源をお切りくださいますよう
お願い申し上げます

出航は近いのね!

暗闇に包まれ光が差すとオーナー・イズメイ
崩れ去ったわが夢
涙ながらに歌い始める

そこへわらわらと集まる人たち
上手客席からは生き残った人たち
一般女性役のヤンさんは舞台下手から!
沈んだタイタニックを思い歌う中

バレットとベルボーイ(?)登場
タイタニックに乗船する喜びを歌う

乗船する乗員たち、オーナー、船長、アンドリュース
食料を運ぶ青年たちは客席を一気に駆け抜け2往復
(渡辺さんと相葉さん、お疲れ様です!)

3等客、2等客、1等客
次々に乗船し紹介されていく

ここまでで怒涛の12ナンバー
まるで交響曲!

「序曲」
「いつの世も」
「どうやってタイタニックを造ったのか」
「さらば恋人」
「ほら見ろ」
「積み込みチェック」
「世界最大の可動物」
「ピットマンのアナウンス」
「あの船に乗ろう」
「ピットマンのアナウンス」
「あの船に乗ろう」
「ビーン夫人」

「2等客のみなさま〜〜〜」
あの時、階段タラップの上は怖くなかったかしら?

ヤンさん佐山さん、ストラウスご夫妻のセレブな登場は
上手階段から、羽飾りの黒帽子に黒のコートドレス
オーナーも挨拶にやってくる
ミセス・ストラウスその佇まいは皇后さまのよう


一等客の皆さま〜は乗船すると記念撮影するのね
不倫旅行の方はカメラを避け
謎の貴婦人は堂々とポーズ
ストラウス夫妻はとても自然に・・・

乗客乗員揃い!!

オープニングナンバーのラストは

♪ゆけ〜〜〜ゆけ〜〜〜お〜おタイタ〜ニック〜〜〜

全キャストの大コーラス!
鳥肌!
感動!
素晴らしかったです

チケットを破き

出航!

暗転かと思いきや、乗り遅れた男が不運を嘆くが
君は不運なんかじゃなかった

さて船は大海原に乗り出し順調に進む

伝説を作りたいオーナー・イズメイは勝手なことばかり言いやがる(おほほ)
都合のいい時には「私の船」
悪い時には「お前の船」

船長も船長
「スピードは上げようと思っていた」とか
結局、オーナーご機嫌第一
パッと見、いかにも人格者風だから騙される
部下に高圧的

今の世なら間違いなくコンプライアンス〜〜〜〜

アンドリュースは冷静、設計士の誇りは忘れず
越権行為は決してしない
これが良かったのか悪かったのか

スピードを上げる船に危機感を抱くバレット

バレットのナンバーは間違いなくこのミュージカルの白眉のひとつ

力強く伸びやかな歌声に聞き惚れる

ボイラー室から船室へ

ディナーテーブルの上で歌うバレットの足元には
1等客が使うカテラリーや食器
バレットが足を踏み出す前にメイドが皿を取り知らぬ顔で磨く
皮肉満載なシーンであるが
そのコンビネーションが楽しい

ディナーテーブルを見てあの中に入りたいと願うアリスは
ご主人エドガーをなじる
ひとりになりたいと去るアリスを見送るエドガー

一等客のディナーが始まる
アイダはグレーのドレス
ひときわ華麗・高貴・上品そしてクール
お隣りの方とご歓談

船のスピードの話題が取り上げられ
多分、ディナーの席になど顔を出せないであろう
通信士・ブライドが氷山の報告をするが
体面ばかりの船長に無視される

3日目(?)のディナーが終わり

船長とマードック
船長の最後の航海であること、船長になることの責任が語られる

一等客がカフェに移動すると3等客の場面に
「メイドになりたい!」
「教師になりたい!」「なりたいお針子に!」

ヤンさんも3等客でご登場
麦わら帽子のお嬢さん


ついつい目はヤンさんにくぎ付けに^^;

それから若いカップル、キャロラインとチャールズのシーン?

エッチスに挨拶をされ、2等客であることを言わなかったと責められ
でも結局はね、お膝に座ってLove

通信室ナンバー「プロポーズ」はバレットとブライド
この場面も大好き!
パンフレットにヤンさんもこの場面が好きって書いてあった!
ティティティティチタティ
通信音が幸せ以外の何者でもなかったのに
やがてこの音に乗客の命がかかってくるのだから・・・

ミサからのダンスシーンでしたっけね

ダンスはチャールストン
アイダが身体でリズムを取って踊りたそうにしてたのが可愛かったな〜
そうしたらハートリーでしたっけ?
ハートリーがアイダの手を取り少しダンス
美しかったな〜〜〜

ハートリーは優しいのね
踊りたい女性の手をさらっと取って踊りだす

2等客でありながらそこに混じって嬉々として踊るアリス・キリヤン
お目目がクリリン、可愛かった

喫煙室でのエッチスとエドガーの会話が好きだった
通信室とこの場面には貴重な「笑い」があるし

エドガーがアリスの手を取り踊りだすシーンは大好き
エドガーが良かった!
見た目とかじゃないのよね

高いチケット買って観劇に出かける妻を黙って見送ってくれる
うちにもエドガーがいるな、なんてネ(笑)

もとい

「月無夜」から「秋」のシーンも素敵だったな〜

星が光り海原にたゆたう男と女(べたです)

星を探すストラウス夫妻
月無し夜だから星はよく見えますものね


ケイト・マクゴーワンとジム・ファレル
たくましい二人

エッチスとエドガー、・・・アリス

そして遂に!

見張りフリートが警鐘がならす

マードックが舵を切らせ、最速後退!

氷山に衝突、轟音響き

1幕終わり



2幕
エッチスとベルボーイが机の上で
起きて起きて起きて起きて起きて♪

何事と起きてくる一等客
エッチスに事の次第を質すストラウス夫妻

2等客は1等客サロンへ!
大喜びのアリス、化粧をしに!

3等客は船底の船室に閉じ込められる
助けるバレット

イズメイ、アンドリュース、船長は互いの責任を攻め
3人とも悪い人みたいだけど
アンドリュースは悪くないと思う

タイタニック号はアンドリュースの分身
アンドリュースにもっと権限があった良かったのに

2代目ぼんぼんイズメイは伝説だけ作りたかった
伝説イコールスピード

船長は今までの航海どおり何事もなく終わると信じきっていた
再三の警告があったのに・・

が、巨大な氷山はそうはさせてくれなかった

「タイタニックは沈みます」

アンドリュースは静かに宣言する
これがスゴイな〜って毎回思ってた
この時からアンドリュースは覚悟していたんだろうな〜

マードックの苦悩、ライトーラーの沈着な対応

妻や恋人を生かす男たち
チャールズもエドガーもカッコよかった!

ボートに乗ることを拒否するストラウス夫人、アイダ
40年共に過ごしたのよ!
最後まで夫と共に!
きっぱり言い切る姿が素敵でした


ボートに乗る娘(ケイト)に宝石と救命衣を渡し
イシドールは札入れをジムに渡す
アリスはエドガーと別れがたく・・しかし

ボートは船から離れていく

泣きながら客席を去る女性たち
中にまじるのはイスメイ
生かされるべくして生かされたのだなイスメイは
自分の意志で乗ったようだけど
生かされて責められて語らされるのだ

船上では最後の時が流れる

乗員たちは集まり
船長はベルボーイにも声をかける
14歳!
あまりに若い・・・

ストラウス夫妻は正装し最後を待つ
シャンパンを持ってくるエッチス
「まあ、もったいない」
「今の状況を考えますと、開けないことの方がもったいないかと」

若者たちが積み込んだシャンパン
残り物で家族が養えるくらい潤沢な食糧もすべて沈むのね

「乾杯しよう、二人に」
「ほかに誰が?」

♪Still

なんて美しいデュエットだったことか!
夫は妻に美しいペンダントをかけ、指輪をはめショールをかける
鏡の前にたつ妻はこれから起こることに恐れ震え
夫は妻を抱きしめる
妻は夫にしがみつく

うううう・・・・・
思い出すだけでも泣きそうだ・・・

ペンダントがブルーのひとつ石、まさかブルーダイヤモンド?


アンドリュースが船の最後を歌う
タイタニック沈没の様子が目に浮かぶ

男たちが揺れる船に翻弄され

ブリッジに立つアンドリュースはついに海に放り出される
客席もろともに!

ブルーのライトが客席を照らし上げる

ラストシーンへ

ラストシーンの印象があまりなく、
初演の夢見るようなリプライズが思い出される
何故だ?


沈んだ人々に入れ替わってカルパチア号の毛布をかけた生存者が並ぶ

沈没の様子、その時の気持ちが語られていく

タイタニックで亡くなった人々の名が書かれた幕がおりてきて

生存者はブリッジ上で歌い

「なんて大きな船だ!」と
バレットたちが乗り込んでくる

トップシーンだ

ループする世界

トップシーンとラストが同じと分かって見ると
最初からこみあげてくるものがある

結末は分かっていても、あの時の彼ら彼女たちには
希望があったし、夢があった
いつなんどきそれを断たれるかは誰にも分からない

けれど「今」は確かにある
明日に向かって生きていた
それが尊い

涙なみだの観劇でしたが
爽やかな後味

順に登場するキャストさんたちに心から拍手を送る


ラインナップのヤンさんは黒のドレス
佐山さんイシドールと揃ってご登場
ご挨拶も優雅

アンドリュース、オーナー、船長が最後に登場!
万来の拍手

それぞれのキャストさんが何役も演じられ
そのどれもが本当に素敵で
シンプルな装置、動き
タラップを動かす動作までも無駄がなく
全員が主役で全員がアンサンブルでもある
舞台の醍醐味が味わえました!

素晴らしい航海
素晴らしい舞台をありがとうございました!


おわり

読んでくださりありがとうございました

タイタニック初演の観劇記はこちらです

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2018.10.31記
なずな