Auturm Breeze

第2章「Start line〜始まりの鐘の音〜」PART3

 

 そして放課後、弘の提案で僕達は駅前に有るファーストフード店「ジョージ=マック」で文化祭選考会議(弘命名)が行われることとなった。

 その途中・・・、通学路で僕は一人とぼとぼと歩く井上さんを見つけた。

最初僕は目でその姿を追っているだけだったが、里美も井上さんに気が付いたらしく僕にこう話してきた。

 「あっ翔太、あれって昨日転校してきた。井上さんじゃない?」

 「うん、そうみたいだけど、どうした?」

 「そうね〜、なんか彼女って暗いって言うか、なんかね〜、影がある感じだから少し元気付けてあげられればね〜、あっそうだ!例の会議に誘ってみない?歓迎会も含めて」

 「うん、良いと思うけど、弘はどう?」

 「ああ、俺も良いと思うぞ。」

 「智子も良いでしょ?」

 「うん、別に良いよ。」

 「よ〜し、それなら彼女の費用は男子持ちということで、私達が誘ってくるからちょっと待っててね!」

と里美は僕と弘に是非を問わずに、桜井さんを連れて井上さんのところに行ってしまった。

 

 「あ〜あ、相変わらずだな〜、木下さんは・・・」

 「ああ、そうだな、でもおまえは3年ぐらいだろ。俺は17年の付き合いだぜ・・・」

 「そうだな・・・、これからも頑張って行こうな・・・」

 「・・・・ああ」

と残った僕達はこんな調子だった・・・・。

 

 そんな事はもとより、肝心の2人はというと・・・

 「え〜っと、井上さん、これから私達駅前のジョージ=マックであそこの馬鹿2人と文化祭のことに付いて話し合うんだけど、井上さん歓迎記念って言うことで、あの馬鹿2人に持たせるから寄っていかない?」

 「・・・・・・・・、わたしが・・・・・・。」

 「うん、そうそう。ね〜寄っていかない〜」

 「・・・・・・・」

と井上さんは何も言わず黙りこんでしまった。だがすかさず桜井さんが

 「あの馬鹿2人と私達2人がいると何かダブルデートみたいでしょ。だから他の人に誤解されるといやじゃない?だから付き合ってくれても良いかな〜、級友を救うためだと思って・・・」 

 「・・・・・・、それなら少しだけ・・・・」

 「よ〜しそれなら、おい召使い。さっさと来ないと置いてくぞ〜!」

 「おい、里美。何だ召使いって言うのは、井上さんのおごりの件、おまえらのおごりにするぞ!」

 「えっ、なんか言った翔太君!?聞こえなかったな〜、もう一度言ってくれると嬉しいな〜」

 里美はいやみたっぷりににこやかに微笑んできた。

 「・・・・、解りましたよ。おごれやいいんだろ、おごれば・・・・」

 「うん解れば宜しい。」

 「それじゃ〜、レッツゴー!!」

と元気良く里美は他の女子2人を引っ張って先に行ってしまった。

 

 そして残された僕達は・・・

 「あ〜あ、なんか先が思い上がるな・・・」

 「ああ、頑張ろうな弘・・・・」

 「ああ、さて行くか・・・」

と残された僕と弘は先を案じたのであった・・・・

 

PART4に続く