Auturm Breeze

第2章「Start line 〜始まりの鐘の音〜」PART4

 

 こうして僕達はやっとのことで駅前の一角のある日本でも2番目に大きいハンバーガーショップ「ジョージ=マック」にやって来た。

そしてこのジョ−ジ=マックは他の店と違い、普通のハンバーガーの類が無く、鶏のハンバーグバーガー、ホットバーガーなど色々と開発者の神経を疑うような珍品ばかりのお店だが、その珍品が以外とおいしいのでこの店は今現在では1位の超有名ハンバーガショップを負い抜かしそうな勢いなので世間でも注目を浴びている。

 

 ・・・・・、まあそんな話はどうでも良いとして、僕達5人は窓側の一番端の席に座った。

この席は他の席と違い一番端なので店員の目につかない(?)ので僕達学生の間では長時間粘る席として一部の人達に人気がある。

と言う訳で僕は新メニューである「マツタケライスバーガー」を食べながら会議に臨むこととなった。

 「さて、これから会議を始めたいと思う。議題は先ほどと同じで文化祭での当クラスの出し物についてのウリを決めたいと思う。それでは皆さん宜しくお願いします。」

と相変わらずのハイテンションで弘は暴走していた。そんな事は露知らず、女子の面々は他の話題に花を咲かせていた。

 「ね〜、井上さん前はどんな学校だったの?」

 「・・・・・、レベルはこの学校と同じ位で・・・・、この学校とあまり変わらないと思います・・・。」

 「ふ〜んそうなんだ〜、ところで井上さんは何か意見ある?え〜っと今まで何が出てたっけ弘」

 「そうだな〜、本格的紅茶店、コーヒーショップ、アフタヌーンティってところかな」

 「そうね〜、井上さんは他に何か入れたい物ある?」

と里美はサトイモのフレンチフライを口にしながらつぶやいた。

 「・・・・・・、私は・・・・・、フレッシュジュースなんかが・・・・、良いと思う・・・」

 

 「そうだな〜、ジュースか〜、桜井さんクッキーとも合う?」

 「そうね〜、あんまり訳のわかんない南国系のフルーツじゃなきゃ合うと思うよ〜」

と冷静派である僕と桜井さんは井上さんが出した意見を検討していた。

 「よ〜しそれならこれも入れてOKだよな?弘?」

 「・・・ああ。」

と僕は、会議はもとよりなぜかこれも新メニューであるヤキイモバーガーなど他に3個も注文していた弘は、まさに食欲の秋を謳歌しており僕の話などあんまり聞いていなかった・・・・

 

 「そう言えば井上さん、前のところでなにかあったの?こんなに落ちこんでそうだけど・・・」

と言う里美の一言で、なぜか文化祭決めではなく新メニュー攻めになっていた僕達のテーブルに突然、変化が訪れた。

 「・・・・・・・」

 「・・・・・・・」

 「・・・・・・・」

と僕達は食べるのをやめた、そして周囲のざわめきが僕には更に大きく聞こえる。だがそこに1名無神経な奴が・・・

 「あ〜、このヤキイモバーガー美味いな〜、翔太も食うか?」

という状態であった。

 

 「・・・・・、それでは・・・・・」

 と井上さんはうつむきながら自分のトレーを持って、去っていってしまった。

 

 「ちょ・・・・、ちょっと井上さん・・・・、待ってよ・・・」

と里美が言ったときにはすでに彼女の姿はジョージ=マックの中には無かった。

 

 

 

第3章に続く