Auturm Breeze

〜プロローグ〜 「悲しみは突然に・・・・」

 

私は、1人の男の子と付き合っている、彼の名前は久保健太。

彼は仲の良い友達からは、クボケンって呼ばれている。

彼は、私が言うのもはずかしいけど、頭脳明晰、スポーツ万能

そしていつも女の子からラブレターをもらうほど女子から人気がある。

私はといえば、成績は彼ほどではないけど学年で20番ぐらい、

スポーツは人並みってところで、

自分で言うのもなんだけどこれといった所は何も無いと思う。

そういえばなんでそんな彼と付き合っているかって?

それは去年の文化祭で、私たちはお互いに実行委員なって

その時に仲良くしたのがきっかけで、バレンタインのとき告白したら、OKをもらって現在に至っている。

そしていつも彼と私は、仲良く2人そろって登下校している。

最近の悩みの種はといえば、学校の女子の冷たい視線だけかな〜。

まあそれも仲の良い良子や広美がフォローしてくれているおかげで表立ったことは何も無いからいいけど・・・・。

 

こんな訳で私は今日もわたしは彼が生徒会の活動を終わらせて

教室に戻るのをぼんやりと窓の外を見ながら待っていた。

季節は6月、窓の外にはしとしとと雨が、私の外の世界をぬらしていた。

 「は〜、もう健太早く来ないかな〜。」

私が独り言をつぶやいていると・・・彼は息を荒立てながら急いだ様子で私の元へとやってきた。

 「悪い悪い、いや〜本当にうちの生徒会の連中は人使い荒くてさ〜、いや〜、本当に遅れてすまん彩花。」

 「も〜本当に健太は人が良いんだから、また何か押しつけられたんでしょ?」

 「・・・うん、まあね、まあ気分落ち着けてよ。お詫びになんかおごるからさ。」

 「それならよろしい。それじゃ〜何にしようかな〜。」

 「おい、彩花あんまり高い物は勘弁してくれよ。今小遣い前であんまり金無いんだから・・・・。」

 「解ってるって、健太の台所事情ぐらい、それなら駅前のジョージ=マックでいいでしょ?」

 「うん、いいけど。」

 「それなら、駅前にジョージ=マックにレッツゴー!!」

と私たちは仲良く手を繋ぎながら駅前にある大手のハンバーガーショップであるジョージ=マックに向かって仲良く歩いていった。

 

そして私たちは帰る方向違かったのでジョージ=マックで軽く食事を取った後そこで別れることとなった。

 「それじゃ〜また明日ね。」

 「うん、また明日ここで。」

と2人はいつものように帰宅の途についた。

 

しかし、その会話が彼と私との最後のに交わした言葉であった。

その後彼は駅から電車を乗って最寄りの駅に着いた後、

しばらく自宅まで歩くのだが、

その途中の交差点の所で信号を待っている途中

雨で視界が悪い上、そしてその状態でスリップして

曲がりきれなかったバイクに接触し、帰らぬ人となった。

私は最初彼の両親から電話をもらったとき、私は何か悪い冗談かと思っていた。

しかし私が病院にいってみると、彼は変わり果てた姿で私の前に姿を現した。

しかし私は、それ以降はあんまり憶えていない。

ただ私は泣いていた。

通夜のときも、

告別式のときも、

そして彼が変わり果てた姿で現れた時も・・・・・。

 

それから私は人と交わるのを避けるようになっていった。

授業中はただ窓の外を眺めていた。

良子や広美は私のことを気遣ってくれて色々としてくれた。

でも私は人と口を聞かなかった。

いや、それは違うと思う。

聞かなかったんじゃない。

聞けなかったのだ。

人と話すことが、人と交わることが・・・・・

出来なかったのだ・・・。

 

そして私はその夏、この街から姿を消した。

理由は、父親の転勤だった。

私はこの街を後にするとき1つの決意をしていた。

もう人と交わらないし関わりもしないと・・・・・。

そうでないと、また別れがきたら悲しいから。

そしてつらいから・・・・・。

こうして私は新たな街へと降り立った。

 

 

             第1章へ続く