街並み写真館木曽街道の巻 (その1)
中仙道の塩尻〜中津川の間は木曽街道と呼ばれ、全国的に有名な道です。現在は
JR中央西線と国道19号線が狭い谷あいを縫うように走ります。特にJR中央西線は
宿場ごとに駅が設けられたケースが多く、当時の宿場を踏襲しているようで誠に風情
があります。
東海道などは近代は日本の発展地になってしまったので、当時の名残はあまり多く
ありませんが、その点木曽は幸運にも古き時代の佇まいがよく残り、国際化の時代に
日本伝統の美を世界に発信し続けています。
というわけで、木曽の街並みを北から見てゆくことにしましょう。
中央西線では塩尻の次は洗馬(せば)です。洗馬は広重の木曽海道(街道ではない)六十九次の中でも特に名高い作品ですが、宿場が描かれ
てはおらず、川で棹をさしながら舟を進めるという絵です。現在も駅の周辺の宿場跡には特に当時の名残は見当たりません。というわけで一つ
南の本山宿です。多分洗馬の次の日出塩駅が最寄でしょう。ここはあまり観光色はなく、道路もやたら広いですから案外新しい街なのかも。
日出塩の次は贄川(にえかわ)で、国道19号線沿いに風情のある駅舎があります。無料のPもデカイので、クルマ利用で中央西線のチョイ乗り
も楽しめます。肝心の街並みは昔の火災で今は面影もありません。写真は贄川駅から国道19号線を北に戻って行くと、左に旧街道と思しき通りが
あり、そこを写したもの。本来の街並みは贄川駅の南側に関所資料館みたいな施設があり、そこから左に入るのです。中央西線の旧線のトンネル
なども見られます。さて、贄川から南の平沢方面に国道19号線を8〜10分歩くと、右側にトラックが沢山休んでいるドライブインがあります。昔は
こういう店が沢山ありましたが、今では実に希少です。これは食堂SSという店で「食事のデパート」というのがキャッチフレーズらしいです。入って
みると、たしかにメニューが豊富でビックリする安さでした。肉丼とラーメンを頼みましたが量も多くて平らげるのに苦労しました。味は肉丼は中華丼
みたいな感じで、ラーメンは塩ラーメンふうでごく平凡でした。木曽らしく、ざるそばなどもメニューにありました。
お次は木曽平沢ですが、異様に思えるのは大田区の町工場地帯と同じような工業地帯のようですココは。製品は漆器で、それこそ沢山の漆器
屋さんがひしめいていました。この街は駅の周辺で、鉄道利用の散策がムダがありません。クルマの場合は街の南側のはずれの橋を渡った対
岸に大きな無料のPがあり、そこを利用するのが無難です。また、駅の周辺は狭いです。この街並みでは家が通りに対して斜めに向いている場
所が結構沢山あり、不思議でした。地域に根付いた地場産業があって、実にうらやましいです。
交通至便な街並みといえば、この奈良井が一番でしょう。駅舎はこのタイプは中央西線には多く、洗馬、贄川、宮ノ越も同じでしょう。街並みは
地元のクルマも通行するので、駐車車両が撮影のジャマになることもありますが、地元の方には生活があるので地元優先としましょう。建物の
軒の雨といが少々目障りです。高山の街でもそうでした。あちらは雪が多いでしょうから仕方ないですが。こんな第一級の観光地にも特急列車
は停車しないというのですからJRはどうかしてます。駅から街並みを通り抜け、鳥居峠を越えると薮原に達します。ハイキングコースになってい
ます。
鳥居峠を越えると薮原に達します。薮原の特徴は、ごく普通の商店が多く近辺の中心地になっているようです。街並みは駅から割合近く、散策
しやすいです。薮原の地場産品にお六櫛が挙げられますが、専門の工房もあり直売もしています。私は外国旅行の際の土産ものとして持って
行き、大変喜ばれました。ガサばらないのがいいですが、お値段が張るのが少しイタイところ。他には胃腸薬の百草の工場などもあり、結構デ
カイ街です。観光色は薄いですが、ここからクルマでは野麦峠や上高地に達する道路があります。
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