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液式鉛蓄電池の劣化判断



蓄電池は、使用中環境ストレス(温度、振動、衝撃)と機能ストレス(充電電圧、充電電
流、放電の頻度など)を受けて劣化が進行します。

従って、信頼性を生命とする据置蓄電池では、日常点検の励行は勿論、蓄電池の経
年劣化の状態を良く把握し、寿命前に更新を確実に行うことが重要です。
液式据置鉛蓄電池の主な劣化原因は、

1.正極格子(クラッド式では心金)の腐食→アンチモンが負極板に析出→水素過電圧
の低下→充電電流の増加→正極格子の腐食増大→容量低下

2.正極格子(クラッド式では心金)の腐食→アンチモンが負極板に析出→自己放電量
増加→電圧・比重低下→容量低下です。
劣化が進みますと、次のような現象が現れます。

1.正極板の伸びとそれに伴う現象
蓄電池は、正極格子の腐食に伴い伸びが生じます。この格子の伸びに伴い、電槽
ふたの正極側が盛り上がる現象を生じます。
2.極板の湾曲

次のような場合に、極板の湾曲が発生します。

(1) 長期間使用し、寿命期に達した場合。
(2) 過充電(浮動充電電圧が高い等)した場合。
(3) 充電不足気味(浮動充電電圧が低い、
均等充電がされていない等)のまま長期間使用された場合。
(4) 過放電した場合。

極板の湾曲は、寿命期に達している場合とか、使用状態に異常があった場合に発
生しますので、蓄電池の更新が必要となります。

3.電圧と比重のバラツキ
負極板へのアンチモンの析出量の程度により、自己放電量が異なるため、浮動充
電時の蓄電池端子電圧や電解液比重にバラツキを生じます。