.    '03年10月16日

   .

風の伯爵夫人

 この雲は「吊(つる)し雲」と名付けられています。
イタリアのシシリーでは【風の伯爵夫人】と呼ぶとか。(尾崎喜八著「山の絵本」、串田孫一著「若き日の山」)
 湿った風が高い山(ここでは北アルプス)にぶつかり山頂を超えた後、風下側に波打つように上下流を
くり返すことで発生します。独立峰の富士山などでは、この吊り雲やよく似た笠雲が見られますが、ここ安曇野では見る機会の少ない現象です。 
 天気が下り坂になる前兆といわれるとおり、翌日
は風と雨で大荒れの一日でした。これからは澄んだ秋空に鱗(うろこ)雲、鰯(いわし)雲、鯖(さば)雲あるいは羊(ひつじ)雲といった巻積雲や高積雲が見られることでしょう。



安曇野の空にあらわれた 伯爵夫人(コンテッサ) 10月12日

   .

目が点

 キリギリスの仲間のヤブキリ。 一見可愛らしい顔つきながら、目つきは尋常でないというか、危なさを感じさせるというか… 強靭な顎(あご)で、セミや時にはカエルまで捕食するという つわもの!  捕まえようとして、指を噛まれないよう、ご注意を。
また、同じキリギリスの仲間のクビキリギスは、噛みついたら最後、首が切れるまで離さないことから 〔クビ
キリ ギス〕の名があるとか。冗談にならない痛さらしいので、気をつけましょう。
 晩秋となり、多くの昆虫が、その短い一生を終えようとしています。 それは同時に、肉食のキリギリス類にとってはエサがなくなることであり、彼らの死を意味しています。 



  「じーぃー・・・」 (見つめられると、ちょっと怖いなぁ)

   .

キノコ 不作

 ありませんっ!(キッパリ!) キノコの姿はどこにも。「毒キノコもありゃしない」 と感心(?)していたら… 
毒キノコはありました。写真はニガクリタケ。よく知られた毒キノコですが、それでも時々中毒例が報告されます。そうとう苦(にが)いはずなのですが、どんな味覚と、どんな勇気をもって食べるのでしょうか。 たしかに見かけはクリタケ、ナラタケ、ナラタケモドキ、エノキタケ等に似てはいますが…
 園内に多いショウゲンジやイグチ類もすでに終わり
いまはヤナギに多いヌメリスギタケモドキがちらほら。 これからはせいぜいクリタケ、エノキタケが出てキノコはおしまいっ! 今年もどうやら来園者のキノコ中毒はなかったようで、よかった、よかった