春まで このまま 越冬中のコムラサキの幼虫です。 10種ほどのヤナギ(オノエヤナギ、オオバヤナギ、コゴメヤナギ、バッコヤナギ、イヌコリヤナギ、ドロノキetc)が繁茂するため、コムラサキは棲息数が多い蝶のひとつ。 「なぜ多いの?」…ヤナギの葉は幼虫のえさ(食樹)であり、樹液は成虫の蜜源だからです。 越冬場所はヤナギ。 枝のつけ根や樹皮のひだの間などです。 地中や落ち葉の中など、もう少し暖かいところで、ぬくぬくと過ごせばよさそうなものですが、こんな吹きさらしの寒風の中、風雪に耐えて木から降りずに越冬します。木に溶け込むような保護色。鳥の餌食とならぬよう、神様は見事な造型をされたのですが、同時に厳しい試練も与えたようです。
空き家 しかし・・・ クリの小枝についているヤママユガ科の蛾、【ウスタビガ】の繭(まゆ)。 右下のツブツブは、その卵です。 落葉後も目立たなかった繭は、今、雪景色のなか、ポツンとそのありかを知らせています。 しかし、卵にと っては【ゆりかご】の この繭は、すでに抜け殻。 晩秋に羽化した成虫は、短い一生を飲まず食わずで過ごします。そしてあわただしく交尾し、樹木や自分が棲んでいた繭に卵を産みつけて、 駆け抜けるように、その生涯を終えます。 蝶と違い、蛾というと毛嫌いされる方が多いのですが こんなはかない人生(蛾生?)を思うとき、華やかに永く生きて人からも大切にされる蝶と比べて、なんと不憫な身の上であることか…
\(^0^)/ これは【サンショウ】。 この時期、樹木を観察すると思わぬ発見があります。 冬芽(花や葉になる芽)や葉痕(葉の落ちたあと)は、とってもユニーク。 たとえばこのサンショウ、万歳(ばんざい)しているように見えませんか? これを我々業界(?)では…【万歳山椒(バンザイ サンショウ)】と言います。 感性と創造力と若干の妄想があれば、他にもこんなふうに見えます⇒ニセアカシア→コウモリ、キハダ→シラノド・ベルジュラック、クズ→ナマケモノ、イタヤカエデ→月光仮面、 オニグルミ→ヤギ、ニセアカシア→デビルマン、ニワトコ→お地蔵さん … さあ、あなたも冬の野山で、右脳を鍛えてみませんか!? 出典:菱山忠三郎著「樹木の冬芽図鑑」