.    '04年3月15日

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番外編(園地外情報)

 写真はカナダヅル。 シベリア東北部から北アメリカの一部で繁殖し、日本ではごく稀に見る冬鳥です。 長野県では初めての確認。 珍しいもの見たさの人間心理か、普段 野鳥に興味のない人々も、一羽しかいない この鳥を見ようと、大勢つめかけました。
  ここは、当園地から車で15分の犀川【白鳥湖】。 毎年シベリアから飛来する1000羽近いコハクチョウが、春の北帰行までの間 〔冬の使者〕 として特別待遇(餌付け)を受け、大切に見守られています。
  一方、希少であったり見栄えのする、これら大型野鳥よりも、ごく普通に見られるジョウビタキ・カシラ
ダカ・アトリ・マヒワ
といった、体長わずか十数cmの小鳥が、ハクチョウと同様 大陸(シベリア他)と日本
を行き来することに、より以上の感動と驚異を覚え
てしまうのは、判官贔屓(ほうがんびいき)でしょうか。
(追記)4月16日、ようやく重い腰をあげて、旅立ちました。



そろそろ極寒の国に帰らねば…。 大丈夫? ひとりで帰れる?


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害虫…?

 写真はノイバラの枝に職人技で産みつけたオビカレハという蛾の越冬卵。 バラ科、特にサクラやウメの葉を食べるため、人間からうとまれ嫌われる【害虫】です。たしかに、幼虫は樹を丸裸にするほどの大食漢(といっても数が多いから)ですが、成虫になれば、何も食べずに繁殖するだけで終る生涯。 野鳥の格好のエサとなる幼虫(毛虫)の毛は柔らかく、触っても刺しません。 こんな不憫な虫が嫌われるのは あまりの大集団になることと、人間のだぁ〜い好きなサクラやウメに害を与えるからなんでしょうネ。
 他にも、昆虫好きには結構人気のあるコスカシバ(幼虫)や、子供が喜ぶコガネムシ(成虫)もサクラに
とって(というか人間にとって)は、憎っくき害虫! ということになるのですが…。



マッチ棒と比較すると、こんなに小さい。でも、よ〜く見ると…

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水温む

 園内の雪もすっかり消えて、残りはほんのわずか。雪融けの水が流れる烏川、カワガラスが川面を行き来し、さかんに水中に潜ってはエサを捕っています。  岸辺ではミソサザイが、その小さな体からは想像できない声量ある鳴声を響かせて飛び回っています。
 ネコヤナギはすでに満開。イヌコリヤナギオノエヤナギのつぼみも、ぷっくりと膨らんできたところをみると、どうやら春になったことを確信したようです。
 この時期、園内は多くのサルが日中を過ごしたり、群れが移動する際の通過場所となっています。エサを与えることは人間との共存関係を崩し、結果的に彼らを管理(=捕殺)することにつながります。餌付けしないことが彼らを守ること。 併せて、あちこちにころがっている糞に、ご注意を!