.    '04年8月16日

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文月(ふみづき:旧暦七月)一日 の空

 8月16日は、旧暦七月朔日(ついたち)。 文月の語源は、七夕に詩歌を書いて贈ったことから文披月(ふみひらきづき)→文月 になったという説や、書物の虫干しをする中国の行事から 「文開く月」とする説などがあります。 暑くて「ボ〜ぉ」っとしていた脳みそが、活字を欲する時期なのでしょうか。 見上げれば秋の空には鱗雲。 烏川や小野沢の瀬音をB.
G.Mに、木陰での読書にうってつけの季節。
 暑さが峠を越す[処暑](文月8日:新暦8月23日)や秋の気配を感ずる[白露](文月23日:新暦9月7日)も、間もなく。  これから園内は、秋の装いが日ごとに深まっていきます。





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早乙女花(さおとめばな)

 サオトメバナ…なんとも清々しく、たおやかな名前。 ところが、これはあくまでも別名(ニックネーム)。標準和名は… ヘクソカズラ(屁糞蔓)(゚ _゚;) ん〜ン 気の毒というか、傍若無人なネーミング! 葉や茎をもむと発する 臭いから名付けられたとのこと。同じようにカバノキ科の樹木にヨグソミネバリ(夜糞峰榛)(別名はアズサミズメ) があります。葉や小枝の切り口はサロメチール臭(湿布薬)の匂いがして、悪臭というより 清涼感を感ずる人のほうが多いのですが、古の人(奈良時代に命名)には悪臭だったのでしょうか。開花時期が2,3週間早い今年、今が旬は… オトコエシ・キオン・ミヤマママコナ・ノアザミ・ゴマナ・イヌゴマ・キツリフネ・キンミズヒキ・ボタンヅル・クズ・イタドリ・ヌスビトハギ・ コマツナギ・コウゾリナ・アカソ etc。





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生と死と…

 上はタヌキの頭骨。 下はカルガモの卵(の殻)。
タヌキは昨年、交通事故であえない最後をとげたものを、自然の力を借りて(=放置して)骨格標本に。
 カルガモは、8個産まれた卵のうち孵ったのは3羽。孵らなかった卵の中身を取り出し、殻を整形して標本の出来上がり。 野鳥観察では、子育て中の巣を興味本位で覗くことはタブー!   子育ての終わった古巣に整形した卵をのせ、巣の様子を再現してみました。  他にオオルリヒヨドリの巣も展示しています。 オオルリの巣は苔(こけ)だけで作った自然素材100%のもの。 一方、ヒヨドリの巣は、木の枝や樹皮の他にビニールテープやナイロンの 切れ端を使ったパッチワーク(つぎはぎ細工)。 両者の人間との関わり方の違いがわかります。
 この他、サルの骨・冷凍保存の野鳥・ヘビの抜け殻・昆虫標本等をレクチャールームでご覧ください。