.    '04年11月8日

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キノコのブーケ

 「これは、ナンでしょうか?」と窓口に持ち込まれたキノコ。 「おぉ、これはクリタケですよ。イイものを見つけられましたねぇ」とお答えすると「えぇ〜っ! クリタケですかぁ(¬.¬;)? 」と、ちょっと納得できないようす。
確かに普通のクリタケを見慣れた方には 異様な大きさ。 しかし、条件が良ければ こんなに大きくなり時にはマツタケほどのビッグサイズになります。
 今年 園内はキノコの当たり年。イグチ類をはじめ地元ではコムソウと呼ばれるショウゲンジやクリタケと同じモエギタケ科の仲間 (ヌメリスギタケモドキ・サケツバタケ)や、 キノコシーズンの終わりを飾る エノキタケも大量に発生しました。 しかし、なかにはナラタケのように、樹木を枯らすならたけ病の原因となるものもあり、収穫を喜んでばかりもいられません。





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いい匂い

 メタリックに輝くアオクチブトカメムシ。光線の当たり具合によっては、金粉をまぶしたようなライト・グリーンに輝きます。アカスジキンカメムシルリクチブトカメムシなども同じようにメタリックなボディが魅力的。
その一方で、同じ半翅目の昆虫(アブラムシ・カイガラムシ)同様、樹木の幹や枝あるいは果実の液を吸収し加害する【吸汁性害虫】でもあります。
 カメムシの緊急避難の際に発する臭いとソックリなのが、ハーブ・スパイスとして有名なコリアンダー。タイ料理ではパクチー、中国料理では香草(シェンツァイ)として欠くことのできないハーブです。 カメムシ嫌いには信じられない(信じたくない)ことでしょうが、世の中には、カメムシをみつけると つまんで口に入れたい衝動に駆られる人がいるらしい… とか。





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紅葉・黄葉・褐葉

 落葉広葉樹もすっかり紅葉(黄葉・褐葉)し、多くは落葉の真っ盛り。 紅葉はアントシアンの一種のクリサンテミンの形成により、黄葉はカロチノイドの一種のキサントフィルの発現により、褐葉はフェノールの一種のフロバフェンの生成により それぞれおこります。
 落葉広葉樹は、葉を落として 冬期間休眠することにより、常緑広葉樹よりも 寒冷地に適応しています。 落葉することは樹木の合理性の結果です。秋になると、葉の中のミネラルの多くを茎に回収してから離層(りそう)という細胞組織をつくり、酵素の分解により葉を落とします。落ちた傷跡にはコルク層を形成して病原菌や腐朽菌の侵入をシャットアウト。
何気ない落葉にも巧妙な仕組みがあるんですねぇ。
参考:堀 大才 著『樹木の診断と手当て』農文協