.    '05年7月26日

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清流に棲む

「フィーフィヨフィヨヨヨ・・・♪」 涼やかな鳴声を頼りに草の陰から覗いてみると … いました いましたっ! カジカガエルですっ! 古来より人を魅了し和歌にも詠まれたこの美声は、もちろん人間を楽しませるためにではなく、オスがメスを誘う鳴声。 残念ながら人々が川遊びに興じている日中は、めったに鳴きません。 人影が少ない頃に鳴くこのカエルと、その音(ね)を愛しむ人には、朝夕の静寂が似合います。
 ところで… たまに来園者の方から 「カジカガエル?
… カジカ? …魚が鳴くんですかぁ?」 という、 とっても本質的な質問をうけることがあります。 言うまでもなく魚のカジカはカエルではありません。 すっかり少なくなってしまったカジカカジカガエル。 嬉しいことにどちらも、園内の川で(運がよければ)会えるかも…。



         草の間から そっと覗くと…


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変わってるなぁ

 まるで動物のカモノハシと野鳥のミミズクを、足して2で割ったような顔つきのこの虫の名は… ミミズク! すっかり木に溶けこんでいる 体長15ミリほどのこの小さな昆虫は、セミやカメムシの仲間(半翅目)です。 耳のように見えるのは背中(前胸背という)にある単なる突起。正面から見ると その突起が耳のように見えて鳥のミミズクを連想させることからの命名とのこと。
 同じ半翅目にはツノゼミという姿がよく似た昆虫もいます。 これらの形態を見ると、どんな意図や意味があって、 自然はこのような姿を造形したのだろうかと、しみじみ考えさせられてしまいます。
 ちなみに、鳥のミミズクも耳のように見えるのは「羽角(うかく)」と呼ばれる羽。 こちらの役割も、わかっていないようです。





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アスファルトを突き破り…

 舗装した園路を押上げ ・突き破り、キノコ出現! 驚異のキノコの正体はササクレヒトヨタケ。 ごく稀に、このように コンクリートやアスファルトをつき抜けて発生することがあります。ひ弱さの代表のようなキノコ(=子実体)。 どこに こんなパワーがあるんでしょう。 写真左は発生した直後。右はそれから2日後の状態… シャッターチャンスと食べる時期を逃しました。
じつはこのキノコ、見かけは不気味なわりに美味しいんです。 もっとも簡単な調理法…油で炒めてみると… いけますっ! 滑らかな食感とシャキッとした歯触りは絶品です。 しかし、採るタイミングが大切。 遅れれば、ドロドロと真っ黒に溶け悪臭を放ちます。 なお、よく似たヒトヨタケにはご注意! 飲酒の前後(数日前から)に食べると中毒をおこします。