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癒(いや)されない傷跡
園内森林エリアでときどき見かける、周囲に傷がついたコナラ。来園者のなかには 「キツツキがくるっと木を一周してエサとなる虫を採ったんでしょぉ」と、突飛な発想される方もおられます。
…が、それは(キツツキにとっては)とんでもない ぬれぎぬ。じつはシロスジカミキリ というカミキリムシが産卵して、その傷跡から侵入した腐朽菌によりこのような姿になったのです。
膨れ上がったところを輪切りにしてみると… 腐朽した個所を覆い隠しながらも成長しています。腐ったところは耐久性が弱くなるために、「このままではマズイッ!」 と危機を察した木が、その部分を太らせ補強した結果がこれ。
しかし、いったん腐朽した細胞は二度ともとに戻ることはありません。傷が再生(治癒)する動物との大きな違いです。
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年輪を数えると、被害(産卵)に遭ったのは 5年ほど前
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