.    '06年9月10日

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里山の動物(9月3日実施)

 からすの学校・第12回は、吉田利男先生による「里山の動物」。 午前は森林エリア ・森の家での講義、午後は園内を散策しながら、このあたりに棲む動物についてのあれこれをうかがいました。 実際に見ることができた動物はいませんでしたが、むしろ それが本来の野生の姿。 平気で人前に出てくるサルなどを、不自然に思ったり 問題視すべきなのでしょう。 ただし、動物が棲息している証(あかし)はあちこちにありました。〔…クマの爪跡やクマ棚、リスの食痕、キツネやカモシカ、ノウサギの糞 などなど〕
 開園以来これまでに確認できた哺乳動物は … ニホンザル、カモシカ、キツネ、タヌキ、テン、イタチ、
オコジョ、ノウサギ、ホンドリス、イノシシ、ツキノワグマ、ヤマネ、ムササビ、ヒミズ、アカネズミ、モグラ
など。 







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虫時雨(むししぐれ)

 写真はスズムシ。 メスを呼び寄せるためにオスだけが鳴きます。もっとも、鳴くといっても、右翅のヤスリ状のものと 左翅の硬いツメ状のものをこすりあわせて出している音。 文字通り、体をはってのラブ ・コールです。 この時期に鳴く虫の音を「虫しぐれ」と、雅(みやび)に表現します。 夏の「蝉しぐれ」は、賑やかななかにも、最後の力をふり絞り、わずかな日々を生きようとするセミの悲壮感が漂います。 一方「虫しぐれ」は 静けさのなか、尽きることのない鳴き声に悠久の時を思い、同時に小さな虫の力強さを感じます。 ツヅレサセコオロギカンタンの繊細さ、ウマオイエンマコオロギ (烏川下流には県内では分布の限られる エゾエンマコオロギも棲息)の気だるさ。 秋の夜長、それらを聞きながら、闇のなかで盛んに翅を震わせている彼らの姿を思い描くうちに、やがてウトウトしてしまい
… 目覚めると、まさに 「邯鄲(かんたん)夢の枕」



   「リーン」と一回鳴くために40回以上も翅を震わすとか


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晩夏・初秋の花

 写真はミヤマウズラ。木漏れ日がわずかに射し込む薄暗い林のなか、うっすらとした色合いのこの花が目を引きます。ときには、ほとんど林床に陽が射さないスギ林のなかに群生しているものを見かけます。 よほど効率的に光合成ができる葉を持っているのでしょうか、それとも違う光の波長を使うのでしょうか。… ちなみに、ミヤマウズラの「ウズラ」とは鳥の「鶉 (ウズラ)」のこと。 葉の斑(ふ)が、ウズラの羽模様に似ているというのが名前の由来。 ひょっとして、この特徴的な葉の模様に日陰に堪える秘密があるのだろうか?
 このほかに、今が旬の花は … ハンゴンソウ、ミゾソバ、タニソバ、アキノウナギツカミ、ナンブアザミ、ユウガギク、ノコンギク、ゴマナ、コウゾリナ、 ナガミノツルキケマン、ヨツバハギ、ゲンノショウコ、ミズヒキ、キンミズヒキ、キツリフネ、イワアカバナ、ミヤマママコナ etc