.    '06年9月22日

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標本づくり

 人目を忍んで、やぶの中でゴソゴソと何をしているかというと… ツキノワグマの頭骨標本づくり! 来春のレクチャー ・ルームの教材にすべく、 黙々と作業に励んでいます。 作成方法は… 金網製のゴミ籠に入れて、そのまま野外に放置。 あとは自然の力(小動物や微生物)に頼るという他力本願にして極めてエコなやり方です。 以前、同じ方法でタヌキの骨格標本を作ったところ、小さな骨が散逸してしまい、集めるのに苦労しました。 その経験と反省を活かして今回はちょいと工夫を。  なお、このクマ(雄9歳)は、養魚場に被害を与えたため、やむなく大町市が駆除(個体数調整)したもの。 このたび、それを保管していた長野県環境保全研究所から提供していただきました。できうる限り、彼が生きていた背景に思いが及ぶ展示にしたいと考えています。 (他の骨格標本の話題は⇒こちら)




         小さな虫の力を借りて…


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タカ柱(※) の空…

 数時間前、この空にはタカ柱が立っていたのです。
… って、説得力ないなぁ (〃⌒ー⌒〃)
9月21日13時からの1時間ほど、園内の上空を確認できただけでも数百羽のタカ(多くはサシバハチ クマ)が、渡って行ったのです。 目指すはおそらく白樺峠。そこはタカ渡りの観察者(ホークウォッチャー)のメッカです。 ところで、その時の写真がなぜないのかというと… あまりの高々度を飛行していたため、手元の非力なカメラでの撮影をあきらめたからです。
 しかし、これは皆さんに報告せねばと思い直して2時間経ったその空を撮影。 このような虚しさと秋の寂寥感漂う写真になってしまいました。  「信州ワシタカ類渡り調査研究グループ」提供の速報 によると この日、白樺峠では5000羽以上が渡ったとのこと。きっと、その多くが、この空を通過したのでしょう。




      (※) タカ柱 : 上昇気流(⇒サーマル))にのって、 旋回上昇するタカの群れが、まるで蚊柱のように見えること。
         この日、安曇野の空を飛翔してきたタカが、隣接する山上に発生した上昇気流に集まったのでしょう


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秋の予感

 写真左はマツブサ、右はヌメリスギタケモドキ。 秋の到来を実感させる木の実とキノコです。マツブサはマツブサ科マツブサ属のつる性の樹。同属のチョウセンゴミシとともに、果実酒として知る人ぞ知る秋の恵みです。 ヤマブドウに似た果実は松脂の匂いがするため生食を敬遠される方もおられますが、山道で疲れた身体には なかなか乙なもの。 ただし、(園内では)サルも大好物。人間が、今か今かと適期を待ち 「さて、機は熟したり」といそいそと樹を訪れてみると、すでにサルが食べ散らかした後…
 一方、ヌメリスギタケモドキは、別名のヤナギモタセあるいはヤナギキノコ の名のとおり、ヤナギが多い当園地とは縁の深いキノコです。 地温が下がってきたこれからは、種々のキノコ(菌類)の花(子実体)が咲
く時期。そんなきのこシーズンを控えて、今回のからすの学校【きのこ について】です。