.    '06年10月5日

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ササ刈り作業(9月30日実施)

 公園を管理している 安曇野建設事務所と烏川渓谷緑地市民会議主催による、森林エリアのササ刈り作業がおこなわれました。 一面に繁茂したシナノザサを、ナタ鎌を使って刈り取るのは骨の折れる作業です。 しかし、20名以上の参加者のお陰で、見違えるほど素敵な場所になりました。
 作業の後、当WEB管理者が〔樹木のあれこれ〕について講話をさせていただきました。  樹に対する無理解や人間の勝手な思い込みが、時として樹木に悪影響を与えます。 とくにお伝えしたかったのは 〔樹形にはすべて意味がある〕ということ。枝一本にも意味があります。【樹が枝を枯らさない】うちは、その枝はその樹にとって必要なの です。 そんな枝を切る剪定や枝打ちは、実はとてもシビアな技術と知識を必要とするものであることを お話させていただきました。






       拙(つたな)い話しで、失礼しました


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↑そんな願いも虚しく… (旬情報 番外編)

 上記記載の願いも虚しく、樹木に対する人間の不埒な振舞いの結果がこれ。樹木の生理や樹病学の理解がないまま剪定した結果、無残な姿とな ったスズカケノキイチョウです。
 場所は松本市内の公共施設横の街路樹。 文化施設の横だけに、余計寒々しい思いがします。 一見よくある風景 「樹もさっぱりしたようで、別に問題ないんじゃない?」 と考えがちですが… 明らかに本来の樹形ではありません。 人間が創り出した異形(いぎょう)の樹木です。 丸く膨らんでいるのは、同
じ個所で繰り返し剪定したことによる組織の異常な発達の結果です(幸か不幸か、病菌には強い)。
 街路樹や人工林にありがちな「人間が植えたのだから人間が面倒をみなければならない」という論理は「人間の勝手にしてよい」とは違うはずなのですが…



 瘤(こぶ)を切ると腐朽するため、もはや元には戻せません


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虎の威を借る…

  なにやら 白い ふわふわしたもので覆われた虫が、盛んに クマノミズキの葉を食べています。 その正体は… アゲハモドキの幼虫です。 そっと触れてみると体に付いているロウ状のものが いとも簡単に取れてしまい、あわてて手を引っ込めたのでした。
 〔アゲハ(チョウ)もどき〕の名のとおり、成虫はジャコウアゲハに似ていますが、実は蝶ではなく【蛾】です。  体に有毒成分を持つジャコウアゲハに擬態 (ベーツ擬態)して捕食者である野鳥から逃れるとのこと。 その平和的危機回避方法に感心してしまいます。
ただ気がかりは、肝心のジャコウアゲハをこの周辺で見ていないこと。このアゲハモドキのために、願わくば彼(彼女?)と出会う全ての野鳥が、かつてジャコウアゲハで散々な目に遭ったことがあるか、 または、痛い目に遭った鳥の知り合いでありますように…




     写真にポイントすると成虫が見られます〕