.    '06年11月21日

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老婦人の夏

 ひょっとして、写真に心当たりのある方、 いらっしゃいます? その方がご覧になって… 「老婦人の夏? ‘老’ってなによっ(`ヘ´)などと思われませんように。
 立冬を過ぎて、冬の到来を覚悟させる寒い毎日。 その合間に、まるで春のような陽射しがふりそそぐ日、それが 小春日和(こはるびより)。ドイツでは「老婦人の夏」、アメリカでは「インディアンサマー」 と呼ぶとか。  方や春、方や夏、この違いは気候的な違い、それとも文化や季節感の違いからくるのでしょうか。
 寒い日が続き、来園される方もすっかり減ってしまいましたが、散策を楽しめる時間はまだまだ残されています。 たまの小春日和には、凍てつく冬を迎えるまえの当園地をお訪ねいただき、ゆったりとした時間をお過ごしください。(一部立入規制してはいますが) この時期、森林エリアがお奨めです。



 (しつこいようですが…)写真とタイトルとは無関係です!


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野鳥観察会

 NHK文化センターの講座「信州文化鳥類学」が、園内で実施されました。 講師が手に持って説明している鳥は…コマドリ。 じつはこのコマドリ、皆さんが到着する2時間ほどまえに、事務所の窓の下で死んでいるのを見つけました。   その時はまだ温もりがあり、瞳にも輝きが残っていました。 「ひょっとすると生き返るんじゃないかな」との思いから保温して様子を見守ったのですが残念ながら息を吹き返しませんでした。
 死因は窓ガラスへの衝突と思われます。脳震盪を起こしてのショック死あるいは体温低下により落命したのでしょう。 以前にも同様のことがあったため、近くの窓ガラスには野鳥衝突防止ステッカーを貼ってあったのですが、不幸にも衝突したガラスにはありませんでした。 可哀想なことでしたが、この時期、このあたりを通過したという貴重なデータを 得られたことと、熱心な愛鳥家の皆さんの教材となったことが救いです。 



  長逗留し過ぎた夏山。今頃こんな所にいるなんて…


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北アルプス 朝月夜(あさづくよ)

 朝月夜(あさづくよ)は秋の季語。これからは、寒月(かんげつ) ・月氷る(つきこおる) ・月冴ゆる(つきさゆる) など、冬の季語が相応しい時期になります。
 この秋は、このようにすっきりとした青空の日が少ないようです。 今夏の豪雨で園路の一部が流失してしまったこともあり、 気象や環境が変わりつつあることを思い知らされた気がします。 しかし、一方で「地球の悠久の時の流れの中では、微々たる変化なのかな」 …などと開き直ると、わずかの間に温暖化や環境悪化を引き起こした人類の一人として、 野生動植物に叱られそうです。
 北アルプス常念岳や蝶ヶ岳は、上のほうから徐々に白くなってきました。もはや来春まで、その地肌を現すことはないでしょう。 冬寒の日が続くこのごろ。 本格的な雪化粧は、まもなくです。



   左から、常念岳・横通岳・東天井岳・大天井岳