.    '08年3月3日

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暖かくなぁれ

 水辺エリアと森林エリアに分かれた当園地。 両エ リアは一般道を使って車で15分ほど離れています。
写真は、その連絡道路の途上で見かけたタヌキ
車で近づいても逃げようとしないので、 「おやぁ? どうしたのかな?」 と見ていると…  トコトコと歩き出した様子が何かヘン。 腰の動きが定まらず、おぼつかない足取りです。
病気? それとも交通事故に遭ったのでしょうか。
 保護すべきか迷いながら近づいたところ、そこはさすがに野生動物… 一瞬、威嚇の行動を見せた後、残った力を振り絞るように、山道に逃げ込みました。 警戒するように時々こちらを振り返りながら、トボトボと歩き去った丸い後姿。 なんとか生き延びられるでしょうか。 交通事故での一時的な意識混濁ならば良いのですが… そんな願いとは裏腹に、その夜の寒さは一段と厳しいものでした。



 この時期、傷ついた野生動物が生き残ることは難しい


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足元注意

 3月、厳寒期を過ぎたこの頃。日中に融けた雪が夜間の冷えで凍りつき、場所によってはスケートリンク状態になっています。  また、管理棟横の駐車場以外は除雪してありません。 車で不用意に乗り入れるとスタックの危険があります。
 あと3週間ほどすれば、大気が温み雪融けが進み ザゼンソウが開花します。 そして それから間もなく、ダンコウバイツノハシバミ、 ヤナギ、ヤマハンノキ、キブシなどの樹の花が、あるいは、キクザキイチゲセリバオウレンなどの野の花が園内で咲くことでしょう。
 それにしても、上記のタヌキは、いま どうしているのだろう。 もうしばらく耐えて、これらの花々に出会えるでしょうか。  ここ数日、園内ではサルの群れが、盛んに雪を掘り起こしてエサ探しの真っ最中。 親の横では、この冬を生き延びた子ザルが、 雪をかきわけ走り回っています。 …やれやれ、よかったよかった。





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からすの学校(3月1日開催)

  からすの学校 ・第22回は、野生動物の話とアニマル ・トラッキング。 長野県環境保全研究所主任研究員の岸元良輔氏に講師をお願いしました。
 午前中は室内で講義。 研究者ならではの調査データや写真を見ながら、わかりやすく解説していただきました。 たとえば、問題となっている動物の頭数推移や、あるいは… 樹の年輪から樹齢がわかるように、クマやシカは歯の年輪から、カモシカは角の年輪から、それぞれ年齢がわかることなど。(なんと、人間の歯にも年輪が刻まれているそうです)
 午後は屋外で野生動物の痕跡探し。 あいにく、午前中に降った雪で消されてしまい、残された足跡はリスやキツネ、サルなどわずかなものでした。
〔蛇足ながら… 講義のなかで、最近完成したばかりの剥製の数々を活用していただきました〕