.    '08年9月7日

   .

イグチ三兄弟

 左からヌメリイグチ、ヤマドリタケモドキ、アカジコウ。 旬を感じさせなくなった野菜と違い、春の山菜と秋のきのこは、巡ってきた季節を実感させます。 なかでもジコボウ(=リコボウ)は、信州では馴染み深いきのこです。 ちなみに、‘ジコボウ’ とは、ハナイグチ、ヌメリイグチ、シロヌメリイグチの信州あるいは山梨県での地方名です。 ハナイグチとシロヌメリイグチは、カラマツと共生する菌根菌。 そのため、カラマツが多い信州や北海道で多く産します。  一方、ヌメリイグチは松と共生する菌ですので、日本中どこにでもあるのですが、信州以外での人気はいまひとつのようです。これって、食文化の 豊かさ? それとも 貧しさ?
 それに比べて、ヤマドリタケモドキとアカジコウは味の良さで、全国で評価されています。 ともかくも、きのこ好きには忙しい日々が到来します。



        いずれも、イグチ科のきのこ


   .

ムシヒキアブ(虫引虻)

 トンボの体液を吸う ムシヒキアブの一種。
ヒトの血を吸うアブ( ウシアブ、アカウシアブ など)や ブヨと違い、人間には無害な虫です。 成虫は昆虫の体液を吸い、幼虫は甲虫の幼虫を捕食します。
ところで、アブとブヨの違いをご存知ですか? たまに「何かわからない虫に刺されたんですが」と窓口を訪れる方がいらっしゃいます。 一瞬、「蜂!?」と、ドキッとするのですが、違う場合はホッとします。
 アブに咬まれると、すぐに強いかゆみがあり、人によっては水ぶくれができることもあります。 一方、ブヨは吸血の際 皮膚を噛み切るため流血しますが、痛みやかゆみはそれほどでもないのが一般的です。 しかし、 翌日以降、患部が腫れあがり、激しいかゆみや発熱症状が一週間からそれ以上続きます。 ブヨはハチとともに、あなどれない小さき生き物です。



    ムシヒキアブのエサは、虫だけなのだが…


   .

蜂の巣は…

  吊橋の橋げたの裏に、キイロスズメチが巣をつくり始めました。気づいた時には、すでに直径15cmほどの大きさ。 この時期、手狭になった巣を離れた引越しバチのようです。 そこで、急遽 除去することに…
方法は、橋上から橋げたの隙間に針金を通して付け根を一気に切断するという、はた目には無謀な手段。 しかし 数十pしか離れていないながらも、間は板で遮られており、蜂は巣に入ったまま落下するため 比較的安全です。  とはいえ、(憤怒とともに)もとあった場所に戻ってくるのは明らか。そそくさと、その場から退散しました。 それから様子をみること3日間。周辺にいなくなったのを確認後、規制を解除しました。
〔右写真は今回のものではなく、以前採取した巣〕



    . 【ハチの巣の除去について】  今シーズン、これまでに、アシナガバチ(キボシアシナガバチ、ムモンホソアシナガバチ など)によって受傷された方がおられます。 この時期、くれぐれも、ご注意ください。   なお、気づいたものは除去しますが 必ずしも徹底はできません。 なによりも、特定の種を根絶させることは、当公園の趣旨に反します。  アシナガバチ、スズメバチの幼虫は肉食であり、恣意的な頭数調整は生態系(食物連鎖)のバランスを崩す危険性があります。
ところで… 成虫の餌は幼虫が分泌する栄養液。 いわば、子どものミルクで親が養われているって、ご存知でした?