.    '08年10月3日

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マツノマダラカミキリ (旬情報 番外編)

 マツ材線虫病 をご存知の方は、「えっ! これが園内にいたの!?」 と驚かれたのではないでしょうか。幸いにも、この個体は園内で採取したものではなく、 県の施設から譲り受けたものです。 行政用語では「松くい虫被害」 と称されるために、このカミキリムシが松を食害するかのように誤解されることがあります。 しかし、松を枯らす直接の原因はマツノザイセンチュウという線虫。 両者の関係と、枯れる要因について下記WEBサイトで平易に解説されています。
  ・森林総合研究所関西支所のHP⇒こちら
 このカミキリムシは日本に昔からいたもの。それがすっかり目の仇にされるようになったのは、アメリカからやってきたマツノザイセンチュウとの関わりが明らかになってからのことです。 それまで、夜行性で知る人も少なかったこの虫が、脅威の昆虫に変身したのでした。



     ♂(オス)         ♀(メス)


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求めるのは、食べられるもの?美味しいもの?

  変身といえば… 数年前までは、美味しくて一度に多量に採れるキノコとして好評だった、写真のスギヒラタケ。 今や、毒キノコに大変身です。
今年はキノコの当たり年らしく 「これ食べられます?」と様々な種類が窓口に持ち込まれます。 そこで…「食べられるか食べられないかよりも、美味しいキノコなのかを聞いてください」 とお答えしています⇒ 〔知識の無さの言い訳 (*´_`*) … というよりも、確信が持てるのは、食べたことのあるものだけですから
 日本にあるキノコは5000種とも8000種ともいわれています。 そのうち、食べても問題ないとされるのは数百種程度。そのなかで、美味しいのは、せいぜい数十種くらいのようです。一方、重篤となる毒キノコは思いのほか少ないのですが、 しかしそれは犠牲者が出て初めて立証されること。思わぬ落とし穴となるキノコが、まだまだあるに違いありません。



写真 : 石川県林業試験場ホームページ「いしかわきのこ
図鑑
」 より、許可を得て引用


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なぜ さかさに とまるんだろう (・。・?

 写真はクロミスジシロエダシャク。 秋深まった園内のあちらこちらでよく見かける蛾です。 数が多いのは幼虫のエサとなる樹(エゴノキ)が多いからでしょうか。
偶然かもしれませんが、見つけた時、このようにさかさになっていることが多いようです。頭に血は… 上らないでしょうが。 なぜ、さかさなのだろう?… ひょっとすると、この姿勢で見るものの意表をつき、 「なんだ こいつっ!?」 と思わせようとしているのでしょうか。
天敵である野鳥は〔目の模様〕を嫌うとか。 こうしていた方が、目らしく見える気がします。 ためしに、写真を上下逆にしてみると〔⇒ 写真にマウス・オン〕
…これでは目にはみえません。また、野鳥は目を狙 って攻撃するとも聞いたことがあります。 仮に、目模様の個所を襲われても、後翅の末端ならば最少限の被害で済みそうです。 昼間飛ぶ蝶や蛾には、それぞれ、なんらかの防衛手段があるようです。



        窓ガラスに はり付いているところ