.    '09年1月10日

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除夜の鐘では大活躍!

 『さあて、お立会い、ご用とお急ぎのない方は、ゆっくりと見ておいで。 遠目山越し笠のうち、ものの文色(あいろ)と理方(りかた)がわからぬ。山寺の鐘、ごうごうと 鳴るといえども、童子来たりて鐘に撞木(しゅもく)を当てざれば、鐘が鳴るやら撞木が鳴るやら、とんとその音色がわからない。…』 【がまの油売り 口上】
 年越しの除夜の鐘を聞きながら、「はて、この撞木になっている木はなんだろう?」と、年の始めから悩まれた方いらっしゃいます?… (-_-)ノ[いない いない] … それでは、悩まれた方にだけお知らせ ⇒ 一般的に撞木にはシュロ(棕櫚)が使われています。 
ヤシ科の植物で、自生するのは暖地ですが、耐寒性が高く信州のような寒冷地でも庭木になっています。南国情緒あふれるこの樹は、しゅろ縄やタワシだけでなく、このような使われ方もされているのでした。





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事故 その1

 近郊の田んぼの中で、ひもにからまって死んでいたオオコノハズク。 エサとなるネズミや昆虫などを捕食しようとしての事故死と思われます。
『ブッ・ポー・ソー(仏法僧)』と鳴くコノハズクに比べてやや大型ですが、それでも全長25cmほどと、 フクロウ類(※)のなかでは小型です。 フクロウは、夜に適応した高性能な眼や、消音飛行を実現する特殊な構造の羽(新幹線のパンタグラフはこれをヒントに開発された)、音源をつきとめられる左右非対称の耳、 捕らえた獲物を逃がさない足の裏の突起[⇒ 写真にマウス・オン] などの特徴があります。その風貌や神秘的な生態から、興味つきない鳥です。
(※)フクロウとミミズク : 耳のように見える羽角うかく…耳ではなく飾り羽 )があるのがミミズク、無いのがフクロウと名付けられますが、例外もあります。



 長野県版レッドデータブック《DD(情報不足)》掲載種


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事故 その2

 列車にはねられて事故死したニホンカモシカ(♂)。
ひかれたのではなく撥ね飛ばされたようで、外観はそれほど傷んでいませんでした。 これまた人間界の犠牲となった彼に報いるためにも、なんらかの形で標本展示を考えています。 なお、カモシカは国の特別天然記念物に指定されており、 その保護は文化財保護法等により厳重になされています。密猟による流通を許さないことから、遺骸の処理 ・所持については厳格な手続きを要します。 ちなみに、どのような手続きが必要かというと…市教育委員会及び鳥獣行政担当課 の立会で死因を特定し、教育委員会を通じて【滅失届】を提出。これは〔市教育委員会→県文化財課→文化庁〕と届け出がなされます。あわせて、地方事務所から【野生鳥獣に関する事実証明書】の交付を受けます。一見煩雑に 思える手続きが、密猟の抑止力の一因になっています。



         白い点々は、降りかかる雪