.    '09年7月13日

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たか子 〜 空へ

 保護していたトビ[命名 鳶(とび) たか子]を放鳥しました。 (生憎、WEB管理人は立会えませんでした)   放した場所は、保護された所(塩尻市)。 放鳥を見届けた方(‘たか子’の命名者であり、当園地に連れてこられた方) にうかがったところ…
「手を離れたとたん、心配していた羽の衰弱もなく、力強く羽ばたいて近くの樹にとまった。やがて、大空に舞いあがり、しばらく旋回してから飛び去った。 まだ幼鳥なので、捕食の仕方がわからずに 戻ってくるかもしれないと、近くにエサを置いておいたが、翌日以降も舞い戻った形跡は無かった」 とのこと。 どうやら、野生を失わずにいたようです。 『ひょっとして、人慣れしてしまい、エサを求めて住みついてしまうのでは』 との心配は杞憂だったようです。 そんな経緯を聞き、ホッとした反面、一抹の寂しさと、『ちゃんと生きていけるのだろうか』と、要らぬ心配をしているのでした。
             写真提供 : 栗田幸信 様 




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濁流から清流へ

 梅雨らしい天候が続くこの頃、時折の豪雨に加えて、蝶ヶ岳や常念岳の雪融けにより、園内を流れる烏川と小野沢川の水かさが増しています。時に、上流で崩落があると、土色の濁流が1m以上もある岩を軽々と押し流します。   岩同士がぶつかりあう音、その際見える火花や煙、濁流特有の匂い… いつもの穏やかな流れからは想像できない光景に、驚異と畏怖を持って眺め入るのでした。
  しかし、そんな 狂瀾怒濤の流れも長くは続かず、やがて穏やかな清流が戻ります。 とはいえ、いまだ水温は低く水量も多いため、水遊びには充分ご注意ください。なお、現在、水路の一部を整備[浚渫 (しゅんせつ)や河床清掃] して、 安全性の向上をはかっていますが、大水がくれば瞬く間に状況は変わってしまいます。川遊びの際は、知恵と知識と判断力をフル稼動させて、自らをお守りください。
 追記) 7月14日、長野県は梅雨明けしました





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森姫と森太郎 (旬情報 番外編)

 飯山市なべくら高原。 そこに、『森姫』『森太郎』と名付けられた 2本のブナの巨木があります。(森太郎は 林野庁 『森の巨人たち百選』 の一本)
その 2本を診断すべく【樹木医と行く 巨木の往診】と銘打った催しが毎年おこなわれています。当WEB管理人がその担当になって 今年で 5年目。 2本とも、年ごとに目に見えて衰退が進んでいます。 特に森姫の衰えは著しく、毎年 「まだ 立っているだろうか」 と心細い思いを抱きながら会いに行くのでした。
… どうやら、今年も倒れずにいた森姫。  しかし、その樹体は昨年より さらに弱々しくなっていました。
 今回初めて森姫をご覧になった方の多くが、想像していた『ブナの巨木』とは あまりにも違う姿に愕然 とされた様子。  しかし、願わくば、その場で数百年を生き続けた生命体の 最終段階に立会える巡り あわせに、因縁を感じていただけますように。





        森姫             森太郎