.    '12年8月29日

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老木 枯れる

 園内で確認しているネズミサシのうち、もっとも大きなものが枯れました。 胸高直径 24cm・樹高 8m余りと、ネズミサシとしては大木です。 数年前より周囲のコナラやアカマツの被圧を受けて、徐々に衰退してきました。  周りの樹木を伐採して、当樹の生育を考えたこともあります。 しかし、陽射しを必要とする樹ですので、森の移り変わり(遷移) とともに、他の樹との競争に負けて姿を消していくのが宿命ともいえます。 なお、成長が極めて遅いため、おそらくこの周辺ではもっとも老木と思われます。 これまでひっそりと孤高に育ってきた古老、当園地ができたために、一躍ヒトの目を集めた樹が枯れたことは、それはそれで意義あることと考えます。 その一方で、危機を目の当たりにしながら、当樹を救わなかったことの後悔が残ります。 個人的な価値観と恣意的な行為がもたらす影響を恐れての優柔不断さがあります。  





               合 掌


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 夕方に網を張り、朝にはその網を片付ける オニグモ。 写真撮影は 9時ごろでしたので、これから撤収作業に入るのでしょうか。なかには、後片付けをさぼる者もいるようですが、写真の網は 4時間後に見たときには、すでにありませんでした。   ところで、片付けた網をどう処理するのかは長い間解明されなかったようです。ファーブルの観察によると 『食べてしまう』とのこと。 その後、『食べる・食べない』との説が発表され、二転三転し、結局はファーブルの説が証明されたとのこと。 (ただし、なかには食べない種もいる)
 クモといえば網を張ると考えがちですが、網を張らないクモも多くいます。見る機会が多いハエトリグモもその一例。 もっとも、ハエトリグモといっても、ハエトリグモ科だけで 5000種あまりが知られているという大所帯です。 過去から現在、あるいは近い将来、人類に知られないまま絶滅している種もいることでしょう。





         【鬼蜘蛛】の命名に納得


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 (旬情報 番外編)

 写真は 当WEB管理者が講師を務める講座で訪れた木曽のふたつの滝。 左は旧飛騨街道 ・地蔵峠近くの唐澤の滝。 右は開田高原の尾ノ島の滝。  長野県内には『唐澤(沢)の滝』と名付けられた滝がいくつかあり、この木曽町のほかにも、上田市と飯田市にある『唐沢の滝』も一見の価値があります。
 晩夏のひと時、マイナスイオンをたっぷりと… ‘滝とマイナスイオン’の話題を聞きますが、極めて非科学的で、いわば都市伝説のようなもの。 そもそもマイナスイオン(和製英語)の定義が曲者です。かつて(今でも時々)科学用語を駆使した、 もっともらしい説明を見ますが、おおかたはいかがわしい結論で終わります。  以前、マイナスイオンブームがあり、健康志向(?)の家電製品が数多く見られました。 あの賑わいが、いまやなくなり、『あれはなんだったのだろう?』と、太古の昔より姿を変えぬ滝を前に思うのでした。





  左下の人物と比較       マイナスイオン?