.    '12年8月10日

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盗人

 左 : ヌスビトハギ 右 : シロバナシナガワハギ(別名:コゴメハギ)。 ヌスビトハギは在来種ですが、シロバナシナガワハギは中央アジア原産の帰化植物で、江戸時代後期に渡来したとのこと。 写真は両種とも園内に生えていたものですが、この撮影後、シナガワハギは除草しました。 シナガワハギはヌスビトハギとは属が違うため外観から判別しやすいのですが、同属の帰化植物である ハナヌスビトハギ、アレチヌスビトハギなど、一見ヌスビトハギによく似てるものがあります。 また、ヌスビトハギ同様、在来種であり、亜種や変種として、マルバヌスビトハギ 、ヤブハギ、ケヤブハギ、オオバヌスビトハギ… 他、あるいは同属のフジカンゾウがあります。   ところで、『盗人(ぬすびと)萩』の名の由来は、果実が ‘盗人の忍び足の足跡’に似ているからとのことですが、個人的には それよりも‘泥棒の怪しげなサングラス’を連想させるのでした。





  『雑草の除草』とは違う方針で植生管理しています


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【雑草】の除草

 上記写真下のキャプションのごとく、開園以来 計画的に植生管理していたのですが、残念なことに一部のエリアで、その積み重ねが水泡に帰してしまいました。  隣接の施設が【雑草】の除草の名目で、木本草本・あるいは希少種の別なく一斉に刈り取ってしまいました。 『見苦しい』 『クマの通り道になる』 などという、 なんとも次元の低い認識の結果の所業でした。そこになにが生えているのか? それがどのような昆虫の食草・食樹になり、その虫が食物連鎖にどのように関わるのか? 樹と共生する菌根菌は? 日陰地に生育していたシダへの影響は?…等々。 知っていれば戸惑うことも、知らなければ『綺麗にしてあげた』と感謝を求められ┐('〜`)┌ 将来、このような過ちを犯す大人(特に業界関係者) を生み出さないために、 やはり言葉による子供への教育が必要であることを、あらためて痛感したものでした。
   〔難を逃れた隣接地 → 写真にマウス・オン〕





    あまりの所業に、スタッフ一同 唖然となり…


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上記の続き

 上写真奥に写っているのは、シンボルツリーとなっているヤナギ。その根元を撮ったものが右の写真です。上記の常軌を逸した除草作業の際に傷つけられたようです。 人間が‘皮膚’という薄い鎧を着て外部からの細菌類の侵入を防いでいるのと同じように、樹は‘樹皮’により腐朽菌や細菌から身を守っています。 その鎧を刈払い機により傷つけました。 『大木だから、これぐらいの傷なら大丈夫だろう』と考えがちですが、それは大きな間違い。 この傷を侵入門戸として、ほぼ確実に腐朽菌により腐りが始まります。 特に、地上数十センチの高さまでは、雨滴の跳ね返りにより土壌中の菌類や細菌類の脅威に晒されます。 数年間は異常が顕在化しないため、不始末はすっかり忘れられてしまい、責任の追求もできなくなります。
 樹勢が良ければ腐朽を止めるのですが、ヤナギ類の多くは腐朽菌に侵されやすいため、気がかりです。





     刈払い機による惨禍の一例は → こちら