.    '13年10月3日

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秋の空

 通勤途上、当園地まで車で 5分の場所からの北アルプス ・常念岳と浮かぶ雲。すっかり、秋の風情となりました。 この時期、時には朝の通勤の際には車の暖房を入れ、日中には冷房を使うことがあります。 しかし、安曇野の秋は極めて快適な日々が続いています。 散策には絶好な園内を、お楽しみください。
 ところで、当園地では 10月と11月はイベントが目白押しです。 からすの学校として『信州と飛騨を結ぶ古道を歩く』『あぶらむし観察会』があり、市民会議共催イベントとしての『紅葉観察会』があります。 そのほかに『ノルディック・ウォーク』を 2回(体験編と入門編)開催します。『信州と飛騨〜』は以前好評を博したコースを辿ります。 『あぶらむし〜』は、この時期ならではの有翅虫について学びます。  『紅葉〜』と『ノルディック〜』ともども、どれもが秋にうってつけの内容になると思われますので、乞うご期待。





     夏が過ぎ、秋の到来を実感させる巻積雲


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珊瑚(さんご)

 写真はクマノミズキ。 管理事務所駐車場にあり、この時期来園される方から 『あの赤いのは、花ですか?』 とのお尋ねがある樹です。 赤いのは果柄(果実を支えている柄)。 この先に黒い果実がついています[写真にマウス・オン]   まるで珊瑚のように見えるので 『珊瑚の樹』 とでも呼びたいのですが、じつは『サンゴミズキ』という名の樹がすでにあります。 シベリアに自生する シラタマミズキ の変種 Cornus alba var. sibirica が、それです。  このクマノミズキの近縁種がミズキ。両種とも園内に生息するテンツキノワグマの餌となるらしく、 未消化のままの種子がたっぷり入った糞を見かけます。 やがてその種が、新天地で芽生えます。ちなみに、ミズキ科ミズキ属にはヤマボウシがあります。 街路樹として見かけることが多いのですが、谷筋の半日陰に自生するヤマボウシを、直射日光のあたる街路樹に使うことには問題があります。





       この実で命をつなぐ動物もいる


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ミゾゴイ

 世界中での生息数が 1000羽以下とされていながら、研究が進んでいないために知見が少ない、まさに『幻の鳥』です。 かつては普通種でありながら、いまや絶滅危惧種となった理由はよく判っていないようです。しかし、この鳥の生息環境は【里山の沢や渓流沿いの薄暗く湿った林内】であるだけに、 そのような場所の減少が激減の主因と考えられるようです。 里山や公園管理においては、多くの場合 『手入れが遅れて暗くなった森林を明るくする』ことが主眼となります。林床を整理し、間伐や枝打ちで林内を明るくすることが良いことと考えがちです。 たしかに、それにより新たな生態系が育まれるのでしょうが、一方でそれに起因して棲家や自生地を追われる動植物がいるはずです。『気持ち良い空間にしたい』とか『特定の(好ましい)動植物を増やしたい』 とのヒトの価値観や恣意的な行為は、時として危険を伴います。





 このままの姿勢で微動だにせず、10分間余が経過