.    '16年8月1日

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危険信号

 樹高30m、胸高直径60㎝のカラマツ。園内では巨木グループに入る1本です。その根元に生えているのはハナビラタケ。遠目にはミズナラなどの広葉樹に発生するマイタケのように見えますが、こちらはカラマツやモミなど針葉樹に出ます。 【根株心材腐朽菌】に分類されるこの菌類は、公園の植物管理をする者にとっては悩ましい存在です。根元を中心にして、そこから上方に菌糸が繁殖します。 その結果、いわゆる《腐る》ということになります。 きのこは菌類の《花》ですから、その花が咲くということは、成長の最終段階にあるということ。 つまり、このカラマツの内部はすで相当に菌糸が繁殖して、腐っているはずです。 さて、伐らなくてもよいものか?





    【食用きのこ】として栽培品が売られている


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散乱する羽根

 なにやらおびただしい数の鳥の羽根が散乱していました。一見して 『猛禽に襲われて捕食された野鳥と、それを襲った猛禽の羽根』 と思ったのですが…  たしかに、無数に散らばっているのはムクドリのものですが、大きな羽根は猛禽にあらず、どうやらキジ(♂)のようです。 言うまでもなく、両者の間に食う食われるの関係はありません。 とはいえ、残された羽根の様子から、ムクドリが猛禽類に捕食されたのは間違いありません。これまで園内を飛翔するのが確認された猛禽類は、オオタカ、クマタカ、イヌワシ、ハイタカ、ノスリ、ハヤブサ、フクロウ など。 一方、園内でキジを見る機会は少ないのですが、同じキジ科のヤマドリは、時おり見かけます。





 上は、たまたま同じ場所にあったキジの初列風切羽


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98円の命 (旬情報番外編)

 すくすく育つアボカドです。サンドウィッチ(海老&アボカドサンド)の食材として買い、いつもならば、そのまま可燃ゴミとなった種ひとつ。  98円で買った食材(植物)の行く末はどうなるのだろうとの思いから、育ててみることにしました。カップ (※) に入れてから ひと月半ほど経過。 諦めかけた(忘れかけた)ころ、まるで桃太郎の桃のようにバックリ割れて、根が出て芽が立ち上がってきました。 原産地(中南米)では、樹高30mほどになる高木です。寒い信州、なおかつ小さく育てざるをえず、樹にとっては、ちょっと気の毒な環境です。しかし、野生動物になり代わり、我が身をもって動物散布した縁ある個体。 【観葉植物】として、末永くおつき合いしてもらいましょう。
(※) 幼少期はヨーグルトの空きカップで過ごした





         いまでこそ、鉢に植えてあるが…