.    '17年5月31日

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初夏

 あわただしく晩春が過ぎ、初夏になりました。 とはいえ、すでに真夏並みの気温の日々が続いています。 5月だけでも、真夏日(最高気温が30℃以上の日) が何日もありました。当WEB管理人の周りにも、すでに夏バテ気味の方がちらほらと。 夏を思わせる暑さを逃れ、水辺の清涼を求めて来園される方が増えてきました。写真の川は烏川、遠くに望む山は北アルプス・常念山脈の蝶ケ岳(標高:2,677m)。 この蝶ケ岳と その右に連なる常念岳(標高:2,857m)を源流とする川が烏川。当緑地 ・水辺エリアを縦断して流れる川です。 烏川渓谷沿いに広がる当緑地の樹々の多くは、ついこの前まで新緑だったのですが、今はすっかり深緑に変わりました。





       水辺エリア 吊り橋からの眺め

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見ようとしないと…

 なにやら、奇妙な姿の虫がツクバネウツギの花の中に入っていきました。 やがて、体のあちこちに花粉を付けて出てきたのはセダカコガシラアブ (円内拡大写真)。 ‘背高(セダカ)’とは、背中(昆虫なので、実際には背中ではなく胸部)が高く盛り上がっていることからの命名です。  姿も結構インパクトがあるのですが、その生態もまた、なかなかのものです。 なんと、幼虫は、クモの体内に寄生し、数ヶ月から数年休眠した後、最後にはクモの体内を食べて出てくるとか。  この昆虫は特に珍しいというわけではありませんが、こうしてじっくりと向きあうと、なにやら興味深い存在になります。目の前にあっても、見 ようとしないと見えない自然の営みもあります。





    この体形にも、そうなった理由や意味がある

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林道を歩いて…

 からすの学校・第102回は、林道からながめる松本盆地 ~烏川扇状地の生い立ちと地形観察~。 当緑地の近くに、こんな観るべき場所があったとは…。 扇状地を見下ろしながら、それがどのように形成されたのか、地質や地形はといった話から始まり、松本平とフォッサマグナや糸魚川静岡構造線の位置関係や歴史といった壮大な知識を得ることができました。  実際にフィールドに出て、その中での講義は、机上の学問とは違う説得力や感動があります。
 遠くに目をやれば、雨飾山から焼山や火打山をはじめ北信五岳や岩菅山などの山々を望むことができたり、思わぬ希少植物に出合えたりなど、収穫の多い講座になりました。





        悠久の時の流れを目の前にして